長く映画を観ていると、「この作品に出会えてほんとうによかった」という思いになることがあります。本作品がそれです。
ゴッホが亡くなったのは1890年(1853年生まれ)。生前はもとより死の直後は評価されませんでした。ところがヘレーネ・クレラー・ミュラーという女性がゴッホの作品に共感し、蒐集を始めたのです。ゴッホの作品は絵画、デッサンなどをあわせると2000点を超えますが、ヘレーネはそのうちの300点ほどを集めこれらをコレクションとし、クレラー・ミュラー美術館を建てて公開しました。
クレラー・ミュラー美術館はオランダのヘルダーラント州エーデ、デ・ホーヘ・フェルウェ国立公園内のオッテルロー村にあります。わたしは2003年に行きました。美術館のなかの配置まで記憶にありませんが、森のなかをとおって美術館にたどり着くまでの風景は何となく覚えています。
本作品はヴァレリア・ブルーニ・テデスキという女性(画像段)の語りで、ヘレーネがなぜゴッホに惹かれたのか、美術館を建設した経緯、ゴッホの絵画の変化(初期から晩年まで)とその本質などを絵画そのもの、また膨大な手紙を読み解きながら、解説しています。
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