立川ぶらり散歩♪

主に立川市周辺をぶらり散歩しながら日々見つけた物、感じたことを書いていきます。

耐震について

2011-03-31 17:12:34 | 立川市
耐震を考えるときにまず覚えていただきたい言葉があります。
「耐力」とかいて(たいりょく)と読みます。

これは荷重(かじゅう)に耐える力の事で、
要は建物の重みをしっかりと支える力のことです。


例えば在来工法という日本の伝統的建築方式を受け継いだもので考えてみます。
在来工法はより専門的には「木造軸組み工法」と言いまして、
柱や張りを組み合わせて家を作ります。

その際に家の重さをしっかりと支えるために
柱と柱の間に筋交いを入れて「耐力壁」というものを作ります。

いつものごとく大雑把に言いますと、
真四角の家ならば四隅にこうした耐力壁を作って
がっしりと家の重さを支え、地震や強風などにも耐える構造にします。

要所を押さえればその他についてはそこまで神経質にならなくてもよくて、
荷重のかからない建物の内側に向かう壁には筋交いを入れない壁を作ったりして、
空間を区切っていくわけです。


建物のどこに耐力壁を設けるのかは構造計算などによって、
きちんと設計されているのです。

「ここは大丈夫そうだから筋交い抜いちゃおっか」ということにはなりません。
建築士さんがしっかりと設計するのです。


耐震と言うのは地震によって建物が倒壊しないようにする事です。
地震によって棚が倒れたり物が落ちたりしますが、
(それはそれでいろいろな工夫ができるのですが)
建物さえ壊れずに済めば命は助かります。

今までに幾度と無く大地震を経験してきたわが国。
多くの悲しみや痛みを乗り越えながら日本の建築も進歩してきました。


接続部分を金具で補強したり、
耐震パネルを張ることで壁をより強固にしたり、

建物がグシャっと壊れさえしなければ、
命は保たれるのです。

そのための工夫がまさに耐震ということになります。


今は耐震等級という一定の基準があって、
特に新築ではこうした基準をクリアしなければならなくなりました。

その点が今の新築の魅力となります。


という事は・・・そうしたより明確な基準のなかった時代に立てられた中古物件に住む場合には、
耐震性について注意を払わないといけないのではないでしょうか。

設計図面を見ればどこに筋交いが入っているのかわかります。
もちろんその図面どおりに建築されていると言うことが大前提です。

こういう言い方をするとお分かりかと思いますが、
図面通りに建築されていないとしたら・・・
そしてそうした事も実際に行われてきた現実を思うと、

最終的には自己責任ということになってしまうのではないでしょうか。


私なんかは中古物件の仲介をさせて頂いたときには、
耐震性についてもご助言申し上げます。

例えば、和室を洋室にリフォームしてから引越しをするとします。
その場合によく行われるのが和室の土壁やじゅらくの上に板を張って、
その上にクロスを貼って仕上げるというもの。

その際に薄い4mmくらいのベニヤを使うのではなく、
多少コストがかかっても12mmのコンパネを使う。

そうすることで壁の耐力が当然大きくなって、
耐震性も向上するわけです。



いつの間にやら西北ペンキ屋にもどってしまっておりましたww


ただ、やはり私が申し上げたいのは、
安全という事も含めた提案って絶対に必要だと思うのです。

㎡単価とか坪単価っていう便利な基準は、
かえって人の目を曇らせるように思えてなりません。

和室の壁を洋風の壁にするためには
例えば
1、壁のじゅらくをシーラーなどで固めてそこにクロスを貼る
2、薄いベニヤを張ってその上にクロスを貼る
3、厚いコンパネを張ってその上にクロスを貼る

といういくつかの選択肢があります。
結果3、が一番リフォーム代金が高いとします。

でもそれも1万円とか2万円とかの世界です。
部屋数が増えてそれが10万円になったとしても、
安全には替えられない様に思うのですがいかがでしょうか?


私なら3、を選びますし、お客様にも選んで欲しい。


住いにかかわる仕事をするものとして、
住いは人を守る頼りがいのあるものであってほしい・・・
そう願うのです。