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マーケティング研究 他社事例 その254 「顔認証の今1」 ~瞳と瞳の間隔やほくろの場所などの特徴で特定~

2018-11-06 09:40:34 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 その254 「顔認証の今1」 ~瞳と瞳の間隔やほくろの場所などの特徴で特定~


顔認証とは、一人ひとり違う顔の特徴を基に、本人か否かを判定する技術のことです。

iPhone発売10周年記念モデルの「Ⅹ(テン)」の最大の特徴は「顔認証」技術を搭載したことです。

ログインをする際に、パスワードを入力したり指紋を読み込ませる手間を省いたのです。

端末上部のカメラに顔を向けるだけで、ロックが解除できるようになりました。

顔認証はかつては一部の政府機関や研究所などに利用が限られていましたが、今年に入り、様々な場面で使用され始めています。

セブンイレブンジャパンは9月から、同社のコンビニエンスストア店舗で顔認証の実証実験を開始しました。

今後は賃貸不動産や出入国管理など、本人確認が必要な分野で顔が鍵の役割を果たす機会が増えて行きそうです。

市場の急拡大を受けてIT各社が開発競争を繰り広げていますが、その先頭を走っているのはNECです。

各国の調査機関に導入されている他、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)による評価テストでは2009年の参加以来、毎回トップ評価を獲得しています。

NECの方式は以下のようです。

最初のステップは顔の「検出」です。

カメラで写真を撮影し、その中から人間の顔だけを高速で検出します。

続いて、瞳と瞳の間の距離や小鼻の幅、顔の凸凹とほくろの位置など、それぞれの人の特徴付ける点、つまり、検出した顔写真の「特徴点」を把握するのです。

目を中心に口や鼻など複数の部位の位置情報を組み合わせて、顔のパターンを精密に数値化していきます。

NECデータサイエンス研究所の今岡主席研究員は「経年変化しない特徴を見つけられるかどうかが、顔認証の精度を大きく左右する」と指摘しています。

顔の大きさや毛髪量は体形や年齢に応じて変化しますが、瞳と瞳の間隔はほぼ変わらないと言います。

最後は「照合」です。

撮影した写真とデータベースに保存された写真を特徴点を基に比較して人物を特定しています。

NECは1989年から顔認証技術の研究を始め、個人を識別するノウハウを蓄積してきました。

近年では、ディープラーニング(深層学習)技術を導入し、顔の向きや照明の明るさが異なっていても、高精度で人物を特定できるようになりました。

静止画を使った場合、認証制度はほぼ100%に高まったと言います。

顔認証の特徴は精度の高さだけではなく、指紋認証と異なり、両手に荷物を持っていたとしても顔をカメラに向けるだけで認証できるのです。

免許証やパスポートなど、顔写真のデータベースが豊富に存在するのも利点です。

物理的な鍵や暗証番号は紛失やなりすましのリスクがありますが、顔ならそんな心配とは無縁となるのです。

(続く)


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