マーケティング研究 他社事例 541 「中国対アメリカ①」 ~伸びる支援の手~
ほんの1か月前に中国経済は新型コロナウイルスの大流行の打撃を受け、よろめいているように見えました。
中国経済は急降下し、武漢で最初に警告を発した医師の死をきっかけに、中国共産党への反感がネット上にあふれたのでした。
その状況は急激に変化しました。
セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領が3月15日に語った言葉がそれを証明しています。
新型コロナウイルスがパンデミックと認定され、流行の中心がアジアから欧州に移った今、ブチッチ大統領の公式表明は、中国政府から喉から手が出るほど望んでいた宣伝効果を発揮したのでした。
ブチッチ大統領はセルビアと中国の間には「1世紀に及ぶ鋼のように固い友情がある」と述べた上で、「兄弟にして友人である」習近平国家主席に、この病気との戦いでの支援を求めたのでした。
「出来る限りのものを送って欲しい。マスクから手袋、人工呼吸器に至るまで、あらゆるものが必要だ。そして何より、あなた方の知識と、進んでここに助けに来てくれる人々を必要としている」とブチッチ大統領は語りました。
これはまさに中国が求めていた言葉です。
「ウイルスの脅威を隠ぺいして感染拡大を加速させた国」から「パニックと苦難の時に主導権を発揮する度量のある大国へと、中国の立場の捉え方を変え始める機会を与えてくれたのです。
イギリスのシンクタンク王立国際問題研究所(チャタムハウス)の中国問題上席研究員は「中国はこの保健衛生上の危機を地政学的勢力を拡大する好機と捉え、利用している。アメリカが空けたソフトパワーの隙間を埋める作戦に着手しているのだ」と語ります。
中国の新たな宣伝戦略の狙いは主に、中国から始まったパンデミックによって国内外で大きく傷ついた威信を回復することにあると、アナリストたちは指摘します。
2008年の金融危機後、中国政府が実施した景気回復刺激策は、世界の需要回復の原動力となりました。
それと同じように、今回も責任ある大国の姿を見せようという訳です。
しかも、今回は以前よりもはるかに厳しい姿勢をとります。
2008年にはアメリカと協調して対策をとりましたが、今回は感染に苦しむ国に援助を施す一方で、アメリカに対して執拗に非難を繰り返しています。
新興の超大国が、より大きな力を持つ既存の超大国に思い知らせてやろうとしている、という印象を受けるのは私だけでしょうか?
アメリカのトランプ大統領は国内で受ける批判や市場の暴落と戦う中で「中国ウイルス」を厳しく非難しています。
一方の中国は、「パンデミック外交計画」に着手し、欧州やアフリカなどで進める「善行」に世界の目を向けさせることに成功しています。
中国政府には、挽回させなければならない大きな過ちがあります。
世界中の多くの人々は、中国が犯した複数の失敗が新型コロナウイルスをこれほどまでに強大な脅威にしてしまったと非難しています。
しかし、悲惨な3か月を過ごした中国経済に回復の兆しが見え、中国の金融市場が移り気な国際資本の逃避先になりつつある今、中国政府が国際的な立場を強化する機会が出て来ました。
1か月前には予想も出来なかった展開です。
(続く)
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
ほんの1か月前に中国経済は新型コロナウイルスの大流行の打撃を受け、よろめいているように見えました。
中国経済は急降下し、武漢で最初に警告を発した医師の死をきっかけに、中国共産党への反感がネット上にあふれたのでした。
その状況は急激に変化しました。
セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領が3月15日に語った言葉がそれを証明しています。
新型コロナウイルスがパンデミックと認定され、流行の中心がアジアから欧州に移った今、ブチッチ大統領の公式表明は、中国政府から喉から手が出るほど望んでいた宣伝効果を発揮したのでした。
ブチッチ大統領はセルビアと中国の間には「1世紀に及ぶ鋼のように固い友情がある」と述べた上で、「兄弟にして友人である」習近平国家主席に、この病気との戦いでの支援を求めたのでした。
「出来る限りのものを送って欲しい。マスクから手袋、人工呼吸器に至るまで、あらゆるものが必要だ。そして何より、あなた方の知識と、進んでここに助けに来てくれる人々を必要としている」とブチッチ大統領は語りました。
これはまさに中国が求めていた言葉です。
「ウイルスの脅威を隠ぺいして感染拡大を加速させた国」から「パニックと苦難の時に主導権を発揮する度量のある大国へと、中国の立場の捉え方を変え始める機会を与えてくれたのです。
イギリスのシンクタンク王立国際問題研究所(チャタムハウス)の中国問題上席研究員は「中国はこの保健衛生上の危機を地政学的勢力を拡大する好機と捉え、利用している。アメリカが空けたソフトパワーの隙間を埋める作戦に着手しているのだ」と語ります。
中国の新たな宣伝戦略の狙いは主に、中国から始まったパンデミックによって国内外で大きく傷ついた威信を回復することにあると、アナリストたちは指摘します。
2008年の金融危機後、中国政府が実施した景気回復刺激策は、世界の需要回復の原動力となりました。
それと同じように、今回も責任ある大国の姿を見せようという訳です。
しかも、今回は以前よりもはるかに厳しい姿勢をとります。
2008年にはアメリカと協調して対策をとりましたが、今回は感染に苦しむ国に援助を施す一方で、アメリカに対して執拗に非難を繰り返しています。
新興の超大国が、より大きな力を持つ既存の超大国に思い知らせてやろうとしている、という印象を受けるのは私だけでしょうか?
アメリカのトランプ大統領は国内で受ける批判や市場の暴落と戦う中で「中国ウイルス」を厳しく非難しています。
一方の中国は、「パンデミック外交計画」に着手し、欧州やアフリカなどで進める「善行」に世界の目を向けさせることに成功しています。
中国政府には、挽回させなければならない大きな過ちがあります。
世界中の多くの人々は、中国が犯した複数の失敗が新型コロナウイルスをこれほどまでに強大な脅威にしてしまったと非難しています。
しかし、悲惨な3か月を過ごした中国経済に回復の兆しが見え、中国の金融市場が移り気な国際資本の逃避先になりつつある今、中国政府が国際的な立場を強化する機会が出て来ました。
1か月前には予想も出来なかった展開です。
(続く)
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、風土改革を軸にした「私の職場研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。ITソフトメーカー、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣