クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

空間の中の存在を描く名手、筧忠治さん

2014年04月16日 18時25分12秒 | 美術展
ずらりと並んだ21枚の絵画。
多くは素描であり、油絵は3点だったでしょうか。
19枚が自画像、そして2枚には猫が描かれています。
自画像も猫も、力強い夥しい線が形を表し、命が吹きこまれています。
描かれた皮膚に手を伸ばせば、暖かな体温が伝わってきそうです。

画家は明治41年 ( 1908年 ) 生まれの筧忠治さん。
絵の表現は独学。
14歳で愛知県測候所 ( 現名古屋地方気象台 ) に勤務し、60歳まで勤める。
1時間だけ仕事をする夜勤には、空いた時間で鏡をのぞき自画像を描いた。
日に1~3枚描き、時にはエェ~ィと掛け声もろとも描くことも。
筧さんは、自身の展覧会はずっとしなかったそうです。
『 人に見てもらって意見をもらわなくてもよい、自分の楽しみで描いているから。 』 と画家は語ったそうです。

今日から長久手市文化の家で始まった 「 感動やたび 愛と知のちから パートⅧ 筧忠治と素描・水彩の魅力展 」 。
初日の今日はオープニング・ギャラリートークと称して、会場に集まった熱心な40名を前にして、画家の赤塚一三さんと名古屋画廊社長の中山真一さんが語り合います。

赤塚さんが繰り返し言った 『 空間の中の存在を描くのがデッサン。 』 のとおり、筧忠治さんのデッサンは存在感が際立っています。
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