春~冬~春とめまぐるしく変化する季節いかがお過ごしでしょうか?
久々の手応えを感じた紅富士の撮影を終え、近くの牧場で朝食をとっていると、
牛舎から1頭の牛さんが出てきてこちらをじっと見つめてあたかも『写真撮るな
ら早く取れよ!!』と言っているようなので、ここはデジカメだな!とすばやく
セットし、数枚シャッターを切るとシャッター音が聞こえたのか、静々と牛舎に
戻ってゆきました。そのときの写真が下の1枚です。
CANON5D+EF28-80f2.8L
f11AE AWB RAW
さて本題に入ります。
誰しもが1度は持ちたいと思っているライカについて考えて見ます。
今回はレンズについて考察します。本体はいずれ時間があった時に・・・
交換式ライカレンズは1930年製造開始より約80年、現在に至るまで
続いており、そのときのレンズが現行機でも使用可能(アダプタが必要
なものもあります)であり、他のメーカではこのような事はありません。
レンズ自体どのような特徴があるのか、私が使用している範囲にて
理解している事を説明します。ただ、ライカレンズは『個体差』があり
同じ名称の物でも『写り』が違うと言われておりますので今回の説明が
全てのレンズに通用するとは限りません。
レンズには名前が付いています。
名前のつけ方はややこしく開放F値で分けられているものが多い
ですが全てではありません。
テレエルマリート90㎜F2.8
:望遠系のレンズですが小ぶりで携帯しやすく、おちついた
描写(特徴がない)をします。
エルマー50㎜F2.8沈胴式
:逆光に弱く、エッジの切れが悪く直ぐに手放しましたが、4Bで
絵を描いたような描写をする。との評価があります。
ズミクロン35㎜・50㎜F2.0
:逆光に強く、開放F値を明るく、エッジの切れも良く(当時の
レンズと比べてですが)最高の手ごたえをくれるレンズです。
しかし、撮影する被写体により性格が変わる面白いレンズです。
先ず下の写真を見て頂きます。
M3 ズミクロン35㎜F2.0
F11 1/100 100VS
私のライフワークの富士山ですが、最近のレンズに比べエッジの切れが
悪く、この大きさではわかりづらいですが、伸ばしても四つ切(254×305㎜)
が精一杯です。ですから今までの富士山写真ではライカはほとんどありま
せん。
ところが、下のような写真では性格がガラッと変わってしまいます。
ポジフィルムのスキャナーによるデジタル化の為濃淡が消えてしまい
わかりにくくなってしまいましたが、額の中のコローのような絵も
手前のソファーの凹凸までフィルム・ダイレクトプリント(デジタルプリント
ではありません)では再現されています。半切(340×410㎜)まで伸ばし
ても画質の乱れもなく、再現してくれました。
M3 ズミクロン35㎜F2.0
F2.0 1/5 100VS
ここで気がつく事は、デジタルカメラのようにエッジ(境目)により
色が区別されているのではなく、近くで見るとまだら模様の濃淡が
離れてみると境目がはっきりし『絵』になっているのです。油絵も
近くで見ると筆の跡がべたべたと付いているが、離れると『絵』に
なっているのと同じと思います。
よくライカは白黒フイルムがよいと言われ、この手の本はよく見か
けますが、白黒フィルムでは濃淡で表現を行う為このレンズが
適しているのかな~と感じます。ちなみに私はカラーによるモノ
トーン(単色もしくは2~3色以内)が好きで富士山以外ではチャレンジ
しています。
このような特徴が使うものをひきつけるレンズと言えるのではないで
しょうか。ライカレンズの王様ズミクロンは素晴しいレンズと感じます。
その他のレンズで、このような特徴を持つレンズはあまりありません。
最近のライカは持つ事に重点が置かれ使うレンズからコレクションの
レンズに変化しつつあるように思います。中古レンズを探す者にとって
は価格上昇で困ったものです。
結論として、ライカ・ズミクロンに最も適した被写体としては、
どこかヨーロッパの街角・・・ガス燈の明かりに照らされ、夜霧に
しっとりと濡れている石畳を歩く、黒のタイトスカートの後姿
ではないかと感じています。
それでは今回はこの辺で・・・・・・・