一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

四十七たび大野教室に行く(後編)

2013-06-09 00:13:40 | 大野教室
渡辺-Fuj戦は渡辺君が勝ったようだ。やはり元奨は強い。これでFuj氏が少し大人しくなってくれればいいのだが…。
いよいよ大野八一雄七段に教えていただく。居飛車の立ち上がりとなる。大野七段が飛車先の歩を突かないので、△6二飛には▲6七銀とした。
大野七段の△8四歩に、▲7五歩としたのが我ながら機敏な一手。△7四歩からの、桂の活用を抑える手だ。将棋は序・中・終盤のどれも大事だが、駒組みにおいて細心の注意が要求される序盤は、いちばんおもしろいともいえる。
大野七段は△7四歩と突き捨て、それを△6三金と取り返しにくる。そこに私はまたも僅かなスキを見つけ、さりげなく歩を突いた。

上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2一桂、2二銀、2三歩、3二玉、3四歩、4三金、4四歩、5三銀、5四歩、6三金、7一飛、8一桂、8四歩、9一香、9三歩 持駒:歩
下手・一公:1七歩、1九香、2八飛、2九桂、3六歩、4六歩、5六歩、5七銀、5八金、6五歩、6七銀、6九玉、7四歩、7八金、8七歩、8八角、8九桂、9七歩、9九香 持駒:歩2
(△6三金まで)

私は▲4五歩。大野七段はさして考えず△同歩だが、▲2二角成△同玉▲5二銀とし、これは負けられない将棋になった。
以下▲5二成銀・5三金の形になる。そこを植山悦行七段が通り、「相変わらず(大沢さんらしい将棋を)やってますね」と苦笑した。
私は▲4三歩と垂らす。大野七段は△3五歩。局後の検討では、ここは▲4二歩成とすれば勝ちだった。それを▲同歩としたため、△3六歩▲2五桂△3七歩成▲3三桂成△同玉▲3四銀△同金▲同歩△同玉▲3五歩△同玉▲2三飛成△2五歩となり、入玉模様にされてしまった。
右ではHon氏が飛車落ちで挑んでいる。Hon氏はいつもニコニコだが、案外硬派なところもある。
その後は一進一退の攻防が続く。▲7一角と、△8二飛の飛車取りと▲3五角成以下の詰めろに打てては下手必勝に思えたが、大野七段も受ける。
私は▲8二角成とし、これがまた▲3七飛以下の詰めろだが、大野七段は△5五桂の犠打。この辺の上手の凌ぎはホレボレするほどで、さすがにプロだと思った。
二枚の桂で迫られて、私の玉は危険極まりない。そのうえ▲3五馬△同銀▲同飛成と角まで渡してしまった。これで詰まされたら仕方ないと開き直った。

上手(角落ち)・大野七段:1一香、1三歩、2五歩、3九と、4五歩、4七玉、5四歩、6七桂、7九金、8一桂、9一香、9三歩、9五桂 持駒:角、金、歩4
下手・一公:1七歩、1九香、3一竜、3五竜、4三歩、5二成銀、5六歩、5七銀、6三金、6五歩、6六銀、7七歩、8七金、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩2
(▲3五同飛成まで)

以下の指し手。△5九角▲4九銀 まで、一公の勝ち。

幸い下手玉には詰みがなかったようである。△8九金▲同玉△8八歩に▲同金は△7九金▲9八玉△8六桂で詰むが、▲8八同玉△7九角に▲8九玉でも▲7八玉でも詰まない。
大野七段は△5九角と打ったが、▲4九銀がシャレた決め手。何とか勝たせていただいた。
感想戦では、中盤△3五歩に▲4二歩成以下の寄せを教えていただいた。
「二度負かされた気分だなあ」
と大野七段。私ももっと、キレのある手を指さなければならない。
再びOk氏との二枚落ち戦の話になる。
「大沢さんは二枚落ち(の上手)がうまいからなあ」
と大野七段。自分ではそんな自覚はないのだが、いつの間にかそういうことになっている「大沢さんの上手玉は妙に寄らないんだよな」
さっきの将棋で私の玉が寄らなかったことを指していたのかもしれない。
傍らでは珍しや、W氏とFuj氏が指している。最近はすっかりスタッフ業に専念しているW氏だが、棋力に衰えはないようだ。それどころか本局も善戦し、いまは優勢から勝勢に近付いている。▲2三銀と打ちこみ、勝利目前だ。
私はしばし席を外す。ところが戻ってくると、W氏の玉が寄っているので、驚いた。どんなココセをやったら、先手玉が寄るのだろう。
感想戦を見せてもらったら、△3七桂成に▲同玉と、ノコノコ玉が出て行ったのがマズかった。とたんに△4七金と打たれて寄りである。ここは▲3七同金と上部を厚くし、なんでもなかった。
しかしこう取ってFuj氏を完璧に負かすなら、それはW氏の将棋ではない。W氏は急所で悪手を指し、残念な負け方をするのがいいのだ。
植山七段の指導対局も終わり。Ii君との感想戦を見せてもらう。ちょっと植山七段、よれているようだ。これは5日の対局、植山七段は負けると思った。
食事は植山七段、W氏、Fuj氏、Ok氏、私。近所のトンカツ屋へ出向いた。なお大野七段と渡辺君が先乗りしている。
きょうは5人用の座敷に5人で座ったので正座をせずにすみ、美味しく食事を摂ることができた。渡辺君はここで退席。
食後は駅前の喫茶店「シャノワール」に場所を移す。W氏も所用があるとかで、ここで退席。シャノワールでも容赦ない話が飛び交う。もう、ここでは書けないことばかりである。しかし評判がよかったのはOk氏だ。Ok氏の将棋に対する情熱は目を瞠るものがある。「この1年でOkさんがいちばん強くなった」と、大野七段、植山七段共通の見解だった。
コメント (2)
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