趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
南田辺駅発行 天王寺接続 南海線90円区間ゆき 片道連絡乗車券
1985(昭和60)年2月に、阪和線南田辺駅で発行された、天王寺駅接続南海線90円区間ゆきの片道連絡乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型金額式大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
御紹介の券は、前回エントリーで、
> 金額式券で発行されていたのは大阪印刷場および東京印刷場で調製されたものだけのような気がします。
と申し上げました、大阪印刷場で調製された金額式の連絡乗車券です。
東京印刷場の金額式券を再掲いたしますが、基本的な記載事項は同じですが、様式がかなり異なります。
御紹介の天王寺接続の南海線といってもピンとこない方もいらっしゃると思いますが、かつて、天王寺駅には南海天王寺支線という路線が乗り入れていました。
天王寺支線は南海本線の天下茶屋駅から分岐し、天王寺駅までを結んでいた営業キロがわずか2.4kmの路線でした。このうち天下茶屋駅~今池町駅間が1984(昭和59)年に廃止され、残る区間も1993(平成5)年に廃止されています。
御紹介の券は部分廃止された以降の天王寺支線への連絡乗車券になります。
部分廃止された以後は、天王寺駅を出ますと、飛田本通駅・大門通駅・今池町駅の3駅のみで、運賃は全線90円均一になっていました。そのため、天王寺駅の乗換改札口では運賃の90円を現金で支払って乗車する方式が採られていました。(その逆の場合は天王寺駅の改札もしくは途中駅で降りるときに現金精算)。
ただし、終点の今池町駅は南海本線の萩ノ茶屋駅と徒歩による接続駅扱いになっており、天王寺駅から南海本線にまたがる区間について、部分廃止となった後も通し運賃が残されていた関係から、今池町駅より先の南海本線にまたがって乗車する旅客にのみ、天王寺駅で乗車券の発売が行われていました。
このような取扱いが行われていた関係から、御紹介の乗車券で天王寺支線に乗り継ぐ場合、天王寺支線の駅で下車する場合には、天王寺駅で乗車券が回収されていました。
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私も、南海の硬券の連絡乗車券を多数所持しておりましたが、今ではマルス券が主流となり、南海の硬券といえばD型の補充片道とC型の補充往復しか所持しておりません。
先日、机の引き出しを整理していたところ、天王寺駅発行の今池町から220円区間の天王寺から西日本線120円区間ゆきの硬券の連絡乗車券が出てきました。この乗車券は今池町から無札で乗車し天王寺駅で220円を支払いこの乗車を受け取ってから
JR線に」乗車するシステムになっていました。
また、天下茶屋~今池町間が廃止になってからは飛田本通駅が開業し大門駅はすでに廃駅となっておりました。余談ですが、今池町~天王寺間の最終日の時に最終列車乗車記念証を配布していましたが
記事にも書かせていただきましたが、天王寺支線は天王寺駅で運賃のやりとりが行われた路線で、同じような方式では和田岬線や東武大師線などが挙げられますね。
天王寺支線については硬券の連絡乗車券が発行されていて独特でした。
南海電車は比較的硬券の発売が早く終了していましたので、通常の乗車券については管理人も持っていませんが、硬券の補充券という、逆に他の事業者では使用していないようなものがいつまでも残されていましたね。