共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

一番好きなピアノコンチェルト~モーツァルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調

2016年01月27日 21時57分06秒 | 日記
今日、CDを戸棚から引っ張り出そう…としたら、積み上げられていたCDが一山まるまる崩れ落ちてきてしまいました。『あちゃ~めんどくさ~…』と思いつつ拾い上げていたら、その中に随分長いこと聴いていなかったCDがいくつかありました。

ふ~ん、懐かしいな…と思って見ていたら、その中にモーツァルトの《ピアノ協奏曲第20番ニ短調》のCDがありました。これは私が大学時代に初めて演奏して、一発で大好きになった曲です。

当時私は無類の短調好きでした(別に病んでいたわけではありません、念のため…)。交響曲でも協奏曲でも室内楽でも歌曲でもピアノソナタでも何でも、好んで聴いていたのは短調のものが多かったと思います。そんな中でピアノ協奏曲の中ではベートーヴェンの第3番ハ短調と、このモーツァルトが断トツで好きでした。

不穏なシンコペーションから始まってゾクゾクするような心地よい焦燥感が全体を支配する第一楽章、その後に続くにはゾッとするほど美しい第二楽章、短調と長調の間を息をもつかせぬ疾走感あふれる転調で駆け抜け、やがて歓喜の長調で大団円を迎える第三楽章、こんなに魅了されるピアノ協奏曲はそうありません。

特に第二楽章の中間部にあるピアノと木管アンサンブルによるコンチェルティーノは比類のない美しさで、いつまででも聞いていたくなります。残念ながら弦楽器群は各部の頭に一発「ジャン!」と入れて以降ズーッと休みなので、この素敵なアンサンブルに絡むことは全くないのですが、その分、本番中の舞台でもこのコンチェルティーノを堪能することが出来ます(ただし、あまり堪能し過ぎて油断していると、次のきっかけを出損ねたりする危険性もあるのですが…)。かつて映画《アマデウス》が公開された時、年老いたサリエリが車椅子に乗せられて運ばれるラストシーンでこの第二楽章が流れた時に「この映画は名作だ!」と思いましたが、私にとってこの協奏曲はものすごいインパクトを秘めた作品です。

CDとは違うのですが、マルタ・アルゲリッチの演奏する動画があったので転載しました。クリスティアン・アルミンク指揮の新日本フィルによる演奏です。若干オバサンの演奏が荒っぽいですが(笑)、お時間がゆるせば御堪能下さい。

W.A. Mozart Concerto in re min. K.V. 466 (completo) Martha Argerich in Giappone video -
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