マーケティング研究 他社事例 508 「国内最大のIT企業誕生」 ~重複するサービスが多い中、シナジーは高められるか?~
「米中の巨大プラットフォームに続く第三極になりたい」
昨年の11月18日にLINEとの経営統合を発表したZホールディングスの川邊社長は抱負を語りました。
両社は12月23日に法的拘束力のある合意書を締結し、2020年10月の統合を目指しています。
統合のスキームはやや複雑です。
まずは上場するLINEをソフトバンクと韓国のネイバーがTOB(株式公式買い付け)を通じて上場廃止にします。
次に、ソフトバンクとネイバーが50%ずつ出資する合弁会社を設立し、Zホールディングスの親会社となります。
Zホールディングスは上場を維持しつつ、その下にヤフーやLINEがぶら下がる形です。
統合スキームについては、経済産業省が昨年6月に公正なM&Aの在り方に関する指針を発表していて、まさにそのガイドラインに沿って行われているようです。
Zホールディングスの株主にはソフトバンクとネイバーの合弁会社だけでなく、少数株主も名を連ねられるようにしており、公平性を高める努力がうかがえる格好になっています。
背景には昨年夏にヤフーが約45%の議決権を持つオフィス用品販売のアスクルとの対立でヤフーに対する批判が高まった事にあります。
アスクルが上場しているにも関わらず、意のままに事業譲渡や役員人事を決めるやり方は、親子上場の弊害と指摘されたのでした。
そうした問題を気にしてか、Zホールディングスの川邊社長は会見中「少数株主にも配慮した経営」「コーポレートガバナンスを強化していきたい」と繰り返しました。
統合に際しては、日本や韓国などの当局による独占禁止法の審査を経る必要があります。
ポイントになるのは、両社が重複して持つ事業の合計シェアです。
とりわけ注目されているのが、キャッシュレス決済などのペイメント事業です。
ヤフーは「PayPay」をLINEには「LINEペイ」をそれぞれ持ちます。
PayPayの登録者は2400万人を越えて(2/5現在)、LINEペイのユーザー数も3690万(2019.11.25現在)と多く、キャッシュレス決済ではユーザー数の多い両社の統合の為、独禁法に抵触する可能性がないわけではありません。
公正取引委員会は事業ドメインごとに審査するのですが、この分類分けは難しいと言われていますが、川邊社長はクレジットカードなども含めた決済全体で見ればモバイルペイメントはまだ3~5%程度と強調、独禁法を意識した発言も目立っています。
もっとも、公正取引委員会が統合を承認してもその後に大きな課題が残っています。
それは、いかにしてシナジー(相乗効果)を発揮するかです。
一般的にヤフーは年配のユーザー、LINEは若年層を囲い込んでおり、顧客層は補完関係にあると言えます。
ベストな相手に見えますが、このデータを両社が事業で実際に使うのは実は簡単には行かないのです。
それは、同意を得ずに企業が取得した個人情報を統合したり、連携したり出来ないという保護法の問題です。
ヤフーには実は前科があるんです。
2019年6月、ヤフーのサービスを利用した頻度やEC(電子商取引)やオークションで取引した金額などの情報をヤフーIDに紐づけて収集し、消費者個人の信用を独自のアルゴリズムで数値化する「Yahoo!スコア」を発表しました。
ところが、ヤフー会員は初期設定で自動的にスコアを作成される仕様になっていたため、ユーザーの同意を得ずにデータを勝手に利用していると批判が集まったのです。
ヤフーはその後、ソフトバンクをはじめとするグループ内でのIDに対しても、初期設定段階ではすべて連携しない使用に変更するなど、対応に追われたのでした。
ただし、ヤフーとLINEが目指す「相互送客」には、この連携が不可欠です。
川邊社長は会見で「すべてのデータは日本国の法令に基づき運用する」と強調したのでした。
実際に、データベースの連携でユーザーの同意を得るためには、ポイントを付与するなどの対策が必要になるかもしれません。
両社の利用者数が膨大であることを考えれば、統合でシナジーを追求するどころか投資が膨らむ可能性があります。
個人情報をめぐってはアマゾン・ドット・コムやグーグルなどのGAFAを標的に欧州を中心に規制網が広がります。
国内でも巨大IT企業に取引条件の開示を義務付ける新たな法案や、個人データの利用停止を要求できる個人情報保護法の改正案をまとめる動きがあります。
世界で「第三極」を目指すヤフーとLINEにとって個人情報の取り扱いがシナジーを阻む壁になりそうですね。
彩りプロジェクトでは、「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
お気軽にご相談下さい。
当、彩りプロジェクトでは30分無料相談を実施しています。
どのような支援が受けられるのかだけでも、一度お聞きになって下さい。
→ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
HPの申込フォームから(こちらから)どうぞ。
「米中の巨大プラットフォームに続く第三極になりたい」
昨年の11月18日にLINEとの経営統合を発表したZホールディングスの川邊社長は抱負を語りました。
両社は12月23日に法的拘束力のある合意書を締結し、2020年10月の統合を目指しています。
統合のスキームはやや複雑です。
まずは上場するLINEをソフトバンクと韓国のネイバーがTOB(株式公式買い付け)を通じて上場廃止にします。
次に、ソフトバンクとネイバーが50%ずつ出資する合弁会社を設立し、Zホールディングスの親会社となります。
Zホールディングスは上場を維持しつつ、その下にヤフーやLINEがぶら下がる形です。
統合スキームについては、経済産業省が昨年6月に公正なM&Aの在り方に関する指針を発表していて、まさにそのガイドラインに沿って行われているようです。
Zホールディングスの株主にはソフトバンクとネイバーの合弁会社だけでなく、少数株主も名を連ねられるようにしており、公平性を高める努力がうかがえる格好になっています。
背景には昨年夏にヤフーが約45%の議決権を持つオフィス用品販売のアスクルとの対立でヤフーに対する批判が高まった事にあります。
アスクルが上場しているにも関わらず、意のままに事業譲渡や役員人事を決めるやり方は、親子上場の弊害と指摘されたのでした。
そうした問題を気にしてか、Zホールディングスの川邊社長は会見中「少数株主にも配慮した経営」「コーポレートガバナンスを強化していきたい」と繰り返しました。
統合に際しては、日本や韓国などの当局による独占禁止法の審査を経る必要があります。
ポイントになるのは、両社が重複して持つ事業の合計シェアです。
とりわけ注目されているのが、キャッシュレス決済などのペイメント事業です。
ヤフーは「PayPay」をLINEには「LINEペイ」をそれぞれ持ちます。
PayPayの登録者は2400万人を越えて(2/5現在)、LINEペイのユーザー数も3690万(2019.11.25現在)と多く、キャッシュレス決済ではユーザー数の多い両社の統合の為、独禁法に抵触する可能性がないわけではありません。
公正取引委員会は事業ドメインごとに審査するのですが、この分類分けは難しいと言われていますが、川邊社長はクレジットカードなども含めた決済全体で見ればモバイルペイメントはまだ3~5%程度と強調、独禁法を意識した発言も目立っています。
もっとも、公正取引委員会が統合を承認してもその後に大きな課題が残っています。
それは、いかにしてシナジー(相乗効果)を発揮するかです。
一般的にヤフーは年配のユーザー、LINEは若年層を囲い込んでおり、顧客層は補完関係にあると言えます。
ベストな相手に見えますが、このデータを両社が事業で実際に使うのは実は簡単には行かないのです。
それは、同意を得ずに企業が取得した個人情報を統合したり、連携したり出来ないという保護法の問題です。
ヤフーには実は前科があるんです。
2019年6月、ヤフーのサービスを利用した頻度やEC(電子商取引)やオークションで取引した金額などの情報をヤフーIDに紐づけて収集し、消費者個人の信用を独自のアルゴリズムで数値化する「Yahoo!スコア」を発表しました。
ところが、ヤフー会員は初期設定で自動的にスコアを作成される仕様になっていたため、ユーザーの同意を得ずにデータを勝手に利用していると批判が集まったのです。
ヤフーはその後、ソフトバンクをはじめとするグループ内でのIDに対しても、初期設定段階ではすべて連携しない使用に変更するなど、対応に追われたのでした。
ただし、ヤフーとLINEが目指す「相互送客」には、この連携が不可欠です。
川邊社長は会見で「すべてのデータは日本国の法令に基づき運用する」と強調したのでした。
実際に、データベースの連携でユーザーの同意を得るためには、ポイントを付与するなどの対策が必要になるかもしれません。
両社の利用者数が膨大であることを考えれば、統合でシナジーを追求するどころか投資が膨らむ可能性があります。
個人情報をめぐってはアマゾン・ドット・コムやグーグルなどのGAFAを標的に欧州を中心に規制網が広がります。
国内でも巨大IT企業に取引条件の開示を義務付ける新たな法案や、個人データの利用停止を要求できる個人情報保護法の改正案をまとめる動きがあります。
世界で「第三極」を目指すヤフーとLINEにとって個人情報の取り扱いがシナジーを阻む壁になりそうですね。
彩りプロジェクトでは、「リーダーシップ研修」、「未来を創るワークショップ研修」等、各企業の課題に合わせた研修をご提案差し上げます。
経営の根幹は「人」です。働く人次第で成果が変わります。自分事で働く社員を増やし、価値観を同じくし働く事で働きがいも増します。
彩りプロジェクトでは、製造メーカー、商社、小売業者、社会福祉法人、NPO法人等での研修実績があります。
研修と一言と言っても、こちらの考え方を一方的に押し付ける事はしません。実感いただき、改善課題を各自が見つけられる様な研修をカスタマイズしご提案しているのが、彩りプロジェクトの特徴です。
保育園・幼稚園へご提供している研修【私の保育園】【私の幼稚園】は大変ご好評をいただいています。
また、貴社に伺って行う研修を40,000円(1h)からご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
現在、経済産業省では「経営改善計画策定支援事業」を行っており、金融支援を必要とする企業の経営改善計画書を策定する際の費用の2/3補助があり、上限は200万円です。
また、「早期経営改善計画策定支援事業」は、同様に策定する際の費用の2/3補助があり、上限は20万円です。
こちらの「早期経営改善計画策定支援制度」は金融支援を要しないものですので、容易に取得しやすいのが特徴です。
メリットとして、金融機関との信頼関係を構築する為の制度としては有用です。
なぜなら、経営内容を開示する事、計画進捗のモニタリングを金融機関に報告する事は、金融機関が企業を評価する際に「事業性の評価」をしやすくなります。
金融機関は担保に頼らずに融資するには、「事業性の評価」が不可欠です。
「事業性の評価」とは、金融機関がその企業の事業を理解する事です。
「事業性の評価」に積極的な金融機関とそうではない金融機関がありますが、これからの金融機関とのお付き合いの仕方として、有用な制度となりますので是非ご利用下さい。
※このような方(会社)におすすめです。(中小企業庁資料より)
・ここのところ、資金繰りが不安定だ
・よくわからないが売上げが減少している
・自社の状況を客観的に把握したい
・専門家等から経営に関するアドバイスが欲しい
・経営改善の進捗についてフォローアップをお願いしたい
この補助金を利用するには、経営革新等認定支援機関の支援が必要です。
彩りプロジェクトは認定支援機関です(関財金1第492号)
経営革新等支援機関とは、「経営改善、事業計画を策定したい」「自社の財務内容や経営状況の分析を行いたい」「取引先、販路を増やしたい」「返済猶予、銀行交渉のことを知りたい」
「事業承継に関して、代表者の個人補償をどうにかしたいんだけど・・・」
というお悩みを始め、中小企業経営者を支援するために国が認定した公的な支援機関の事です。
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