午後6時、植山悦行七段はMinamiちゃんを連れて帰宅。翌朝が早いらしい。
これで大野教室の残りは、大野八一雄七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、私の5人となった。大野教室は5時までだし、私もふつうの客なら帰るところだが、私には食事会の参加がある。
しかしちょっと早いので、Hon氏に練習将棋を申し込む。するとHon氏、
「イエ私はちょっと…きょうは疲れていて…」
と断る。
「エエッ!?」
これは意外だった。「ちょっと待ってよHonさん。Honさんに断られちゃさ、何かオレが将棋好きみたいじゃない。恥かかさないでよー」
私がボヤくと、周りが爆笑した。
「大丈夫。みんな大沢さんが将棋好きだって知ってるから」
とW氏が返した。
そこへFuj氏が私に将棋を誘ってくる。好きだなあ、Fuj氏。彼の将棋への情熱には、私も一目置く。
振り駒で私の後手。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、また私は考え込んでしまう。
そこで先日のジョナ研のように、4手目をHon氏に決めてもらうことにした。
「横歩取りの将棋を見たいんで…」
ということで、△8四歩。中座飛車へと進行した。ただし玉形は△5二玉-△5一金-△6二銀とした。私は中座飛車はあまり指さないが、玉の囲いは、△4一玉型の中原囲いより、△5二玉型のほうが優れていると思う。
横歩取りの将棋は、Fuj氏もあまり経験値がないから、お互い手探り状態での指し手となった。
私は△5四角と据え、△8六歩▲同歩△9八歩の香取りを狙う。
Fuj氏は焦り気味に▲3四歩△同銀▲2四飛と走ってきたが、私は△2三金と上がって受ける。対してFuj氏は▲3四飛! △同金に▲2三角がFuj氏期待の一着だったが、私は△2七角成。と同時に△3四の金を、△8四飛の横利きで守った。これで優勢になったと思った。
以下終盤で、▲5五桂に私が△3一桂と受けておけばよかったものを、ほかの手を指したため、Fuj氏に馬を切る勝負手が生まれていたのだが、これをFuj氏が見送り、最後は私の快勝となった。
「大沢さん、私のときは本気を出すなあ…」
とFuj氏がボヤく。私の前日の成績が0勝5敗だったことを踏まえての発言だが、心身ともにズダボロ状態の私に負けるFuj氏のほうがおかしい。「これで大沢さんとは12勝10敗になりました」
Fuj氏、一時期は私との対戦成績で「ダブルスコア…」が常套句で、最近はその言葉が聞かれないと思ったら、ずいぶん私が追い上げていたらしい。
これで対局は終わり。きょうは生徒も少なく、アッサリ終わった感じだ。きょうの成績は3勝2敗だった。
午後7時、中華料理屋へ食事に行く。参加者は冒頭の5人。
食事が済むと、駅前の喫茶店に場所を移した。4人掛けのテーブルにひとつ椅子を足して、計5人が座る。野郎ばかり、むさくるしいことこの上ない。
デザートセットを頼んで、社団戦の話。先日の社団戦にはHon氏、Fuj氏が参加したが、チームの活気が感じられなかったという。
社団戦は実力伯仲だから、メンタルな部分が大きな要素を占める。気持ちが萎えていては、勝利はないものと覚えてほしい。
公式棋戦の話になる。銀河戦で、長沼洋七段がだいぶ勝ち抜いているという。私は「将棋世界」を購読してないし、日本将棋連盟の棋戦情報も見ていない。いま、誰が勝っているのか、ほとんど分からないのだ。
「長沼七段は(いまのところ)、NHK杯で羽生二冠に最後に勝った棋士です」
とFuj氏。相変わらずの博識ぶりだ。
羽生善治NHK杯が同棋戦で敗退したのは、5年前の4回戦。そこから羽生NHK杯は、20連勝しているのだ。ほかの棋士は何をやってるのかと思う。
今夜は8時からネット将棋最強戦が行われている。対局者は佐藤康光王将と深浦康市九段。そこでHon氏のリクエストで、大野七段の生解説が行われることになった。
まだ大野教室での食事会がいまほどメジャーじゃなかったころ、食事会のメンバーは大野七段とW氏、Hon氏だけだった。このときHon氏が、大野七段の解説で最強戦を鑑賞することを、ことのほか楽しみにしていた。
今回は私もそのおこぼれにあずかったというわけだ。
将棋は、相居飛車から相銀冠。棋士は本当に銀冠が好きだ。一手一手も難解で、大野七段も容易に変化手順が出ない。
ごちゃごちゃした戦いののち、佐藤王将がいつの間にか勝っていた。
W氏からちょっと衝撃的な話を聞いて、11時散会。私が昨年秋体調不良だったとき、大野七段と生徒のみんなには大変お世話になった。感謝に堪えない。
これで大野教室の残りは、大野八一雄七段、W氏、Hon氏、Fuj氏、私の5人となった。大野教室は5時までだし、私もふつうの客なら帰るところだが、私には食事会の参加がある。
しかしちょっと早いので、Hon氏に練習将棋を申し込む。するとHon氏、
「イエ私はちょっと…きょうは疲れていて…」
と断る。
「エエッ!?」
これは意外だった。「ちょっと待ってよHonさん。Honさんに断られちゃさ、何かオレが将棋好きみたいじゃない。恥かかさないでよー」
私がボヤくと、周りが爆笑した。
「大丈夫。みんな大沢さんが将棋好きだって知ってるから」
とW氏が返した。
そこへFuj氏が私に将棋を誘ってくる。好きだなあ、Fuj氏。彼の将棋への情熱には、私も一目置く。
振り駒で私の後手。▲7六歩△3四歩▲2六歩に、また私は考え込んでしまう。
そこで先日のジョナ研のように、4手目をHon氏に決めてもらうことにした。
「横歩取りの将棋を見たいんで…」
ということで、△8四歩。中座飛車へと進行した。ただし玉形は△5二玉-△5一金-△6二銀とした。私は中座飛車はあまり指さないが、玉の囲いは、△4一玉型の中原囲いより、△5二玉型のほうが優れていると思う。
横歩取りの将棋は、Fuj氏もあまり経験値がないから、お互い手探り状態での指し手となった。
私は△5四角と据え、△8六歩▲同歩△9八歩の香取りを狙う。
Fuj氏は焦り気味に▲3四歩△同銀▲2四飛と走ってきたが、私は△2三金と上がって受ける。対してFuj氏は▲3四飛! △同金に▲2三角がFuj氏期待の一着だったが、私は△2七角成。と同時に△3四の金を、△8四飛の横利きで守った。これで優勢になったと思った。
以下終盤で、▲5五桂に私が△3一桂と受けておけばよかったものを、ほかの手を指したため、Fuj氏に馬を切る勝負手が生まれていたのだが、これをFuj氏が見送り、最後は私の快勝となった。
「大沢さん、私のときは本気を出すなあ…」
とFuj氏がボヤく。私の前日の成績が0勝5敗だったことを踏まえての発言だが、心身ともにズダボロ状態の私に負けるFuj氏のほうがおかしい。「これで大沢さんとは12勝10敗になりました」
Fuj氏、一時期は私との対戦成績で「ダブルスコア…」が常套句で、最近はその言葉が聞かれないと思ったら、ずいぶん私が追い上げていたらしい。
これで対局は終わり。きょうは生徒も少なく、アッサリ終わった感じだ。きょうの成績は3勝2敗だった。
午後7時、中華料理屋へ食事に行く。参加者は冒頭の5人。
食事が済むと、駅前の喫茶店に場所を移した。4人掛けのテーブルにひとつ椅子を足して、計5人が座る。野郎ばかり、むさくるしいことこの上ない。
デザートセットを頼んで、社団戦の話。先日の社団戦にはHon氏、Fuj氏が参加したが、チームの活気が感じられなかったという。
社団戦は実力伯仲だから、メンタルな部分が大きな要素を占める。気持ちが萎えていては、勝利はないものと覚えてほしい。
公式棋戦の話になる。銀河戦で、長沼洋七段がだいぶ勝ち抜いているという。私は「将棋世界」を購読してないし、日本将棋連盟の棋戦情報も見ていない。いま、誰が勝っているのか、ほとんど分からないのだ。
「長沼七段は(いまのところ)、NHK杯で羽生二冠に最後に勝った棋士です」
とFuj氏。相変わらずの博識ぶりだ。
羽生善治NHK杯が同棋戦で敗退したのは、5年前の4回戦。そこから羽生NHK杯は、20連勝しているのだ。ほかの棋士は何をやってるのかと思う。
今夜は8時からネット将棋最強戦が行われている。対局者は佐藤康光王将と深浦康市九段。そこでHon氏のリクエストで、大野七段の生解説が行われることになった。
まだ大野教室での食事会がいまほどメジャーじゃなかったころ、食事会のメンバーは大野七段とW氏、Hon氏だけだった。このときHon氏が、大野七段の解説で最強戦を鑑賞することを、ことのほか楽しみにしていた。
今回は私もそのおこぼれにあずかったというわけだ。
将棋は、相居飛車から相銀冠。棋士は本当に銀冠が好きだ。一手一手も難解で、大野七段も容易に変化手順が出ない。
ごちゃごちゃした戦いののち、佐藤王将がいつの間にか勝っていた。
W氏からちょっと衝撃的な話を聞いて、11時散会。私が昨年秋体調不良だったとき、大野七段と生徒のみんなには大変お世話になった。感謝に堪えない。