LPSA芝浦サロン・藤森奈津子女流四段１・歴史を感じる

きょう３月２日は中倉彰子先生のお誕生日。おめでとうございます。
中倉先生は人妻にもかかわらずいつもピュアピュアで、永遠の20代を体現しています。中倉先生との指導対局は、笑いが絶えずいつも楽しいです。これからも、よろしくお願い申し上げます。

だいぶ旧い話になるが、昨年10月22日のLPSA芝浦サロンは、藤森奈津子女流四段の担当だった。もう何度も書いているが、私が駒込金曜サロンで初めて指導対局を受けたのが、藤森女流四段だった。芝浦サロン「金曜日」はこの日で３回目だったが、藤森女流四段に指導を受けて初めて、私の芝浦サロンが始まる気がした。
対局開始。私の居飛車明示に藤森女流四段は６手目に三間飛車に振る。金曜サロン（マンデーレッスン含む）の戦績は、（私から見て）平手９勝９敗、香落ち２勝１敗、角落ち１勝で、いい勝負。ただ、いつもいうことだが、藤森女流四段は多面指しの早指し、私は勝負にこだわって熟考の連続だから、これは藤森女流四段の掌の上で踊らされている、と見たほうがいい。またこう言ってはなんだが、真剣勝負から離れたほうが、藤森女流四段はノビノビ指しているように思った。
局面、私は22手目に☗４六歩。これに藤森女流四段は☖４三金。これが藤森流独特の受けで、中倉宏美女流二段だったら☖６四歩か☖２二飛というところ。
対して私は☗６六銀～☗４七銀と、急戦矢倉のような銀の動きをしたが、これは狙いがハッキリせず、私の指し手ではなかった。
このあとは５五で金銀交換が行われたあと、藤森女流四段が☖８四角とのぞく。これに私は角成を受けず☗３五金と飛車を殺したが、ちょっと焦った。以下☖３九角成☗２六飛。

ここで藤森女流四段は「恥ずかし～」と言いながら、☖１七銀！
最晩年の花村元司九段が、高橋道雄九段相手に☖１七銀の鬼手を指して快勝したことがあったが、この☖１七銀は筋悪だ。１九の香と貴重な銀なら喜んで☗同香だろう。
ところが慌てた私は、☗２七飛とひるむ。何をやってるんだ。以下☖３五飛☗同歩☖２六金☗１七飛☖同金☗同香☖５七歩と、とんでもない展開になった。
まあこれでも私の金得だから優勢なのだが、このあとは藤森女流四段に怪力を出され、最後は華麗に寄せられてしまった。
相手は女流プロだから負けるのは仕方ないが、負け方がわるい。これも上手の掌の上で遊ばされた、ということなのだろうか。藤森女流四段は強いんだか弱いんだか分からないが、中盤の分かれで下手を喜ばせておき、最終的にはひっくり返す。指導対局の王道を見た気がした。
いろいろ書いたが、藤森女流四段との指導対局には、女流棋界の「歴史」を感じる。ほかの女流棋士にはない「味」を感じる。藤森先生、これからもよろしくお願い申し上げます。