横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

iPhoneと丸一日暮らして

2008年07月13日 23時20分38秒 | スローライフ
 2年間の契約期間中に支払う総額は20万円にもなる...ということを分かっていて買いに走ってしまった(やっぱりアホな)小生は、ともあれ初期設定終了後丸一日暮らしてみた。

 まず、家族の評判がすこぶる良い(ホッ)。こういうIT系ガジェットの場合、家族から白い目とか良くても”しかと”されることが多いのだが、妻も子供も結構使いこなしている。面白いのは、小学校4年の子供が「これは携帯電話じゃない」という点。「一応これは携帯なんだよ」と説明する私に、「どこが?」と真顔で聞いてくる。確かに、今まで見かける携帯とは見てくれも使い勝手も、提供される機能も様変わりしているので、あえて携帯と呼ばない方が、私にもしっくり来る。

 今までに持っていたiPodの音楽と1万枚ほどの写真を転送するだけで6時間くらいかかったのだが、音楽と写真に加え、Webブラウジング、会社のアカウントのメール、地図、天気、カレンダー等々、私の仕事の一部と日常生活の大半とをカバーするツールがポケットに入ってしまった。要するに、音楽を聴きながらWebブラウジングをして、時々仕事のメールを確認して、スケジュールをチェックする...という自分の生活が「全部入り」ということだ。

 その結果、どうなったかというと、ちょっと外出していようが、TVを見ていようが、いつでもどこでも同じ環境が手に入る。昨年にイーモバイルをノートPCに導入したときに、(主として仕事で)外出した際の自由度が劇的に向上したが、今回のiPhoneは、どちらかというと、自分のライフスタイルが”場所を選ばない”ものへと進化したとでも表現できる。

 既にいろいろな記事で書かれていることだが、ディスプレイは本当に見やすく、しかもよく練られたUIのおかげで操作はだれにでもすぐにできる。デバイス的には、3.5インチの480×320ピクセルだから、日本製の最近のハイエンド携帯が使っているWVGA(800×480)よりもスペックとしては大幅に劣る。しかし、メールの文字やWebサイトの文字は明瞭で、これ以上の解像度は不要と感じるほどだ。結果的にAppleは安い部品を活用することに成功しているようだ。

 ところで、契約時に半ば懇願(=強要)される形で、本来は任意である「基本オプションパック」や「Wホワイト」にサインさせられた。実は、音声系のこれらのオプションは、iPhoneでは一番使わない類の使用形態なので、(孫正義流の?)こういう商売は不快感を覚えてしまう。(”2ヶ月経ったら解約してもらっても良い”と言われたが...)

 だから、今回のiPhoneゲットではAppleに対する驚嘆の念は増したが、キャリアであるソフトバンクに対する期待や信頼感はマイナスってところだ。


 さて、玉置さんにもカーナビに関する私の投稿についてコメントをいただいているのでと言っては何だが、地図を使ってみての感想。

 iPhoneにはA-GPSによる現在位置検出機能が付いている。近所で試してみたら、わずか数秒で現在位置を地図上に正確に表示した。私の車に付いている2002年モデルのSANYO「ゴリラ」よりもずっと早いし正確。そのまま歩き始めると、ほぼリアルタイムで位置を正確にトレースしてくれる。車の助手席に載せて走ると、これまた現在位置を中心に地図が移動する。Google Mapsだから、空中写真も使えるので、リアリティが違う。息子は「もうカーナビが要らないね」と。
 
 もちろん、カーナビの機能の2つの柱は「現在位置表示」と「目的地までのルート案内」であり、前者だけの機能が抜きんでていても、後者が無ければ比較はなかなか難しい。だが、現在位置を知りたい、というだけであれば、iPhoneで十分だ。さらに、iPhoneで動作するルート案内機能を提供するサービスが、ナビタイムなどからまもなく提供されるであろうから、それを使えば文字どおりカーナビ不要になるかもしれない。

 車載装置としての専用カーナビは、汎用のデバイスが存在しない時代に社会的な使命を果たしてきたが、iPhoneやポータブルナビに限らず、何でもこなす安価なデバイスが出回ってくると、旗色は良くないだろう。かやまさんからいただいたコメントにもあったが、ワープロ専用機がパソコンの登場で消滅したことと同じような流れが既に始まっていると思う。だから、パイオニアのような、専用ハードウェアを売ることを前提とした事業構造に乗っかっているカーナビビジネスに変革を迫るのは、ポータブルナビではなくて、iPhoneなのかもしれない、とさえ思えてきた。