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DXの地から届いた切手 Venezuela(5)

2019年01月18日 00時02分43秒 | DX stamp

YV - 南米Venezuelaの切手

正式国家名称は、ベネズエラ・ボリバル共和国である。

ボリバルは南米の英雄シモン・ボリバル由来の名前だ。ベネズエラは諸説あるがスペイン語の”小ベネチア”が由来の説が有力らしい。

数年前まではベネズエラと言えば、石油とEl Sistema(音楽教育プログラム)が印象強かった。

最近だとラミレス監督の母国といった印象だろうか。


 世界最大級の原油埋蔵量を誇り、20世紀の時代は南米では最も裕福な国であった反面、貧富の差は激しく、その当時の活動として

「ストリートチルドレンにも無償で音楽の教育を」とエルシステマ(El Sistema)が始まった。

もっとも有名なのはドゥダメル指揮するシモンボリバルユースオーケストラだろう。日本にも講演に来た。

ベネズエラの奇跡:エル・システマ EL SISTEMA 2015


彼らの底抜けに明るく、どこか寂しげで、でも力強い、そんな音は何度聞いても元気が出る。

そのベネズエラ、現在は壊滅的な国家経済破綻の状況である。

南米の優等生は、今はシリアと並ぶ大量の難民を発生させて人口が急激に減っている国の一つである。


 連日報道されている通りベネズエラの経済破綻は超ド級で、極悪なハイパーインフレが続いている。

100円の物を買うのに1千万円くらいの紙幣が必要で、5桁のデノミを実施したが焼け石に水、もはや流通通貨ボリバルは信頼ゼロ。

社会主義化に舵を切られた経済界にはこの局面を打開する体力も意欲もなく、政治家だけがもはや自己満足と言われてもしょうがないレベルの対応だ。

周辺のコロンビア、ペルー、エクアドル、ブラジルへ数百万人単位でベネズエラから国外脱出する難民が押し寄せており

欧州で起こった中東難民に関する課題がここ南米でも起こりはじめている。


 隙に乗じてロシアはベネズエラへ戦略爆撃機を派遣して米国を挑発し、米国は国境壁ですったもんだしているが

相変わらずこの地域は社会主義化するエリアと米国の戦いが続いている。これに乗じた中国からの融資も急速に増加している。

米中ロの介入が進めば進むほど事態は複雑化し解決への道筋は見えなくなる。

政治が弱体化すれば軍部が台頭してくるのは万国共通、そもそもベネズエラ転落は軍人が大統領になったのがトリガだ。

不謹慎な話ではあるが、ベネズエラ領のアベス(YV0)が自分にとっての残り3つの1つなのだが、この事態から見て

おそらくアベスからの運用は当分無いだろうと考えている。むしろハリケーンか地殻変動で島自体が無くなってしまう方が早いのかもしれない。

ひょっとすると東シナ海の様に島の一つくらい作ってしまうのかもしれない。


 新たな時代を開拓できるのはシモンボリバルに傾倒する昔ながらのおらが村の武闘派英雄ではなく

世界に通じる価値観を表現できるEl Sistemaの様な活動家なのかもしれない。

今を生きているベネズエラ人のラミレス監督の活躍を見ていると、そう感じる。
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