昨日までの暖かさはどこへやら、今日は一転して昨日より10℃以上気温が下がりました。ヘタに冬物をしまいこんでしまわなくて、本当によかったと思っております…。
折角咲きそうになっていたソメイヨシノの蕾も、急激な冷え込みにさぞや驚いていることでしょう。昨日はこの三連休中にも東京で開花宣言が出されるのでは…とも言われていましたが、事はそう簡単にはいかないようです。
ところで、今日3月18日はリムスキー=コルサコフの誕生日です。
ニコライ・アンドレイェヴィチ・リムスキー=コルサコフ(1884〜1908)はロシアで活躍した作曲家でありながら、海軍士官としても活躍していた人物です。
リムスキー=コルサコフは管弦楽法の大家として知られていて、『管弦楽法原理』という理論書を多く残しました。中でも和声学の教科書は、日本でも広く採り上げられています。
その管弦楽法の巧みさを活かして、ムソルグスキーの交響詩《禿山の一夜》や歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》や《ホヴァーンシチナ》、ボロディンの歌劇《イーゴリ公》といった、彼らの死後に残された未完成作品を含む様々な作品の補筆や改訂も手がけました。その中には、先日とり上げたラヴェルの編曲が有名な《展覧会の絵》もありますが、リムスキー=コルサコフの編曲は全曲ではなく抜粋であるため、今日では演奏される機会はあまり多くありません。
さて、リムスキー=コルサコフには交響組曲《シェヘラザード》や《熊蜂の飛行》といった有名な作品がありますが、今日ご紹介するのは《トロンボーンと吹奏楽のための協奏曲 変ロ長調》です。
1877年に発表されたトロンボーンを主役としたこの珍しい協奏曲は、同僚の海軍士官のトロンボーン奏者のために作曲されました。作曲家の死後一時期忘れられていましたが、1951年に旧ソ連で再発見されて、現在ではトロンボーン・ソロの貴重なレパートリーとなっています。
そんなわけで、リムスキー=コルサコフの誕生日の今日は珍しいトロンボーンのための協奏曲をお聴きいただきたいと思います。吹奏楽の響きも軽やかな中に流れる、中低音楽器の魅力的なメロディをお楽しみください。