マーケティング研究 他社事例 536 「小さな市場でも作れる②」 ~店舗網を活用したプラットフォーマー~
「WASSHA(ワッシャ)の店舗網を使えば、新しい事が色々出来ると考えた」
空調世界大手のダイキン工業は10月、東京大学発でベンチャーのワッシャに出資しました。
投資を担当したダイキンの三谷氏はワッシャがアフリカ・タンザニアの商店に持つネットワークが魅力だと話します。
2013年に前身企業が創業したワッシャは、アフリカで電気の空白地域に明かりをともす事業を手掛けて来ました。
個人が営み、雑貨や食料品を販売する商店に太陽光パネルとLEDライトを配り、商店を拠点とし、充電済みLEDライトを周辺住民に貸し出すのが本業です。
LEDライトのレンタル料を利用者から支払ってもらい、その一部を商店オーナーが手数料として受け取ります。
6年かけて、タンザニアにある1300以上の商店で扱ってもらえるようになり、毎日18万人がワッシャのLEDライトを使っています。
ダイキンはこのネットワークに目を付けました。
アフリカのエアコン市場は中国や韓国メーカーの低廉タイプが主流ですが、ダイキンはアフターサービスも含めた高級機を得意としています。
将来の成長市場という認識があっても、すぐに自社の代理店網を構築するわけにはいかず、ワッシャがLEDライトを置く商店を活用することにしたのです。
出資直後の昨年11月からエアコンのレンタルビジネスの実証実験を始め、ワッシャのネットワークのうち、この間に電気が通った地域を対象に、店舗の周辺の施設などにエアコンを設置して、使った日だけ課金するビジネスを検討しています。
ワッシャには商店ネットワークというプラットフォームを利用したい大企業からの引き合いが絶えません。
丸紅は一昨年8月、個人間電力融通などの事業を見据えて出資し、関西電力とも提携し、ダイキンと同じタイミングでヤマハ発動機も出資しています。
ワッシャもこのネットワークを使って、バナナの販売などLEDライト以外のビジネスを自社でも広げようとしています。
しかし、プラットフォームへの参加者である商店オーナーが、ワッシャに付いていくにはメリットを感じてもらわないと行けません。
その結果ビジネスが続かなくなる恐れもあります。
つまり、プラットフォーマーは『善良な管理者』でなければならないのです。
自社の利益に走ろうとすると、途端に供給者とユーザーからの信頼を失い、参加者が離れて行くのです。
ワッシャもそれを認識していて、秋田CEOは「ワッシャのことが大好きな小売店を作っていかなければいけない」と考え、今後は年に1回、最も売り上げの高かった商店を表彰するイベントを開く事も検討しています。
しかし、「結局は儲かるビジネスを提供することが一番」と考え、今後、店舗網というプラットフォームに何を乗せ、何を乗せないのかという取捨選択の精度を高める事にも注力していくようです。
ワッシャのビジネスは、三菱総研の日比氏が指摘する分類のコンテンツ型に当たります。
類似の例はコンビニエンスストアチェーンです。
広範囲に店舗網を持ち、公共料金支払いやチケット発行など、第三者のビジネスを乗せて手数料を受け取ります。
ネットワークの維持と拡大とそこに乗せるサービスの充実を両輪で進めていく必要があるのです。
(続く)
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
「WASSHA(ワッシャ)の店舗網を使えば、新しい事が色々出来ると考えた」
空調世界大手のダイキン工業は10月、東京大学発でベンチャーのワッシャに出資しました。
投資を担当したダイキンの三谷氏はワッシャがアフリカ・タンザニアの商店に持つネットワークが魅力だと話します。
2013年に前身企業が創業したワッシャは、アフリカで電気の空白地域に明かりをともす事業を手掛けて来ました。
個人が営み、雑貨や食料品を販売する商店に太陽光パネルとLEDライトを配り、商店を拠点とし、充電済みLEDライトを周辺住民に貸し出すのが本業です。
LEDライトのレンタル料を利用者から支払ってもらい、その一部を商店オーナーが手数料として受け取ります。
6年かけて、タンザニアにある1300以上の商店で扱ってもらえるようになり、毎日18万人がワッシャのLEDライトを使っています。
ダイキンはこのネットワークに目を付けました。
アフリカのエアコン市場は中国や韓国メーカーの低廉タイプが主流ですが、ダイキンはアフターサービスも含めた高級機を得意としています。
将来の成長市場という認識があっても、すぐに自社の代理店網を構築するわけにはいかず、ワッシャがLEDライトを置く商店を活用することにしたのです。
出資直後の昨年11月からエアコンのレンタルビジネスの実証実験を始め、ワッシャのネットワークのうち、この間に電気が通った地域を対象に、店舗の周辺の施設などにエアコンを設置して、使った日だけ課金するビジネスを検討しています。
ワッシャには商店ネットワークというプラットフォームを利用したい大企業からの引き合いが絶えません。
丸紅は一昨年8月、個人間電力融通などの事業を見据えて出資し、関西電力とも提携し、ダイキンと同じタイミングでヤマハ発動機も出資しています。
ワッシャもこのネットワークを使って、バナナの販売などLEDライト以外のビジネスを自社でも広げようとしています。
しかし、プラットフォームへの参加者である商店オーナーが、ワッシャに付いていくにはメリットを感じてもらわないと行けません。
その結果ビジネスが続かなくなる恐れもあります。
つまり、プラットフォーマーは『善良な管理者』でなければならないのです。
自社の利益に走ろうとすると、途端に供給者とユーザーからの信頼を失い、参加者が離れて行くのです。
ワッシャもそれを認識していて、秋田CEOは「ワッシャのことが大好きな小売店を作っていかなければいけない」と考え、今後は年に1回、最も売り上げの高かった商店を表彰するイベントを開く事も検討しています。
しかし、「結局は儲かるビジネスを提供することが一番」と考え、今後、店舗網というプラットフォームに何を乗せ、何を乗せないのかという取捨選択の精度を高める事にも注力していくようです。
ワッシャのビジネスは、三菱総研の日比氏が指摘する分類のコンテンツ型に当たります。
類似の例はコンビニエンスストアチェーンです。
広範囲に店舗網を持ち、公共料金支払いやチケット発行など、第三者のビジネスを乗せて手数料を受け取ります。
ネットワークの維持と拡大とそこに乗せるサービスの充実を両輪で進めていく必要があるのです。
(続く)
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣