クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

音と絵画の交差点

2015年02月26日 17時14分12秒 | 日記
小牧市のメナード美術館へ行ってきました。
「音から生まれる色ワールド」と銘うった新春展をやっています。

イントロダクションの陶器に始まり、次の3章は絵画が並びます。
第1章「音が聞こえる色の世界」が赤、第2章「春の足音」が萌黄色、第3章「耳をすませば」が青色と、シンボルカラーに導かれて、館所蔵の絵画から選ばれた“音を感じる”絵が並びます。
第1章で私が一番音を感じたのが、須田剋太の“東大寺落慶供養”、第2章が小倉遊亀の“椿花白磁”、そして第3章が青木繁の“布良藻屑拾”。
音というか、画面が揺らいで、風が吹いているのを感じるのです。
清涼な静かな風は、肌に心地よいものです。

展覧会のテーマは「音から生まれる色ワールド」なんですが、展示で問うているのは「色から生れる音ワールド」、或いは「音が生まれる色ワールド」だと思うのですが、館の趣旨はどこにあるのでしょうか。
それぞれの画家が、音が鼓舞した色を画布に納め込んだということなんでしょうか。

音楽における“色”、絵画における“音”、それぞれの直角に交差する(と、私には思える)感覚を、同じ向きに向けさせるベクトルが、表現する力となるのでしょうか。

「音から生まれる色ワールド」は、3月1日(日)まで、小牧市のメナード美術館で開催中です。
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田中美香さんが語る音楽を通しての自己表現

2015年02月26日 12時05分17秒 | 日記
第153回岐阜大学芸術フォーラムが今月14日(土)に行われ、JR岐阜駅前の岐阜大学サテライト・キャンパスで東京在住のピアニスト田中美香さんがお話をされました。
3歳の時、モーツァルトの行進曲に出会ったのが音楽との関わりをもつ最初という田中さん。5歳でピアノを習い始めるも『ドレミの呪縛』に囚われ、つまらないからと高校生の時やめてしまったそうです。
やめてしばらくなのでしょうか、17歳夏に参加した音楽祭で、ラベルの「道化師の朝の歌」に接して“ドレミを凌駕する”“色彩感が違う”その音の世界にすっかり心を奪われ、音楽と真正面に向き合うようになられたとか。
音大を卒業後フランスへ留学、帰国してから今度はアメリカ滞在と、海外の多くの人々との交流の中で田中さんは人生を歩んでみえたようです。

「偉大な作曲家の音のまとまった色、香り」に導かれ、「開いた音、閉じた音。」、「内側の音、外側の音。」に田中さんは身を挺して分け入ります。
「音に没頭できる幸せ」、「時間の質感が変わった。」、「身を浸している快感にやみつき。」といった情動的な表現も、全身を用いた活動の裏返しなんでしょうね。
「自分の世界観、質感。」を大切に育てる田中さん、「アーティストとして普遍的な美を表現したい。」と願い、「今ある自分からもう一つ先。」の世界へ歩みを進めます。
音楽実演家として始まり、詩人として画家として、さらには作曲家として、創る人、表現する人として様々なジャンルに挑戦してみえます。

今回のフォーラムでは、これまで聞いたことがない音楽家の自己表現への取組の思いを、人々との交流を通してどのように感じ、実行してきたかのお話が伺えて大変興味深いものでした。
田中さんもそうですが、音楽家は音楽に色彩を感じられるようです。
私はそれほど音楽に接する機会はありませんが、ブラスバンドの生演奏は時々聞きます。
そんな時、“色”までは見えなくて、モノクロの世界で、モノトーンについたコントラスト、明暗や濃淡は意識できるのですが。
時には、自分の周りの空気の大きな動きを感じることもありますが、色までは見えません。
人それぞれの育った環境による感受性の違いなんでしょうか。
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