一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

社団戦2024最終戦(2)

2024-10-03 23:50:40 | 社団戦
私の将棋が早く終わり、一抜け。ここから高みの見物である。そして私の場合、自分が勝てば、他者の勝敗はどうでもよい。4-3で勝てばもちろんよいが、3-4で負けても、「惜しかったね」と寛大な気持ちになれるのだ。その代わり、自分が負けて3-4だと最悪。のちのちまで後悔を引きずることになる。
木村晋介会長は振り飛車で軽快に指している。見ると、△7四飛に▲6四の銀を▲7五銀(図)と引いたところだった。

私だったら迷わず飛車交換に応じ、△7四同銀に▲5五銀か▲8二飛としているところ。しかし▲7五銀も落ち着いた手で、これは会長、そこそこいくんじゃないかと思った。
五将の山本氏は、対振り飛車に十八番の左美濃。▲9七に玉がいるが、これは△9六桂の王手にそう逃げたものか。しかし△9五香と走られているので、この桂は取れない。▲6四歩は△6三金取りになっているが、△5三角がいるので、この金は取れない。山本氏が二枚飛車で攻めているから優勢に見えるが、存外そうでもない。
実は似た局面を、私は何度か見ている気がする。なんか山本氏、いつも端玉で苦しんでないか?
今回も桂の王手に、どうして端に逃げたのだろう。金銀のいるほうに逃げないか? ふつう。
Tayama氏は、将棋は劣勢だが、よく頑張っている。しかし相手が悪く、勝ち目は薄い。

山野氏のところは、山野氏勝勢。図からA▲6二飛成△同玉▲6三銀△同角▲同飛成△同玉▲5四角打でもいいし、B▲8二金から詰ましてもいい。
だが山野氏は指す気配がない。しばらくして見ると、▲5四香と打っていた。
山野氏、こんな終盤の弱さじゃ、一手違いのときに勝てない。山野氏はもっと詰将棋をやるべきだ。
10時57分、中山氏勝ち。まあ、そうであろう。
11時04分、山野氏、勝ち。あれ? これで3勝である。
やがて山本氏、負け。しかしすぐあとに木村会長も勝った。え? 会長勝ったの? これで4勝1敗である。チーム勝利ではないか。そんなバカな! 全勝のチームにウチが勝てるわけがない!
私はメンバー表を見てみる。相手の四将氏は、ここまで12戦中11戦に大将で出場し、全勝だった。それなのに、なぜここで四将で出たのだろう。
こちらの大将も12戦全勝だが、天野チルドレン3の偵察隊がそれを見て怯み、全勝対決を回避したのだろうか。いやしかしそれでは、どちらの大将も勝って、1勝1敗になるだけだ。これでは意味がないではないか。
いや違う、天チルは、ここでイーブンでも、残り5局で3勝2敗できるとフンだのだ。
阿部氏が勝った。これで5勝1敗である。しかし私たちが、予想以上に強かったのだ。こちらはいつものメンバーなのに、本当にどうしたのだろう。キツネにつままれたようだった。
Tayama氏の将棋が長すぎるので、私は昼食に出た。きょうも会のほうで牛丼を100個注文しているが、仮に同じものでも、私は外で食べる主義である。
しかし、浅草駅前の吉野家は満員だった。あやうく昼食難民になりかけたが、ちょっと離れたところにココイチがあった。幸いカウンターが1席空いていたので、座る。時間もないので、メニューを見ずに、ベーシックなカレーを頼んだ。
カレーは野菜がルーに溶けて美味かったが、会計で683円だったのにはビックリした。せいぜい500円くらいかと思ったが、私が甘かった。いまはカレーも高級品なのである。
会場に戻ると、やはりTayama氏は負けていた。しかしチーム5勝2敗の勝利は立派だ。全勝チームに土をつけ、もう昇級した気分だった。
またTayama氏は、強豪にあれだけ善戦したのだから、あとの2局は絶対勝てると思った。
さて、2回戦である。相手は「棋心ドリーム」で、また小学生主体のチームだ。私たちの先発メンバーは、七将のみ、木村会長からAkuさんに代わった。というのは私の勘違いで、山本氏とTayama氏が入れ替わっていたのを局後に知った。
私の相手は小学生高学年。今度は偶数先手で、私が先手になった。▲7六歩△3四歩▲2六歩に△8四歩。ここでまた私は悩んでしまった。例によって横歩取りはイヤなので、▲6六歩と怯んだ。将棋に笑われる手はないのである。
以下△8五歩▲7七角△6二銀▲7八銀と進む。私はまた矢倉を目指したが、次少年が△4二銀としたので、四間飛車に振った(第1図)。けっこう私は、相手のスキを衝くのである。

数手後、少年は△3三銀とする。私が警戒しているのは△3五歩からの位取りだ。ふだん自分が指しているからだが、ただ指し手を進めるうち、現代の小学生が位取りを指すはずがないと思った。
少年の戦法選択は穴熊で、ああそうだろうなと思った。私は銀冠に組み、こちらも十分の形勢である。
少年は△6四銀と出て、仕掛けを目指してきた(第2図)。

第2図以下の指し手。▲5九角△7五歩▲7八飛△7六歩▲同銀△7二飛▲7七歩△8二飛▲8八飛△7五銀▲同銀△同角▲4八角(第3図)

私は△7五歩の先受けで▲5九角と引いたのだが、やや弱気だったか。そこで△7五歩以下△7二飛まではよくある手順だが、次に△8六歩▲同歩△8八歩があるので、私は▲7七歩と受けた。棋理にない手だが、代わる手が分からなかった。
少年は△8二飛と戻し、銀を捌いて好調。次△6六角と出られても▲6八飛があるから心配ないが、とりあえず▲4八角と我慢した。
そこで少年の次の手は、なんとなく予想できた。

第3図以下の指し手。△8六歩▲同歩△同飛▲同飛△同角▲8三飛△8八飛▲8一飛成△8九飛成▲9八桂△9九竜▲8六桂△4九銀▲3九銀(第4図)

右の山野氏は横歩取りの乱戦になっていたが、玉を引っ張り出されて敵陣まで侵入している。しかしキッチリ討ち取られた。
少年は△8六歩から飛車の交換を挑んできた。まことに気合がいいが、飛車を先着できるのは私である。△8八飛から桂を取り合ったが、私の▲9八桂がよくある筋で、角が取れる。
しかし少年は黙って香を補充し、涼しい顔である。そこで冷静に考えると、私も角を取るため桂を投資しているので、そこまで得になっていない。少年の銀桂香の持駒も強力で、私はそこまで優勢でないのかと思った。
△4九銀には、冴えないが▲3九銀と受けた。もし△3八銀成▲同銀上となってもあまり固くなっていないが、ないよりはいい。

第4図以下の指し手。△5八銀不成▲6五歩△4七銀成▲同金△8八竜▲3八銀打△3五歩▲9一竜△3六歩▲3五香△3七歩成▲同桂△3四歩

ところが、少年は△5八銀不成ときた。よりよくしようの意だが、私にはよく分からない。
△8八竜には、角の動きをよくしようと、▲3八銀打。なんだか気が利かないが、とりあえず固くした。
と、少年は少考ののち、△3五歩ときた。さすがにいい手で、▲同歩は△3七歩▲同桂△3六歩▲同銀△2四桂で、後手ペースになる。
私は香を補充し、△3六歩を待って、歩の裏から香を打った。ただこれも、歩の成り捨てから香を取られそうだ。私は時間稼ぎのために打ったのだが、ちょっと代償が大きすぎた。
そう思って局面を見ると、ひとつだけ攻め筋が生じていた。

第5図以下の指し手。▲3三歩△同金右▲2五桂△2四金▲3三歩△3一金(第6図)

まずは▲3三歩。これに少年はさして考えず△同金右と取ったが、これが相当な悪手だった。私は▲2五桂と跳ねるが、△2四金と逃げた形がひどい。
戻って▲3三歩には△同銀だったか。以下▲2五桂△2二銀▲3三歩△同銀▲同桂成△同金右なら、私は歩切れになり、攻めあぐねたと思う。
本譜に戻り、私は再び▲3三歩。△3一金にはどうするか。

(つづく)
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