横浜駅発行 横浜から10円区間ゆき 3等車用片道乗車券

1960(昭和35)年6月17日に、東海道本線横浜駅で発行された、同駅から30円区間ゆきの片道乗車券です。


   

桃色こくてつ地紋のB型地図式大人専用券で、東京印刷場で調製されたものです。
着駅は、東海道本線上り方面が新子安駅で下り方面が保土ケ谷駅まで、途中の東神奈川駅から分岐する横浜線が大口駅までになっています。

前回エントリーで御紹介いたしました券と発売額と等級および有効区間は同じですが、体裁が少々違います。


   

再掲いたしますが、こちらが前回御紹介いたしました券になります。
1枚目の券と2枚目の券を比べますと、1日に発行された券は、左上に裏面の注意書きを見るように促す「(裏面注意)」の文言がありますが、17日に発行された券にはそれがありません。
また、1日に発行された券は、右上に利用出来る等級と発売額を示す「3等10円」の表記がありますが、17日に発行された券には、発売額と等級を示すように「10円3等」の表記になっています。


   

17日に発行された券の裏面です。
券番および発行駅の他、「横浜から 表面太線区間内の1駅ゆき」「通用発売当日限り 下車前途無効」の文言があります。


   

1日に発行された券の裏面を再掲しました。17日に発行された券は券売機用と思われ、発行駅名の前に「◯自」の符号がありますが、1日に発行された券は窓口用と思われ、「◯自」の符号がありません。
それぞれ自動券売機用と窓口用の違いがありますが、裏面については然したる違いは無いようです。
しかも、循環番号はたまたま㉜(◯32)で同じです。


表面の表記の違いについてですが、当時の国鉄では、1958(昭和33)年9月24日に、国有鉄道公示第325号において、「3等◯◯円」と表示していた表示方法を「◯◯円3等」という表記に変更するという公示が行われ、翌月の10月1日に実施されていますが、御紹介の券2種類の違いはこの公示に基づいたものと思われます。

となると、1日に発行された券は公示が実施されてから1年8ヶ月が過ぎていますが、券の記載方法の違いだけであって効力に変更がないことと、窓口用であったため、券売機用券と違って発行枚数が少なかったことから、旧様式の券がそのまま使用されていた可能性があります。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )