一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第4回宴会将棋(5)

2015-10-08 22:58:13 | 宴会将棋
「ここは寄せのセンスが問われます」
と植山悦行七段。局面は後手勝勢だが、どう寄せるかとなると、私には分からなかった。

第1図以下の指し手。△7九飛▲5七角(途中図)

△1九歩成▲7九角△2六歩▲8一飛△2七歩成▲3九玉△3八と▲同金△2九飛成▲4八玉△5九銀▲5八玉△3八竜▲4八歩(投了図)
まで、Ok氏の勝ち。

Taga氏は△7九飛と下ろした。
「普通の手ですね」
と植山七段はつぶやいた。
Ok氏は少考して▲5七角と引く。今度はTaga氏が考える。この時、私はOk氏の恐ろしい狙いに気付いた。植山七段は「普通に△9九飛成で十分でしょう」。ところがそうでもないのだ。
「(先生、でもあっちの飛車取りにもなってます)」
「(うん?)」
「(▲2四角△同角▲8一飛で…)」
「(あそれはマズいねぇ…)」
ここで植山七段も先手の狙いに気付いた。「(逆転しちゃったよこれ)」
Taga氏は開き直って△1九歩成。▲7九角には△2六歩と突いた。これに私なら▲2四角だが、Ok氏は▲8一飛。これでTaga玉は受けなしだ。△2七歩成▲3九玉。
ここでTaga氏が△3八とと入ったのがドキッとさせる手で、私と植山七段は軽く飛び上がった。▲同玉は△2九飛成までトン死だ。何しろ、植山七段と私の読み筋は似ているのだ。
Ok氏は▲3八同金。以下△2九飛成▲4八玉△5九銀に、Ok氏は考える。ここが不思議なところで、私たちならノータイムで▲5七玉と上がる。しかしOk氏は▲5八玉とよろけた。
「これでも残ってるのか。う~む」
と植山七段は苦笑い。以下△3八竜▲4八歩まで、Taga氏の投了となった。何だか、これはこれで妙な熱戦だった。

植山七段の解説は、Ok氏がTaga陣に総攻撃をかけたあたりから始まった。Ok氏の攻めにいろいろ問題はあったが、▲9五歩△同歩を入れて端攻めを絡めれば、Ok氏が楽勝の展開だったという。この手が入っていれば勝敗が入れ替わっていた、というケースはよくある。
また、第1図で植山七段が描く後手の寄せは、△1九歩成▲同玉△2六桂(一例)だった。
それはともかく、第1図の△7九飛だ。「パスしても勝ち」(植山七段)の局面で、Taga氏はよりによって、唯一負けの手を指してしまった。7月の第1回宴会将棋・E-Ok戦で、Ok氏が必勝の局面でココセを指したことがあったが、あの時と同レベルの大逆転劇だ。将棋はこういうことがあるから、最後まで諦めてはいけないのだ。

時刻は午後11時近くになり、私は何となく帰り支度を始める。Hon氏などはジョナ研の時、どんなに盛り上がってても10時になるとピタッと退席したものだが、宴会将棋ではわりと粘っている。門限が緩和されたのだろうか。
今回もちょっと多めにおカネを出し、散会。最近は「大野・植山教室」にもあまり行ってないので、ここが私のフランチャイズになりそうな雰囲気すらある。次の宴会将棋が楽しみである。
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