滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【1205/22:原発再稼働問題】大飯再稼働 小浜市に国説明 / 対岸・泊地区相次ぐ慎重論(福井)

2012-05-02 22:58:51 | Weblog

 大飯原発3、4号機の再稼働を巡り、小浜市で1日に行われた国の説明会は、4月26日夜に行われたおおい町での住民説明会とは異なり、全住民対象ではなかった。この日、小浜市内で大飯原発に最も近い集落を訪れ、住民の声を聞いてみた。(酒本友紀子)

 小浜市の内外海(うちとみ)半島にある泊(とまり)地区。約30世帯の多くが漁業や渡船業を営む。小浜湾を挟んだ約4キロ先に大島半島があり、こぢんまりとした港から大飯原発の姿が見えた。

 父の代から約50年間、渡船業を続ける深田幸宏(よしひろ)さん(51)は「放射能漏れ事故が起きた場合、風向きからして、おおい町よりも放射能被害を受ける可能性が高い」と不安そうに話し、妻の君代さん(47)は「政府の人には泊地区に足を運んでもらい、原発からの近さを認識してほしい」と訴えた。

 福島の事故後、泊地区では住民の間で原発の話題が絶えないという。息子夫婦と孫2人の計5人で暮らす70歳代の女性は「事故があったらどうしよう」と不安が頭から離れず、「事故が起きても、両親の墓を残したまま避難はできないし……」とつぶやいた。孫やひ孫の世代まで、ここで無事に暮らせるのか――。住民の不安は広がる一方だ。なのに、住民に対する説明会はない。約40年前、大飯原発建設時に反対した当時の区長、波濤(はとう)弘さん(79)は悔しそうに言い放った。「事故が起きて国に頭を下げられたとしても、元に戻らんもんは戻らん。誰も責任が持てんでしょう」

 説明会は小浜市大手町の市働く婦人の家で、市議会と約50の各種団体代表らで構成する「原子力発電小浜市環境安全対策協議会」のメンバーらを対象に行われ、再稼働は慎重に判断するよう求める意見が相次いだ。

 出席者は「原発がなくてもやっていける社会をつくることにコストをかけるべきだ」「京都や滋賀など隣接地の理解も得るべきだ」などと意見を述べ、「全住民が対象の説明会を開いてほしい」という声も。

 市議会の清水正信・原子力発電所安全対策特別委員会委員長は「再稼働ありきの説明会だ。住民の安全、安心と電力需要を天秤にかけるべきではない」と訴えた。説明会の後、出席していた女性(67)は「再稼働を不安に思って質問された方の気持ちもよく分かる。急いで再稼働してほしくないが、働いている人の気持ちも分かるので難しい問題」と複雑な心境を語った。この日の模様は録画し、2、3の両日にケーブルテレビで放送する。

(5月2日 読売新聞福井版・電子版)
 

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【1205/21:原発再稼働問題】市議長「交付金当然もらう」 大飯原発再稼働 小浜で説明会(福井)

2012-05-02 22:45:15 | Weblog

 ■住民からは慎重意見 福井

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機(おおい町)の再稼働問題で、経済産業省原子力安全・保安院などが安全対策について住民らに理解を求めた小浜市での説明会。説明会終了後の会見で、同原発再稼働に関し、松崎晃治市長は明言を避け、池尾正彦議長は反対を表明したが、両者とも原発関連の交付金は「当然もらうべきものだ」とし、住民の慎重な意見とはそぐわない発言を繰り返した。

                   ◇

 説明会では、住民から「中間貯蔵施設など放射性廃棄物問題を解決して、再稼働すべきだ」「安全、安心と経済的必要性を天秤にかけるべきではない」など慎重な意見が相次いだ。

 松崎市長は説明会後、原発関連の交付金について「おおい町とは恩恵に差があり、割合も多い」と言及。また「防災や市民のために使用するので、当然もらうべきだ」と述べた。

 池尾議長も、大飯原発で働く小浜市民の雇用問題について「生活と生命とは次元が違う話だ」と一蹴し、交付金も「法律に定められており、拒否する必要はない」と話した。

 同市は平成24年度予算案の中で、電源三法交付金2億2800万円を計上するなど原発交付金に依存している。

(5月2日付け産経新聞福井版・電子版)

http://sankei.jp.msn.com/region/news/120502/fki12050202010000-n1.htm

「再稼働ありき」と批判 大飯原発説明会

 「どうしたら安全を守れるのかではなく、どうしたら再稼働できるのかという説明に聞こえる」。関西電力大飯原発3、4号機(おおい町)の再稼働をめぐり小浜市で一日に開かれた住民説明会では、国の説明に対する疑問や不審の声だけが上がった。

 先月おおい町で開かれた説明会では、再稼働に一部前向きな意見も出たが、隣接の小浜市では再稼働を望む声は一つも上がらず、立地との温度差を浮き彫りにした。

 住民説明会は小浜市大手町の市働く婦人の家で開かれた。参加した百二十二人のほとんどを中高年の男性が占めたが、女性も積極的に手を挙げ発言した。

 質疑の時間に入ると、松崎晃治市長をはじめ十人が質問や意見を述べた。

 松崎市長が「原発周辺で三連動地震が起きたときの揺れにも耐えられるとの説明だったが、これまではそもそも三連動は起こらないと聞いてきた」と国の説明に疑問を呈すると、国の原子力安全・保安院の担当者が「あくまで仮の想定を申し上げたまで」と回答。住民が抱える不安に直接答えない説明に、小浜市議会の清水正信議員は「再稼働ありきの説明会だ」などと厳しく批判した。

 小浜市池河内の農業坂上和代さん(65)は「放射性廃棄物をどう処理するのか」と質問。担当者が「日本では処分場が決まっていない」と答えると、会場からは「決まってから動かしたらどうですか」とやじが飛んだ。

 原子力発電に反対する福井県民会議の中嶌哲演代表委員は、原発設置に反対し続けてきた市の歩みを熱弁。国の担当者のスケジュールに配慮する司会者に遮られると「どうして時間を長くとれないんですか。守ってもらうのが小浜市民でしょう」と声を荒らげ、持論を展開し続けた。

 終了後、同市水取の大学院生西野ひかるさん(50)は「国の説明は一方的に安全だと訴えるだけのもので、私たちの不安や疑問に答えるものではなかった」と不満の声を漏らした。  (帯田祥尚)

(5月2日付け中日新聞福井版・電子版)

http://www.chunichi.co.jp/article/fukui/20120502/CK2012050202000016.html


【1205/20:原発再稼働問題】再稼働、同意必要な「地元」範囲は 首長調査、立場により認識ズレ

2012-05-02 17:55:42 | Weblog

 

 

拡大原発再稼働アンケート原発再稼働アンケート

 原発の再稼働に同意が必要な「地元」の範囲をどこまでとするか―。東京電力福島第1原発事故を踏まえ福井県内の17市町長のうち半数以上の9人が、立地自治体以外にも広げるべきだと考えていることが福井新聞社のアンケート調査で分かった。立地、準立地、30キロ圏内とそれぞれの立場により「地元」のとらえ方はくっきりと分かれている。(原発取材班)

 現状では、県と立地市町だけが電力事業者との間で運転再開の協議を盛り込んだ原子力安全協定を結んでおり、再稼働の際に「同意」が必要な根拠になっている。

 ただ、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり京都、滋賀両府県知事は、事故があれば原発立地地域と同じく大きな被害を受ける「被害地元」と反発。政府は両府県の「理解」も得る方針で、地元の範囲について政府の認識はあいまいさを残している。また、小浜市など4市町でつくる県原発準立地市町連絡協議会は福島の事故後、安全協定を「立地並み」に見直すよう要請している。

 アンケートで、地元同意は現行通り「立地自治体」に限定すべきだと回答したのは、敦賀、美浜、おおい、高浜の立地4市町と大野、永平寺の計6市町。岡田高大大野市長は「立地自治体の意見を最優先すべきだ」と指摘した。時岡忍おおい町長は同意の範囲を限定した上で「国策のため周辺地域の理解が必要」と政府の対応を求めた。

 一方、「立地自治体と準立地自治体」と答えたのは小浜、若狭、南越前、越前町の4市町。福井、鯖江、池田、坂井、勝山の計5市町は「原発から30キロ圏内の自治体」と回答した。「50キロ圏内の自治体」はゼロだった。

 国は福島の事故を受け防災対策の重点地域を30キロ圏に拡大する方針で、県内ではあわら、坂井、勝山、大野、永平寺の5市町を除く12市町が対象となる。さらに半径50キロが放射性ヨウ素防護地域(PPA)となる。防災面で新たな対応が必要になることが、再稼働をめぐっても「地元」としてとらえるべきだとの考え方につながっているとみられる。

 敦賀原発から約55キロと県内で最も遠いあわら市の橋本達也市長が「モニタリングポストやヨウ素剤の配布を県に要望しており、広い意味では『地元』と言えるが、再稼働の条件となるような意味では判断が難しい」と答えるなど、同意の対象と防災対策を厳密に切り離して考える難しさもうかがえた。

 アンケートは4月中旬に実施し、17市町長から文書で回答を得た。

■県議1/4が「30キロ圏内」■

 原発の再稼働への同意が必要な「地元」の範囲については、県議全35人を対象にした福井新聞社のアンケートでも、半数以上の19人が立地自治体以外も範囲に含めるべきだと答えた。「立地自治体」に限る回答が最多の一方、ほぼ4分の1が「原発から30キロ圏内の自治体」が適当とし、意見は割れた。

 調査では、12人が「立地自治体」で最も多く、「立地自治体と準立地自治体」は10人、「30キロ圏内」は9人。「50キロ圏内」はゼロだった。
 立地市町が地元の4議員は全員が「立地」と回答。準立地市町の5人中4人は「準立地」「30キロ圏内」と答えた。

 原発から30キロ圏内で立地、準立地を除く市町が地元の議員17人の回答をみると、4人が「立地」としたのに対し、「準立地」は5人、「30キロ圏内」6人と、拡大する考え方が大勢を占めた。

 「その他」のうち1人は、県内に限定した上で準立地自治体まで広げるべきだとした。「立地」と回答した嶺北の議員は「同意(の対象)は立地自治体だが、より広い理解が必要」と指摘した。「福島の事故をみれば単純に距離で示せない」と一律の線引きに慎重な意見もあった。

(5月2日付け福井新聞・電子版)

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/34506.html

 


【1205/19:中小企業対策】「中小企業の底上げを」

2012-05-02 17:49:09 | Weblog
  ニュース
 

今後の中小企業の振興のあり方について協議してきた県の審議会が1日、条例の制定にむけて嘉田知事に答申しました。答申書は1日、滋賀県中小企業振興審議会の高田紘一会長から嘉田知事に手渡されました。学識経験者や企業・行政・県民ら20人で構成する滋賀県中小企業振興審議会では、去年11月、知事の諮問を受け、県内の中小企業の振興策について協議を重ねてきました。嘉田知事に提出された答申書では、県内の中小企業全体の底上げを図るための施策などが盛り込まれており、県では今後、答申に基づき今年度内の条例制定をめざして条例案を作成し、議会に提案する方針です。

(5月2日、びわ湖放送・電子版)

http://www.bbc-tv.co.jp/houdou/news/news_week_detile.php?newsid=20440


【1205/18:原発再稼働問題】「被害地元」に危機感/となりの原発

2012-05-02 17:38:15 | Weblog

 

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明治13年の「新撰滋賀県管内全図」。福井県の敦賀以西が滋賀に編入されている=滋賀県立図書館所蔵

【福島の避難自治体/重なる姿/13キロ先に見える建屋「すぐそこにある感じ」】

 滋賀、福井両県の境にある長浜市余呉町中河内のスキー場。晴れた日にはゲレンデから13キロ先にある敦賀原発の建屋が見える。中河内地区に住む女性(78)は数年前の冬、原発手前にある街を眺めようとリフトに乗った。「店の看板の字が読めるほどで、すぐそこにある感じだ」と話す。

 この敦賀原発をはじめ、美浜、大飯、高浜と、福井県の若狭湾沿岸には、国内最多の14基の原発が集中する。政府が再稼働を急ぐ大飯原発までの距離は、福井県庁よりも滋賀県庁の方が近い。

 それでも、原発は遠い存在だった。国の防災指針はこれまで、1979年の米スリーマイル島の原発事故を基準に、放射性物質が人体に影響を与える範囲を10キロ圏内としていた。このため、県の地域防災計画には、原発事故を想定した避難などの対策は盛り込まれなかった。

 ところが、昨年3月の東京電力福島第一原発事故で事態は一変した。放射性物質は風に乗って広く拡散。福島県南相馬市など原発から30キロ圏内は緊急時避難準備区域に、さらに約50キロ離れた同県飯舘村までもが計画的避難区域とされた。

     ◇

 「よそ事ではない」。原発事故の後、嘉田由紀子知事はそう繰り返した。南相馬市や飯舘村の姿が、間近に多数の原発がある滋賀と重なった。さらに、放射性物質が漏れ出せば、近畿1450万人の水源の琵琶湖はひとたまりもない。

 危機感を裏付けたのが、昨年11月に県が公表した放射性ヨウ素の拡散予測だった。福島級の事故が起きた想定で実施したところ、コンクリート建物への退避が必要になる範囲が敦賀原発から43キロ先まで広がる結果が出た。安定ヨウ素剤の服用が求められる範囲は県内全域にまで及んだ。

 この結果を受け、県は国が原発から半径30キロ圏内を目安とした緊急時防護措置準備区域(UPZ)を43キロ先まで拡大。長浜、高島両市の196地区(計約6万4千人)を指定し、今年3月には初めて両市の住民による避難訓練をした。

 県防災危機管理局の田中弘明主席参事は「訓練で事故を疑似体験することで、危機意識が強くなったに違いない」と見る。

     ◇

 隣県の原発に対する不安の高まりとは裏腹に、政府は、大飯原発3、4号機の安全性を「妥当」と判断したうえで、再稼働に向け、福井県やおおい町といった立地自治体の同意を得ようと詰めの作業を急ぐ。背景には、福井県内の原発が1基も動かなければ、今夏に関西で最大16.3%の供給不足が生じるという危機感があるからだ。

 嘉田知事と京都府の山田啓二知事は4月17日、滋賀と京都を原発事故時に放射性物質の影響を受ける恐れのある「被害地元」と位置づけ、福島の原発事故を反映した安全対策の実施や、老朽化原発の廃炉などを求める7項目の共同提言をしたが、政府から納得いく回答はまだ得られていない。

 現時点での再稼働に反対の姿勢を示す嘉田知事は言う。「東京からは、この近さや怖さが分からない」

     ◇

 1枚の地図がある。明治初期の「新撰(しん・せん)滋賀県管内全図」では、県土は日本海に面している。福井県の敦賀以西は1876(明治9)年から4年半、滋賀県の一部だったことを示している。それほど近い位置にある「となりの原発」の存在を通し、原発問題やエネルギー政策、社会のあり方を考えたい。(千種辰弥、八百板一平)

(5月2日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001205020002