(画像はイメージ)
「ホラぁ、潜(クグ)るぞぉ 」
「潜ったらなんかぁ、いぃことぉあるのぉ?」
「いぃことなんかあるもんか 」
「ジャぁ、潜らなくてもいぃよぉ 」
「あんな、イッツモおもうんだよ 」
「なにぉ?」
「一回くらい、ボクのゆうとぉりにしてくれないかぁ 」
「ナンでもゆぅとぉりにしてるよぉ 」
「ジャぁ、黙って潜ったらいぃんだよ 」
知らない? 街中に建つ大きな鳥居はね、
向こう側にへとの入り口なんですよ。
ふたりが此れから先。
辿り着けないような世界のね、入口なんですよ。
手を握り合ってね、サッサト潜ればね。
暗い夜の中では想わぬ物事が起こるかもしれません。
「嘘吐き。ナンにもないじゃない 」
「ボクは観れる 」
「ナニが?」
キミの怒る顔は薄闇越し、アッチ側から覗くようなんだよ。
暗さな宵は、優しさじゃぁないナニか肌に触るような宵でした。