始まりは あなたからの誘い
あなたのまわす腕 わたくしの腰にさり気なさなで
腕がやさしさで腰をと抱くとき 思わぬ眩暈がッ!
立ち眩みは あなたのせいなの それとも
わたくしの想いのたけが そうさせましたのでしょうか
崩れそうなわたくしの躯 ささえますあなたの腕が
凭れましたあなたの胸に 引き寄せられましたから
あなたが なにかお求めてくださりそうだったから
あなたとわたくしの気持ちは 合わせた胸から止め処なくと
通いましたのでしょうか 心微かに 呻き泣きしましたのでしょうか
隠し気持ちの想い歓喜が なぜにと迷わぬようにと
約束縛りで あわせた躯と躯だったから
あなたの綺麗な頬濡らさせ 顎から滴る涙の雫
昨日までの我の暗さな脳内世界 其処をと震えさせて堕ちて逝く
わたくしの雫は なにに当たって弾けたのでしょうか
あなたの暗闇世界の脳の其処までと だったからなんでしょうか
水晶は 綺羅綺羅な粉々になりました
輝かす捜し続けた望みな宝石 珍しさな輝き石
光の硬さは冷たさで 冷たさは秘めてる想い
耐えながらの想いは どうしてもな熱さを隠し逃がさぬと
信じさせます 流されそうだったから 何処までもと
果てしがなさそうだったから
「れこーどかえてくださらない 」
「こんどはどんな曲 」
「わるつがいいなぁ 」
「おどる 」
「ぃいえおどらない 」
「何故? 」
「こぉしていたいから 」
電燈消し 赤色蝋燭ひとつ点した薄暗さな部屋
そこに漂い流れるは 密かに二人が奏でる 輪舞曲
空気が静かに舞うような 妖精の羽音のような 輪舞曲
妖しげな囚われな者ども 何処かから覗いていましょうかと
輪舞な曲に誘われていましょうから 弓奏楽器が啼くように奏でるから
終わりなき 始まりもなき輪舞
二人 踊らされます 曲に酔ってるから
醒めましょうかと けっして思わないから
いつかはそれでも正気が 幻想だよと醒めさせましょうか
気がつけば 夜がお終いにしましょうかと
お尋ねいたしました 耳元で囁きましたから
眩暈は再び そのときから始まるんでしょうか
求めずとも 輪舞
「もぉ帰る 」
「ぃいわよ この曲が終わればね 」
「曲って 」
「ぇ! 」
聴こえなくとも 輪舞
幻想世界からの誘(イザナ)う曲は 輪舞曲
「なにも聴こえないけど 」
わたくしの心は 輪舞には為れませんでした