一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第69期順位戦昇降級者予想・答え合わせ

2011-03-31 17:52:28 | 勝敗予想
第69期順位戦は、3月15日のC級1組最終戦をもって、全日程を終えた。
今期も私は名人挑戦者と昇降級者の予想をしたが、きょうはその答え合わせをしてみよう。

名人挑戦:予想・森内俊之九段 結果・森内俊之九段
B級1組へ降級:予想・谷川浩司九段、藤井猛九段 結果・藤井猛九段、木村一基八段
名人挑戦は森内九段。名人に挑戦するくらいだから当然だが、1年間安定した戦いだったと思う。
降級は、ついに藤井猛九段が貧乏クジを引いた。現代のプロ棋界は振り飛車党受難である。藤井九段の降級はそれを象徴するものであった。木村八段は最終局まで踏ん張ったが、ついに力尽きた。しかし地力はあるから、すぐに復帰するだろう。

A級へ昇級:予想・深浦康市王位、佐藤康光九段 結果:佐藤康光九段、屋敷伸之九段
B級2組へ降級:予想・豊川孝弘七段、畠山鎮七段 結果:豊川孝弘七段、杉本昌隆七段
佐藤九段の昇級は予想どおり。B1は鬼の棲み家だから復帰は簡単ではないが、1局を残しての昇級は見事。貫禄を見せた形となった。屋敷九段は39歳にしてようやっとA級昇級。棋聖3期の大豪だけに、A級昇級は遅すぎた感がある。
降級のほうは、オジサンの星・豊川七段がついに力尽きた。しかしラス前に佐藤九段を破った星が光る。これが利いて、もうひとりの降級者の杉本七段より、順位が1枚上になった。
相手の昇級が決まっていて、自分の降級が決まっていても一生懸命指すのは、こういうことがあるからだ。順位戦に消化試合はない。

B級1組へ昇級:予想・阿久津主税七段、戸辺誠六段 結果・橋本崇載七段、阿久津主税七段
阿久津七段の昇級は順当。ここをスンナリ通過しないと、一流棋士にはなれない。橋本七段は前期昇級に推したが、4勝止まりだったので、今期は外した。しかしSHOGIバーを開きながらの昇級は見事。才能がある人は、副業をしていても本業に支障はないらしい。

B級2組へ昇級:予想・広瀬章人五段、豊島将之五段 結果・広瀬章人王位、田村康介六段
広瀬王位の昇級は順当。王将挑戦の豊島六段は最初の3局を1勝2敗で終え、早々と昇級争いから脱落した。これも順位戦の恐さといえようか。早指しの雄、田村六段の昇級は見事。田村六段は1月の「LPSAペア将棋選手権」で解説を務めた。LPSAイベントで解説をした棋士は昇級する、というジンクスがあるが、田村六段もそれを証明する形となった。
順位戦の恐さといえば、村山慈明五段が9勝1敗ながら無念の頭ハネ。これは大島映二七段(C2)、所司和晴七段(C1)に次いで3例目の悲劇だった(注:「将棋世界」2011年4月号によると、渡辺明竜王もC1で9勝1敗の頭ハネを喰らったことがあるらしい)。
C級1組は年々人数が増え、昇級割合でいくとC級2組より厳しい。9勝1敗で現状維持は辛いが、では代替案はあるかと問うても、棋士は答えないだろう。

C級1組へ昇級:予想・佐藤和俊五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段 結果・佐藤天彦五段、糸谷哲郎五段、稲葉陽四段
今回の昇降級予想は、自分で書いていながら忘れていたので、C級2組の予想を改めて見たときは、2名も当たっていて、驚いた。
佐藤天彦五段の全勝通過は見事。C級2組は降級制度が復活してから、クラス内ではチカラの差がなくなっているだけに、この成績は特筆に値する。
糸谷五段は前期に続いて昇級候補に挙げていた。これは我ながらいい読みだった。あのふてぶてしい面魂は大物の雰囲気が漂う。
実力者・稲葉四段の昇級は、上がってしまえば順当だった。

以上、14名中8名正解だった。前期は3名だったから、大幅増だ。来期の予想では全員正解を目指したい。
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5 コメント

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うーん、凄い (LPSAファン)
2011-03-31 18:50:33
女流名人予選もそうでしたが、驚異的な正解率ですね(@_@)
おみそれしました^^

個人的には、屋敷九段がA級でどんな戦いぶりを見せてくれるのか、楽しみです。
なにしろ、17才での初タイトルから22年たってのA級ですから。
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上がるべき人 (洋志)
2011-03-31 21:48:11
屋敷がA級に昇級したのはうれしかったなぁ。彼が指導対局でむっとした顔をするのをみたことがなかったというのが理由ですが。指導対局で教わる態度に問題がある人も中にはいますが、そういう時、明らかに態度を変える棋士もいないことはない。こうなると将棋自体がいやになるファンもいないわけではないし、観戦している方も不快になる事があるわけです。
 アマにとって、ほとんどの場合将棋は楽しみでやっているのだから。

 ハッシーは解説を聞いていて、これは強いと感じた事がありますね。強い棋士は解説での形勢判断の正確さで強さが分かると思います。
 大山、中原、羽生、森内らが、これは強いと感じさせる解説をしていたと思います。 
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屋敷先生 (一公)
2011-04-01 00:54:03
>LPSAファンさん
驚異的な正解率、というほどではないですが、女流名人位戦のほうは、個別の勝敗予想も、まあまあ当たったほうでしょうか。
屋敷先生の、「初タイトルからA級昇級まで22年」は、最長記録ではないでしょうか。

>洋志さん
屋敷先生の指導対局がよかったようで、何よりでした。ただ、不快にさせる棋士がいるとしたら、けしからんことですね。棋士の驕りを感じます。おかげさまで私は、指導対局で不快な思いをしたことはありません。
大山先生の解説はよかったですね。昔好きだった解説者は、芹沢先生、米長先生、石田先生というところでしょうか。いまは藤井先生が断トツです。
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順位戦・・・ (瀬戸のひしお)
2011-04-01 09:24:57
予想、お見事でした!。
以外だったのが佐藤違いの予想くらいですかね?。

毎年思うのですがB2以下の抽選10回戦制度はどうにかならないのでしょうか?。(棋士の先生方は良とされているのでしょうか?。)抽選で終わっていたら悲しい・・・。(あり得ないですが無敗者が頭はねも制度上は有る?。)
『順位』戦である以上頭はねは良としても10回戦制度も仕方ないとしても抽選は8回戦までとかして後は大相撲のようにとか・・・。
屋敷先生ずっと変わらぬ方ですね。
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順位戦 (一公)
2011-04-02 00:43:55
>瀬戸のひしお。さん
昇級に佐藤和俊先生を推したのは、朝日オープンで活躍したのを見たからだと思います。
順位戦B級2組以下は、リーグ戦を12局は指してもらいたいですね。でも棋士に負担がかかるし、これは無理ですね。
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