クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

大般若経を真読するには

2022年11月24日 13時25分36秒 | 円空さん
昨日観た「三重の円空」展で、もう一つ興味深かったのが、片田の大般若波羅蜜多経巻第六百の奥書。
『奉真讀大般若経二形』と達筆で書かれ、更に如意庵と書かれていること。

『真讀』とは経文の全文を省略なく読むことなので、600巻もある大般若波羅蜜多経を全部読んだら、一体どのくらいの時間がかかるのでしょうか?

奈良の法相宗大本山興福寺のサイトには、次のように書かれています。
『(前略)字数約500万字で諸経典中でも最大の経典です。(中略)『大般若経』は大体50巻ずつ12箱に納められ、法要では1箱を1人の僧侶が受け持ちます。本来、経典は読み上げるものですから、声に出して1巻を読み上げるのに約1時間はかかります。したがって『大般若経』となると、1人あたり50巻を全て読み上げるのに、2日間飲まず食わずの状態でようやく完了ということになってしまいます。』

この2日間というのは、1箱(50巻)ですので、全600巻となると12倍の24日となり、そうはいってもさすがに飲まず、食わず、寝ずでは続かないでしょうから、1日当たり20時間読むとしても計算上は28.8日。1人の僧侶が読み終えるには大変な決意と継続した実行力が必要となってきます。
それとも複数の僧侶が、同時にそれぞれの箱の『大般若経』を読み上げるのでしょうか?

あるいは、『奉真讀大般若経二形』の後ろの2文字の『二形』に、何か特別な意味があるのかもしれません。
ところで大般若経の真読を奉るのは、仏でしょうか、神でしょうか。

如意庵は曹洞宗のお寺で、三蔵寺(真言宗醍醐派)のすぐ隣に位置します。
釈迦説法図が見返しに描かれている大般若波羅蜜多経は、如意庵、三蔵寺、金剛院(曹洞宗)とその在りかを色々と替えているようです。

トップの写真は、三蔵寺の円空作聖観音菩薩像。
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