クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

大好きな岸田劉生の絵、どちらの目にピントを合わせてるか

2020年02月10日 19時29分20秒 | 美術展
先週土曜日は、名古屋市美術館で「没後90年 岸田劉生展」を観てきました。
劉生さんの絵は大好きで、2011年10月には大阪市立美術館の「生誕120周年記念 麗子いっぱい岸田劉生展」を観に行ったのですが、絵の好みは変わらないようで、重要文化財の麗子像よりもポーラ美術館所収の “ 麗子坐像 ”の方が好きというのは、大阪でも名古屋でも一緒です。

さてさて、今回の鑑賞のポイントはというと、人物画に2つ描かれている目のどちらにピントがあっているか?
当然ながら真正面を向いた絵は、左右の目が同じようにシャープに描かれています。
若干、斜めを向いたポーズの場合はどうかと、1枚1枚確認してきました。
ちなみに私が写真を撮る場合でいうと、基本的に前の目にピントを合わせ、例外的に、前の目の辺りが暗く写真にした時に写真を見る人の着眼点が後の目に行く場合には、後ろの目にピントを合わせます。
さて、劉生さんはどのように描いているでしょうか?
目のシャープさの判定箇所として、①上瞼の先端のシャープさ ②瞳のキャッチライトのシャープさを 前後の目で見比べました。
概ね、前方の目が後方の目よりもシャープに描かれています。キャッチライトも前方の方がシャープですが、それほどシャープさの差をつけていないようです。
ほんの少しでも、前方の方が暗い場合は、後方の目の方がシャープに描かれていて、その場合の顔からは、モデルの人物の内面がより浮き出てみえます。

絵の場合は、写真と違って機械的な描写ではなく、多数の要因で複雑にシャープさの出し方、見え方が変わってくるでしょうから、追及のし甲斐があるでしょうね。
トップの写真は、ポーラ美術館所収の “ 麗子坐像 ”


重要文化財の麗子像

2011年10月大阪市立美術館前にて

“ 麗子いっぱい ” の岸田劉生展は満足度120%でした


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