共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

暮れ行く空とシューベルト Ⅱ

2014年09月15日 20時35分05秒 | 日記
こちらは《アルペジオーネソナタ》の第2、第3楽章です。切れ目なく演奏されます。

ホ長調の第2楽章は、歌曲王シューベルトの面目躍如たる柔らかで暖かな名旋律です。曲の後半で、アルペジオーネが音を長く伸ばしている裏でピアノが回転軸の太い転調を繰り広げるところも聴きどころです。

アルペジオーネの短いソロに続いて突入する第3楽章はイ長調。いわゆるロンド形式といわれるスタイルで、明るく伸びやかな印象のメロディに、16分音符が忙しなく波打つニ短調の部分と、田舎の素朴なダンスのようなホ長調の部分とが間に挟まります。

この曲は、現在では音域的に重なるチェロで演奏されることが殆どですが、こうして復元された指定楽器での演奏を聴くと、シューベルトが恐らく意図していたこの曲の響きというものは、こんなにも穏やかなものであったかということを再認識させられます。

涼やかな秋の夕べに、シューベルトの名曲を本来の姿で御堪能頂ければと思います。

Franz Schubert : Sonata for arpeggione & fortepiano - 2. Adagio & 3. Allegretto
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