一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

三たび、わらび将棋教室に行く(前編)

2013-06-02 00:36:07 | 蕨将棋教室
5月26日(日)は、埼玉県蕨市にある「わらび将棋教室」に行った。前日に続いて二日連続の将棋で、これでは将棋バカと言われても反論できない。
家で旅番組を観ていたら、家を出るのが遅れた。開講時間の午後6時を遅れること6分、蕨駅前にある「くるる」3階に着いた。
中に入ると、子供4人にIs氏、Fuj氏、Ok氏の姿があった。ほかにスタッフのW氏。Is氏に会うのは今年初めてである。きょうは昼に「みんなハッピー!LPSA将棋パーク2013」があったが、Fuj氏はその帰りであろう。
植山悦行七段は大盤で講義中。部分図で、玉を寄せる手筋をやっている。第1回目に見たときはずいぶん高度な題材だったが、回を重ねるにつれて洗練されてきた感じだ。
初心者向け講義ではあるが、基本をおさらいするにはいい機会である。私もしっかり勉強した。
子供と引率の母親がさらに加わり、6時40分からは実戦。子供たちが先手番、植山七段が後手番で、大盤を使って対局する。
植山七段は子供たちを有利にさせようと疑問手を指すのだが、それが意外にいい手だったりして、どうもうまくいかない。指しかけの7時になったころは、むしろ後手の植山七段を持ちたい形勢になっていた。
休憩を挟み、7時10分からは指導対局。大人組はお互いが指してもいいのだが、せっかくなので植山七段に教えていただくことにした。つまり植山七段の9面指しである。
前回は平手でいい勝負だったので本局も…と思ったが、調子に乗ってはいけない。香落ちでお願いした。
「前回は(私が)負けましたからねえ…」
と植山七段。確かに「負けました」とは言われたが、あれは教室退室の時間が迫っていたからで、私は引き分けだったと認識している。
本局は植山七段の中飛車。私が1筋を攻めれば角交換から軽く捌こうの意だろう。私は角道を止め、持久戦に舵を取った。
△5五歩~△同銀~△6四銀に、私は▲7七桂。▲6五歩~▲6六銀として、下手も指せるのではと思っていた。
右ではFuj氏が、やはり香落ちで教わっている。こちらは植山七段の三間飛車。玉頭銀に出ていた。
子供たちは、将棋を勉強するというより、楽しみながら指している感じ。中には指したフリをして指さないコもいるが、もちろん植山七段は見抜いている。でも植山七段は「本当に指した?」と言いつつ、構わず二手指しをしてあげる。いまは、子供に将棋に触れてもらうことが大切なのだ。
私は▲2四歩と突き捨てたあと、▲5八飛。そっちへ、と植山七段がつぶやいた。以下中央での戦いになった。

上手(香落ち)・植山七段:1三歩、2一桂、2四歩、3三角、3四歩、4三歩、5二飛、5四金、6四銀、7二金、7四歩、8一桂、8三銀、8四歩、9一香、9二玉、9四歩 持駒:歩2
下手・一公:1七歩、1九香、3六歩、3七桂、4六角、4七歩、5六歩、5八飛、6五桂、6六銀、6七金、6九金、7六歩、7八銀、8六歩、8七玉、9六歩、9九香 持駒:歩2
(△9二玉まで)

以下の指し手。▲4五桂△6六角▲同金△6五銀▲同金△同金▲7七銀打△8二金打▲6一角△6二飛▲7二角成△同飛▲6六歩△7六金▲同銀△7五歩▲同銀△同飛▲7六歩△4五飛 まで、植山七段の勝ち。

▲4六角と出た形が上手玉を睨み、悪くはないとフンでいたのだが、△9二玉と寄られ、急に上手玉が見えなくなってしまった。
私は▲4五桂だが、幸便に△6六角と切られ、△6五銀と桂を取られたところでは、二枚換えで下手が悪い。
つづく▲6一角~▲7二角成も暴発だったようで、植山七段は「(大沢さんは、指し手が)荒いなア~」と△同飛。そこで▲6六歩と金を殺して下手もまだまだと見ていたが、「コンニャロ」と指した△7六金捨てが決め手で、以下いくばくもなく私の投了となった。
感想戦。▲6五歩から▲6六銀と盛り上がった形は下手がうまくやったと思ったが、プロの目から見ると、▲7七桂と跳ねた形は、▲6五の位を守るのが容易ではないという。この大局観、感覚は男性プロならではで、唸るところである。
さらに掲示局面の数手前、▲2四歩と突き捨てたのも指し過ぎで、上手に1歩を渡したのが大きかったという。
確かにそうで、△2五飛と回られたときの▲2八歩を用意したものだが、それなら▲2四歩の突き捨ては必要なかった。ちょっと勘違いしてしまった。
「ウン、大沢さんとは香落ちがいいな。抑え込まれる心配がない」
ごきげんな植山七段であった。
(つづく)
コメント (4)
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