シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

今井正監督「ここに泉あり」(1955年、177分)

2024-07-27 16:57:25 | 日本・1960年~
 


群馬交響楽団の黎明期の楽団経営の苦労、巡業公演の様子、東京交響楽団との共演、楽団員の確執を描いた作品。

指揮者として山田耕筰が、ピアノ演奏で室井摩耶子が特別出演しています。耕筰は有名な作曲家、摩耶子は戦後の代表的ピアニストで、100歳を超える現在も演奏活動をしています。

終戦直後、高崎市に結成された市民オーケストラは、働く人や子どもたちに美しい音楽を伝えようとの高邁な精神をもつ楽団。マネージャー井田亀夫(小林桂樹)の努力にもかかわらず、楽団員の生活は惨憺たるものでした。

唯一の女性楽団員はピアニストの佐川かの子(岸惠子)。音楽学校を出たばかりですが、このままでいいのかと悩んでいます。新しく赴任してきたヴァイオリニストの速水明(岡田英次)は彼女を励まし、子供たちの音楽教育をたずさわりますが、ソリストの道で身をたてる夢を捨てきれません。

楽団員のなかには喧嘩が絶えなくなり、経営不振のおり解散止むなしの状態に追いつめられます。

それでも利根源流の山奥の小学校へ行くと思いがけず、みんなで「赤とんぼ」を合唱して盛り上がり、勇気づけられます。草津にあるハンセン病療所にを慰問。歓迎されます。

速水とかの子の間に愛が芽生え結婚。難産の末、子どもが生まれますが、生活は苦しく将来への不安も大きくなるばかり。

井田は東京から山田耕筰指揮の交響楽団とピアニスト室井摩耶子を招き合同コンサートを開く計画をたてますが・・・。

ラストはベートーベンの「第九」!
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