共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

実質3種類あるんですよね…

2024年10月01日 16時55分16秒 | 日記
今日、改めて自身の認識を新たにしないといけないな…と実感することがありました。

小学校支援級の授業で、タブレットを使ったローマ字入力の勉強がありました。ローマ字入力といえば



こんな感じにやるものですが、普段意識していない『ヘボン式』と『訓令式』の違いに気をつける必要がありました。

ヘボン式と訓令式のローマ字表では、大方のローマ字には違いありません。しかし、ヘボン式と訓令式とでは



拗音(ようおん=小さな『ゃゅょ』を使う字)や濁音(『゛』の付く字)の表記法に、こうした違いがあるのです。

大人たちが何気なく使っているローマ字ヘボン式が多く、特に『じゃ』は訓令式だと『zya』と三文字打つ必要がありますが、ヘボン式だと『ja』と二文字で済むため、結構便利に使っていると思います。またヘボン式で『し』を『shi』と書くことに合わせて、それに整合性を持たせるために『しゃ』『しゅ』『しょ』を『sha』『shu』『sho』と書くことも多く見受けられます。

それと、ヘボン式と訓令式とで違いが指摘されるのが発音の面です。例えば『si』や『ti』は『スィ』『ティ』と発音しそうになるため、より日本語の発音に近い『shi』や『chi』と表記しているものが多く見受けられています。

ところが、それが一筋縄では行かないのが支援級の子どもたちで、例えば

「『きゃ=kya』や『にゃ=nya』や『みゃ=mya』はみんな間に『y』を挟むのに、なんで『しゃ=sha』『ちゃ=cha』『じゃ=ja』になったら『y』を使わないんだ?!」

といってパニックを起こしてしまうのです。しかも『じ』と『ぢ』、『じゃ』と『ぢゃ』に至っては、ヘボン式だとどちらも『ji』と『ja』、訓令式だとどちらも『zi』と『zya』となって、ますます分かりにくいのです。

そこで登場するのがもう一つの『日本式』というローマ字で、『ぢ』は『di』、『ぢゃ』は『dya』となります。全ては拗音で『y』を使う訓令式との整合性をとるためなのですが、大人たちが使い慣れていないこともあって、つい使い慣れているヘボン式を教えてしまいそうになるのです。

支援級の子どもたちはかなり面倒臭がっていて、先生の指示をなかなか遂行しようとはしませんでした。そこで私がふと思い立って、こんなことを囁いてみました。

私:あのさ、〇〇君将来ユーチューバーになりたいんでしょ?

子:え?うん…

私:ユーチューブの画面観てると、画面の下にテロップ(字幕)が出てくるでしょ?

子:あぁ、うん…

私:あれさ、全部ユーチューバーが入力してるわけでしょ?その時にこのローマ字表記を使いまくってるのは分かるかな?

子:そうなの?!

私:そう、だから将来的にチャンネル立ち上げて動画をアップするなら、字幕を添えるためにもローマ字表記はマストで覚えておいた方がいいと思うよ。

…とちょっとそそのかしたら、急にその気になって練習していました(笑)。

授業後に支援級の担任と改めて話し合って、支援級の子どもたちに教える場合には訓令式を旨とすることを確認しました。これからタイピングの授業なども始まるのですが、大人たちがうっかりヘボン式で指導してしまわないように気をつけていこうと思います…。

コメント
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