横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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日本の航空政策って何だぁ?

2008年02月10日 18時33分43秒 | スローライフ
 と、タイトルはかなり大げさなのだが、たまたま鹿児島空港の時刻表を手にしてまず思った。ここには国際線として、週3便のソウルインチョン(大韓航空)と、週2便の上海プドン(中国東方)が定期運行している。鹿児島空港ともなれば、近隣諸国の国際線が乗り入れているのは特に不思議ではない。

 ところが、私がう~ん、と思ったのは、時刻表に「ソウル(またはプドン)に行けば、北米、アジア、欧州方面への国際線にすぐに乗り換えられるので大変便利です」とあり、しかも国際線を利用すると、鹿児島県の助成が出るので、例えばパッケージ旅行は5000円引きだとか...外国の航空会社、外国の飛行場に行ってしまう人にそんなにまでして助成しているのは情けない。

 あちこちで言われているが、日本の航空政策の視野の狭さは末期的でもある。国際線は成田、国内線は羽田、という論理が実利として通用するのは首都圏民に対してだけであり、それ以外の人にとっては、国内線で羽田にアプローチして、そこから成田に重い荷物を持って移動に1時間以上かけて行くのは経済合理性が乏しい。それならば、ソウルだったら同じ空港から世界中の路線に乗り換えられるので、地方の人にとっては遙かに便利である。

 かくして、外国人が日本の空港をすっ飛ばしてソウルや上海などを経由して東アジア圏にアプローチし、日本人も成田をすっ飛ばしてソウルや上海から欧米、アジアに出かけていく。人と物の流れを制したものが、覇権を手に入れ、繁栄をものにするのは歴史の事実である。日本はこの点でも、もう東アジアのリーダーとしての実態を失いつつある。

 最近、羽田からも国際線が出ている。しかし羽田から金浦空港や虹橋空港に行けるようになっても、それは「羽田-石垣島」よりも短いから特例、、、という対外的に理解されにくい妙な理由でやっているだけであり、その先のビジョンが何もない。金浦や虹橋からは乗り継ぎ便はなく、地方からの利用者の要望に背を向けている。そうした無策が地方の利用者を捨ててしまい、上記の結果を招いているのである。

 何も首都圏だけではない。近畿圏も同じかそれ以上にひどい。国際線は関空、国内線は伊丹という棲み分けで、近畿の人にも不便を強いている。関空に就航している国際線も、「成田が満杯だから」という理由で暫定的に運行しているものが多く、首都圏の航空政策のひずみの反映に過ぎない。中部空港もしかりである。

 なのに、地方には空港建設の計画が多い。造ってはみたものの、一日数便の国内線と、年に数回の国際チャーター便しか就航しないような空港がどんどん増えていく。アメリカのように、土地代と造成費が桁違いに安ければどんな田舎町にも空港ができていたりしても意味があるが、日本の場合は、なぜか妙に豪華なターミナルビルを造ったり、山を造成したり、海を埋め立てたりするからはるかに高くついてしまう。だから維持費もバカにならず、結局国民の税金がそれに消えていってしまう。

 こんなことをやっていたら、日本の地位はどんどん落ちていくだけである。肝心の日本人が日本が損になるような行動を取らざるを得ない航空政策って、何だぁ?