【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

止の心算がぁ ・ ・ ・ ・ ッ!

2007年02月03日 13時54分24秒 | 夜の時代 【深夜倶楽部】 
  



 【 なんでやぁ~! 】


夕方が近づくと 逃げ回る者の心は
漫ろ(ソゾロ)に為ってきます。

何時か 終わる時が来るかもぅ っと
想いながら眺める 沈みかけの太陽
暗い赤さで魅せながら 人の心を遣っ付けます。

此れでもか と



周りの キチガイマッハと並んで走る車の騒音
自分の中の 心細さを隠してくれていました。
キチガイマッハ 自分の股下で車体を小刻みに震わせ

 モット! アクセル回さんかぁ~! 

っと 人の言葉が話せるなら そぉ喋るかもなぁ
自分、そないに思いながらでした。

自分も、強く握ったアクセルは、こんな半端な開きじゃぁなく
捻り過ぎて、回らんくらいにしてやりたかった。
そしたら、今の行き詰った状況から抜け出せる

   ・ ・ ・ ・ っかもなぁ


「コウジ、もぉソロソロやで 」
「ぅん、そやな 」

肩越しに言われたので、肩越しに返事した。
進む道の先の方に、ボンから教えられた
縁取りのペンキも剥げかけた 古ぼけた看板が見えてきた。

「コウジ、あれ違うんかぁ? 」
「あれやな 」
「何処ぞにぃ トイレないかなぁ 」
「ナンや ビビッタんか 」
「アホッ! チョット冷えたさかいにや 」

マッハを惰性で走らせ、看板を遣り過ごした。
次の角に在る、ホームセンターの駐車場に
単車ぁ 突っ込ませた。


「なぁコウジ、居るやろかなぁ 」
「解からん、行ってみんと 」
「 ・ ・ ・ ・ 居ったらえぇんやけどなぁ 」
「そぉぅやな 」

自分、居ったらドナイする心算やねん っと
言わずもがななコトを、聞きそうやった。
自分の小便、濃い目の水割みたいな
烏龍茶のような 濃いぃ色やった。


路地の入り口辺りで、古い木の看板を見上げると
【 新和壮 】 っと 書いてあった。
看板、電信柱に勝手に括り付けたような感じヤッタ。

縁周りの赤も色褪せた 縦長木造看板
前もって、ボンが教えてくれてたから 自分らには判ったけど
書かれた文字は 長年の雨風に遣られていたので
ヨッポド気をつけて 睨んで視ない事には
何と書いてあるのか 判断できずに
タブン、通り過ぎてしまっていた。 

アパートの出入り口には 扉もなかった。
中を覗くと、通路には明り取りの窓もなく
傘もない裸電球の通路灯が 大きな間を開けて灯っていた。
通路の両側に、部屋の扉。 並んでる。
入って直ぐにの右手に、二階への階段。

二階にと、木の階段を ゆっくりと気をつけて踏んでも
枯れ木が擦れ合うよな 軋んだ音を発てる。
二階の廊下も、歩くと床板が靴の下で撓んで軋んだ。

「此処や 」
「・・・・ぅん 」

自分、部屋の扉の上の番号を見つけ
後ろの真二に 聞こえるくらいの小声で喋りました。
真二、ワイの背中を突っつきながら、微か言葉で耳元囁き

「なんや聴こえるやろ ! 」 っと。

「ぇ!・・・・・ 」
「なっ! 」

暫く部屋の中の様子を見てました。
二人で扉に、片方の耳をソバダテテでした。
誰かが何かを話したら 静かになり、同じ者が再び喋ったら静かに。
それが何回か繰り返されました。
静かさの合間に、何か鈍い音が混ざってる。

「なんや? 思う 」 っと問われて
「わからんわ 」 って返事して

振り返り見ると、真二、上着の懐に腕を突っ込んでいた。
ヤッパシぃ、遣るつもりかぁ ! 真二ぃ。
じゃぁ仕方ないかぁ! ・ ・ ・ ・ ・ 自分がぁ !
先にぃい! えぇえ~ぃい! いかんかぁあ~!!
っと、本気の覚悟を下腹でして 扉を叩いた。

中の話し声が止んだ。

「ワイが先や 」 っと

真二が後ろから 自分の肩を強く摑んだので
身を揺すって 真二の手を振り解いた。

「何方さんや? 」 中から

その声聞いたら わ!ッ っと驚いた。
自分の中でナンデや? って。
っで、直ぐに口から出た言葉が

「ボケ!ナニサラスねん 」
「ぇ?・・・・・! 」
「はよう (早く) 開けさらさんかい! 」

扉が少し開いたので、ノブを摑んで肩で押し開いた。
中に押し入ると、真っ暗やった。 部屋の中

「電気点けんか 」
「ハイぃ チョとまってんかぁ 」

明かりが点いたら、部屋の窓には
カーテンの代わりに毛布が吊られていた。

その下の、畳の上には、赤い血染めのパジャマ姿で
顔中を腫らして血だらけの男が 転がっていました。
部屋の中には、生臭な血の匂い、赤錆びた鉄の匂いが充満してた。
その中には、小便の匂いも混ざっていました。

っで、部屋の真ん中の暗い電燈の下で
右手に 特製匕首を持ち提げた 見習い若ボンが!
背筋を伸ばして姿勢もいい、綺麗な立ち姿で
お立ちに為ってました。


「二人ともぅ 遅すぎやぁ~! 」


ボンが何かに酩酊寸前のような、感じの声で!
自分、思わずに右の平手で ボンの頬を打ちました。

「痛ぁ~! なんでやねん! 」 血の匂いに酔ってるボンが
「アホッ! 勝手なことしくさってからに 」 ボンの目を覚ませる為に自分が
「お前!ッ ナンで此処に居るんや 」

っと真二が、おかぁハンから頂いてた、切っ先鋭い得物を握り締め
此の場に出遅れて、腹立たしげに言うた。


自分、此れで何度目の

「なんでや?」

って 聞いたんかなぁ? 想ぅたっ!






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