【 rare metal 】

此処 【 rare metal 】の物語や私的お喋りの全部がね、作者の勝手な妄想ですよ。誤解が御座いませんように。

「飢餓海峡」「越前竹舞」

2009年12月28日 04時47分26秒 | 大人の寓話


(掲載写真はイメージ 文章とは無関係)




【好きな曲】





「ぅちぃ。ドナイカなるんやろかぁ・・・・・ 」

薄暗い、赤い傘の電気スタンドが照らす店の奥から。




港は。遠洋漁業の水揚げ港。


市場の裏の通りに在る、見た目もぉ年季がぁ・・・・・・ット。

潮風と雪の染み込んだような呼び込みの、割れ吊提灯。


掲げる古い板看板にゃぁ。

今じゃぁ文字もなが年月の風雨で薄れ、書かれた店の名がやっと読めます。



【水揚げ酒場 赤舟】 と。




酒場は。身持ちの悪い流れの船乗り相手。

舟も出せないような嵐の夜には、手持無沙汰な漁師が集います。


グイ飲み替わりの湯飲みを手に握りしめ、肘着く食台の小皿を睨み。

外の吹雪に合わせるような、店に流れる演歌ぉ聴きながら。



酒が招くのか。

聴く演歌の歌詞に負けるのか。

目尻に滲むものがぁ。



其れぉ。マフラーがわりの手拭いで擦ります。



飢餓海峡 石川さゆり 2008年 Ishikawa Sayuri



歌:石川さゆり.. 越前竹舞い ..Photos :早乙女太一 



 (映像は、文章のイメージ)




店に吹雪逃れに迷いこんだ旅の者。

静かな雰囲気に圧倒されます。


タダタダ。熱燗ぉ味わうことも無くです。

己も。黙って酒ぉ啜っていました。



だけどぉ。居心地がよっかたんですよぉ。




何処にも、帰ることも叶わぬ者は。



人がぁ。集まる場所ならねぇ・・・・・・。




バイバイ



20091228

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