1990(平成2)年8月にJR東日本の東京営業支店で発行された、東京から大磯までの往復割引乗車券です。
青色JRE地紋のD型往復大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
この往復割引乗車券は国鉄時代の特殊割引乗車券発売規則の第5章第31条で「特殊往復乗車券は、旅客が、国鉄の定めた区間を、季節により、又は一定期間内に、国鉄線及び連絡社線を利用して順路により往復乗車(終着駅が始発駅と同一都市内となる場合を含む。)する場合に、当該国鉄線及び連絡社線区間に対して発売する。」という条文に基づいて発売されているのが始まりのようで、その第33条において「特殊往復乗車券の普通旅客運賃は、割引し、又は特定のものとすることがある。」とされていることから、割引運賃が適用されているようです。
そして、特殊割引乗車券は割引率を1割とし、この券の場合は「夏季海水浴、登山、キャンプ、冬季スキー、スケート客向け」の第1種として発売されているものと思われます。
題名は「往復割引乗車券」となっておりますが、その後に続く「103」が季節割引のコードのようで、右下に「季割103」と記載されています。
裏面です。
途中下車および区間変更ができない旨が記載されており、各券片には発行箇所名である東京営業支店を略した「東京営支」発行と記載されています。別に略さなくてもスペース的には問題なさそうですが、なぜか短く略されています。
今も存在するかどうかは定かではありませんが、当時の東京営業支店は新橋駅の汐留口を出たところの階段を上がった2階にあり、主に、企業がまとめて購入する通勤定期を発行していたような窓口でした。
ちなみに、東京駅から大磯駅までの営業キロは67.8kmで、当時の幹線片道運賃は1,090円になります。
1,090円x2(往復)=2,180円であり、それを1割引(x0.9)すると1,962円になりますので、100円未満を切り捨てて1,900円になったものと思われます。