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マーケティング研究 他社事例 405 「プロ経営者のその後」 ~CEO時代の人脈を大いに活かしています~

2019-09-06 15:30:24 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 405 「プロ経営者のその後」 ~CEO時代の人脈を大いに活かしています~


ジョンソン&ジョンソン日本法人社長やカルビー会長兼CEO、RIZAPグループCOOを務めたプロ経営者の松本晃氏が起業するようです。

松本氏はカルビーのトップとして在任中に売上高を2倍近くに伸ばし、昨年6月にフィットネス大手のあのCMでおなじみのRIZAPグループに転じていました。

RIZAPでは、業績不振企業の再建などを巡って古参の経営陣の一部と意見が合わずに、昨年10月にCOO職から外れていました。

そして、今年の6月に退任したのでした。

プロ経営者としては、初めての挫折ともいえる出来事でした。

しかし、早くも次に向けて動き始めました。

新たなビジネスはエネルギーを使わずに住宅、自動車、衣料など様々なものの温度を下げることができる素材「ラディクール」の販売といいます。

アメリカのコロラド大学の物理学者、楊栄貴(ヤン・ロングイ)教授が開発し、2017年2月に発表したものです。

フィルム形状の場合、微小なガラス球体をポリマー構造(重合体)にして特殊フィルムで挟み、一方をアルミコーティングするものです。

自然界で温度を持つ物質は、温度に応じた量の赤外線を放射しているのです。

ラディクールは赤外線の波長を長くすることが出来るので、遠赤外線の効果(宇宙空間まで放射される性質がある)を利用し、熱を一緒に運び出してくれるものとなっています。

松本氏はこのフィルムを例えば自動車などに張る事を想定しているようです。

日中に太陽で熱せられ、車体の表面温度が40度程度になっても20度程度まで下げる事が出来ます。

フィルムだけでなく、この素材を練りこんだ塗料も開発済みで、繊維も間もなく開発を終えると言います。

ラディクールは楊教授が開発した後に中国の投資家が使用権を取得しました。

松本氏は日本での使用権を得て、5月に販売会社のラディクールジャパンを設立し、松本氏が会長に就任しました。

カルビー時代に同社製品を中国に輸出する事業で知り合った貿易会社の中国人経営者との共同事業で、松本氏は当面の出資として15%の株式を取得していると言います。

特許使用権を持つ中国のラディクールがフィルムや塗料などの工場を建設しましたが、ラディクールジャパンはそこから供給を受けます。

既に大手住宅メーカーや不動産会社、倉庫、物流会社などに話を持ちかけており、販売を開始するにはもう少し時間がかかりそうです。。

今後の課題は、どのように使えば省エネ効果が大きくなるかを分析することです。

「使い道によって異なるので、それぞれのユーザー候補企業とともに解析していく」と松本氏は語ります。

価格も販売量がどこまで増えるかで最終決定していく考えです。

革新的な技術ではあるものの、アプリケーション(用途開発)は手探りであることは否めないようです。

数年前まで脚光を浴びたプロ経営者は近年受難が続いています。

LIXILグループの瀬戸前社長兼CEOは経営方針の違いからオーナー家出身の潮田洋一郎氏に事実上、解任され紛争が続いています。

松本氏もRIZAPでは思い通りの改革をできなかったですが、71歳の今、改めて新事業に乗り出すことで心機一転を図ろうとしています。

新会社では上場も目指すと意気込んでいます。


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