女優だった田中絹代が監督です。
原作は今東光による同名小説(直木賞受賞作品)。
千利休の娘、お吟の悲劇的生涯を描いた作品。
配役が豪華です。お吟役に有馬稲子(お会いしたことがあります)、高山右近役に仲代達矢、秀吉役に滝沢修、千利休役に中村鴈治郎。他に高峰三枝子、岸惠子、笠智衆、加藤嘉など。
時代は天正15年、豊臣秀吉が九州征伐を進めていた頃。石田三成たちを悩ませていたのは、キリシタンのあつかいです。三成は秀吉に同行している千利休に、利休の養女、お吟の縁談をもちかけます。相手は堺の大商人、万代屋宗安。
ところが、お吟は利休の茶道の弟子であるキリシタン大名の高山右近を慕っていました。右近の許しなしに嫁にいかないと誓っていた彼女は、右近が南宗寺で宣教師のために催した梅見の茶会のおり、右近に縁談の相談をします。
右近にその身をささげたいと思っていたお吟。しかし、右近はお吟の思いを拒み、嫁入りを勧めます。妻がいる右近とお吟が結ばれることはデウスの教えにより許されないこと。右近は自分の首にかけていた十字架をお吟の首にかけます。それは、お吟の侍女・宇乃が右近に返しそびれた扇子とともに、お吟の手元に置かれます。
天正17年、吟が万代屋宗安に嫁いで二年。お吟は店のためにまめまめしく働いていました。しかし、右近への思いは断ち切れません。夫・宗安との仲は冷え切っていました。
そして、天正18年正月、利休らを呼んで大規模な茶会を催した秀吉は、お吟の美貌に目をとめ・・・。
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