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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

5月2日の大野教室(後編)

2021-06-12 00:10:46 | 新・大野教室

第2図以下の指し手。▲4五桂△4四角▲6五桂△8八角成▲同銀△4四角▲9七角△8六歩▲8七歩△6四歩▲5三桂左成△同銀▲同桂成△同玉▲8六角(第3図)

第2図で▲4五桂はこう指すところだろう。△4四角が飛車当たりだが、飛車角交換は歓迎である。私は左の桂も▲6五桂と跳ねた。左右の天使の跳躍が実現して、ヒトによっては、この将棋は負けられないというだろう。
だが△4四角に▲9七角と打ったのが痛恨。△8六歩とフタをされ、▲9七角がバカになってしまった。
戻って▲9七角では、何はともあれ▲6六角だった。本譜は▲8七歩とこじ開けにいったが、いかにもダサイ。しかも少年に△6四歩と催促され、天使二体と銀1枚の交換は大損になってしまった。
私はやっと▲8六角と出たが、この将棋は負けたと思った。

第3図以下の指し手。△3五角▲同歩△3六歩▲4五角△3七歩成▲5四銀△4四玉▲6四角△5五桂▲5三角成△3三玉▲2四歩△同銀▲3四歩△2二玉▲4三銀成△4七と▲6九玉(第4図)

△3五角▲同歩の次、△3六歩は少し緩いようにも見えた。私は▲4五角と据え、▲5四銀。△4四玉には▲6四角と出て、これは少し楽しみが出てきた。
▲2四歩には△同玉がイヤだったが、少年は△同銀。こう進むのなら、先に▲2四歩△同銀を利かし損ねたミスがカバーできた形だ。
△2二玉に▲4三銀成と斬りこみ、かなり追い上げていると思った。

第4図以下の指し手。△6八歩▲同金△5七と▲3二成銀△同飛▲5七金△6五桂▲4四馬△3一玉▲6三角成△5七桂不成▲7八玉△6七桂成▲同玉△6五飛▲6六歩△6三飛(第5図)

△6八歩が小粋な手だが、▲同金で耐えている。
▲3二成銀は相手に駒を渡すので指したくないが、もはや不満を言える状況ではない。
▲4四馬△3一玉に▲6三角成と薄い詰めろを掛けたがやはりよくなく、△6七桂成から馬を抜かれて一遍に形勢を損ねてしまった。
戻って▲6三角成では、▲2三歩(参考図)がよかった。詰めろであると同時に、△6七桂成も▲同角と取れる。

第5図以下の指し手。▲4三歩△8九角▲5七玉△5六銀▲4八玉△4七金▲4九玉△5八歩▲6九玉△6七銀成(第6図)

私は▲4三歩と垂らしたが、まだしも▲2三歩だったか。△同飛なら▲4三桂である。本譜は少年の△8九角が厳しく、私は▲5七玉以下ギリギリ堪えるが、△5六銀以下△6七銀成で、自玉に必至がかかってしまった。もはや後手玉を詰めるしかない。

第6図以下の指し手。▲2三桂△4一玉▲4二金△同飛▲同歩成△同玉▲2二飛△3二歩▲5四桂△5一玉▲2一飛成△4一歩(投了図)
まで、少年の勝ち。

私は▲2三桂。実はこの桂が入るから後手玉は詰むと思っていた。
だがわずかに詰まなかったようで、△4一歩で幕。感想戦は軽くやったが、第2図から数手後の△4四角に▲6六角と合わせておけば先手有望、の結論となった。
またも少年に負けたが、彼に棋力が抜かされるのは時間の問題。少しでも長く抵抗したいものだ。

7局目はShin氏と。Shin氏が駒を振ったが、1枚が横になり、振り直し。2回目は駒がオチ、3回目は駒がタテになる。しかもこの間、残りの4枚は表2・裏2なのだ。4回目は横になり、ここで私が降ることになった。歩が多く出て、私が先手。
将棋は相居飛車で難しい戦いになった。私は▲3三銀~▲2四銀成と角を取ったが、飛車先が重くなったので一長一短。しかしその角を▲7二角と飛銀両取りに打てて、何とかいけるような気がした。
最後はShin氏の突撃を受けて制勝。Shin氏に勝つのは本当に骨が折れる。

これにて今日の将棋は終わった。食事は近所の定食屋に行き、しばし楽しい時間を過ごした。
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5月2日の大野教室(中編)

2021-06-11 01:44:02 | 新・大野教室

第3図以下の指し手。▲2三桂△5六歩▲2四角△3三銀▲1五角△2二銀上▲1一桂成(第4図)

銀桂交換も代償として、▲2三桂は期待の一手。だが大野八一雄七段に△5六歩を利かされた。そこで▲3一桂成はあったかもしれないが、私は黙って▲2四角。△3三銀にも▲3一桂成はあったが、私は▲1一桂成のほうを楽しみにしていた。
△2二銀上にようやく▲1一桂成としたが……。

第4図以下の指し手。△1一同銀▲3三角成△同玉▲2一飛成△6六桂▲4一竜△7八桂成▲3一竜△4四玉(第5図)

大野七段は成桂をつまみ、△1一同銀と指そうとする。そのときイヤな筋が見え、着手を躊躇した。厳密には着手していないので、成桂を戻せば指し直しができる。しかしプロの矜持としてそれはできないところで、大野七段は(まあいいか)と△1一同銀と着手した。
すかさず私は▲3三角成と切り、△同玉に▲2一飛成。これが金銀両取りにもなって、一遍に下手が優勢になってしまった。
△6六桂には一足先に金を取り、△7八桂成に私は▲3一竜の王手だが、ここはもう一枚▲1一竜と欲張っておくべきだったかもしれない。
△4四玉と上がられた局面が意外に難しく、驚いた。

第5図以下の指し手。▲4六香△同銀▲4五銀△同玉▲4六歩△5四玉(第6図)

第5図で▲4六歩と突ければ話が早い。仮に△4六同銀なら▲4五歩△同玉▲3六金△5五玉▲4六金△同玉▲4七銀打から上部を厚くして下手必勝である。だが▲4六歩に△6八金▲同金△同成桂▲同玉△5七角▲7八玉△4六角成となると、これは上手陣が厚く上手勝ち。
こっちは簡単に飛車を成って必勝形と思っていたが、その前は銀桂交換、角銀交換で駒損をしている。△4一金をタダ取りしたようでも、下手も▲7八金を取られている。思ったほど形勢は離れていないのだ。
焦った私は▲4六香から何となく上手陣を薄くしたが、香損はかなり痛かった。

第6図以下の指し手。▲5五歩△6三玉▲6四歩△7二玉▲8三銀(投了図)
まで、76手で一公の勝ち。

私は読み切れず▲5五歩。△同玉と取られてもダメっぽいが、大野七段の指し手に委ねようと思った。
大野七段は△6三玉。これはありがたく、一本▲6四歩が利いた。△同玉は▲5四金までである。
だが△7二玉に指し手が分からない。しかしここで逡巡するわけにはいかず、私は「読み切ってますヨ」というテイで▲8三銀。「そうか……」とつ大野七段はつぶやき、そのまま投了してしまった。

「え? 投了ですか? 詰んでますか?」
と私。
「え? 読み切って指したんじゃないの?」
「いえまだ読み切れてなくて」
「……。詰んでるでしょう。……うん詰みだよ」
「あっ、▲8三金か」
「うんそう」
整理すると、投了図から△8三同玉▲8一竜△8二香▲9五桂△8四玉▲8三金(参考図)。以下△9四玉なら▲8五銀△9五玉▲9六歩までで詰む。

大野七段は第4図の△1一同銀をやはり悔やんだ。ここは△1四歩と様子を聞くのがよく、以下いろいろやったが、下手が容易ではなかった。
しかし、コトはこれで終わらなかった。帰宅してから考えたのだが、参考図で△9五玉とされたら、上手玉は詰まないのではないか? 以下▲9六歩△8三玉▲8五銀は△8三玉である。よって▲9六歩では▲9一竜くらいだが、すると△6八金で下手玉が詰んでしまう。
といって参考図の▲8三金で▲8五銀でも、△7五玉で詰まない。私は呆然としてしまった。
指導対局の勝敗など上手はどうでもいいが、下手の立場は複雑である。私はお情けをかけてもらった気がして、気分がどんよりするのだった。
話を戻して、6局目である。奨励会受験を目指す、いつもの少年とだ。これは総譜を記そう。

初手からの指し手。▲1六歩△1四歩▲7六歩△8四歩▲2六歩△3四歩▲2五歩△3二金▲9六歩△9四歩▲7八金△8五歩▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛(第1図)

少年相手に一度指してみたいのは△4五角戦法である。昭和50年代に谷川浩司五段が連採してブームになったもので、少年の対応を見てみたい。
それで「後手番」になるべく初手▲1六歩と指したのだが、少年は△1四歩。8手目△3二金のときにも▲9六歩と後手番を所望したのだが、やはり少年は△9四歩。どうも面白くない。

第1図以下の指し手。▲3四飛△3三角▲5八玉△8二飛▲7七桂△2二銀▲3六歩△2三銀▲3五飛△4二玉▲3七桂△6二銀(第2図)

第1図まで来たら、少年にどんな対策があるにせよ、▲3四飛と取るしかあるまい。そういえば端歩突きがない同じ局面で、先手だった少年は▲3四飛と横歩を取らなかった気がする。
私は▲5八玉と上がり、▲7七桂。後手番にはなれなかったがこの端歩突きは先手に得が多いはずで、すんなり桂を跳ねられたのは大きい。いまのところ△8六歩は恐くないし、この後▲3七桂~▲4五桂や▲9七角で、5三の地点に殺到することができる。これは早くも作戦勝ちになったと思った。

(つづく)
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5月2日の大野教室(前編)

2021-06-10 00:06:05 | 新・大野教室
今年のゴールデンウィークは昨年同様あってなきが如しだったので、5月2日(日)は珍しく、大野教室に行った。
午後1時20分ごろ入室すると、そこそこの入りである。むろん全員がマスクを着用し、神妙に指していた。
するとW氏が「おお、いいところに来てくれた」と、早速対局を付けてくれた。相手はいつものお嬢ちゃんである。私の四枚落ちで対局開始。
私もむかしの私ではないので、この手合いだとどうやって負けるかが課題となる。
お嬢ちゃんはいつもの銀多伝で、私は△3二金~△2二銀と受ける。これが対Tod氏戦だと、△2二銀を保留して△4二に上がることばかりを考えている。
中盤、お嬢ちゃんが▲7七金と我が金にぶつけてきたのが好手。こうした強い手を指せれば強くなる。
お嬢ちゃんは竜を作り、▲9三銀と待ち駒をしたりしてなおも好調。
ところが私がのらりくらりと指していたら、入玉してしまった。こうなるとナンだが、上手玉は相当捕まえづらい。それでも私がうまいことやり?上手玉を寄り形に持ってゆく。

第1図でお嬢ちゃんは▲8九香と指したが、ここは再考を促す。しばらくしてお嬢ちゃんは、先が読めないまま▲7九竜と指した。「こりゃあ成銀を入るしかないね」と私は△8九成銀。これを強引に▲同竜と取らせて、△同玉(第2図)でさあここだ。

ここでもお嬢ちゃんは訳が分からないまま▲7八銀と打ったが、大丈夫これで詰んでいる。以下△同玉▲7九金△6七玉に、お嬢ちゃんは力強く▲5七金!!(投了図) うまく負かされてしまった。
お嬢ちゃんが女流棋士を目指してくれることを祈る。

2局目は初顔の少年とで、私の飛香落ちとなった。この手合いなら上手が勝ってもいいだろう。
少年の▲1八飛に対し、私は早めに△2四歩を突いていたので、△2三銀(図)。ここの交換を拒否されると下手も戦いづらい。

少年は▲2八飛と、今度はこちらの歩を交換にきたが、未知の局面になればこっちのものである。以下はごちゃごちゃやって、下手を誤魔化した。
ま、これはこれでいいでしょう。
3局目はいつもの少年とで、またも私の飛車落ちである。彼との将棋が厄介で、いつも私が中盤で指せる展開になるのに、終盤でひっくり返されてしまう。これは私が弱いのか彼が強いのか、よく分からない。ただ、まだ飛車落ちでも誤魔化せそうな気はするのだ。

本局も図まで進んで、これは上手必勝に近い。ここから▲6一角△3三金▲5二桂成△3二玉▲4五桂と進行した。▲6一角は次に▲3八飛△同馬▲5二銀の狙いだが、上手は必要以上に恐れることはない。だが△3三金は変で、▲4五桂までと進んでは下手ペースだ。
以下も私の変調と少年の追い込みで、またも私が負けてしまった。戻って私の△3三金では、△5三金と、こちらの金を守りにつけるべきだった。これなら私の優勢が続いていたと思う。まったく、何をやってるんだか。
隣の将棋を見ると、こちら側が必勝型である。だが数手進むと、こちら側が逆転負けを喫していた。これだから将棋は恐ろしい。

4局目は女子中学生と。以前も記したと思うが、彼女は将来の女流棋士を目指している。それゆえ私死に物狂いで指さねばならない。
将棋は少女の四間飛車。私はスキを見せないよう手厚く指す。途中で金得の分かれになり、この将棋は負けられないと思った。

図以下も手堅く指して、私の勝ち。少女が本気で女流棋士を目指すなら、数年後には私の棋力は抜かれている。その数年後の自分はいまよりさらに老いているはずで、それを想像するのが恐い。
5局目は大野八一雄七段に角落ちで教えていただく。

初手からの指し手。△5四歩▲7六歩△6二銀▲4八銀△5三銀▲5六歩△4二玉▲2六歩△3二玉▲2五歩△8四歩▲6八銀△6四歩▲6六歩△5二金右▲7八金△6二飛▲6七銀(第1図)

序盤はいつもの出だし。私が飛車先の歩交換を急がないのも最近の傾向だ。△6二飛には▲6七銀と上がり、本局は雁木形で指すことにした。

第1図以下の指し手。△6五歩▲同歩△同飛▲6六角△8五歩▲7七桂△6二飛▲2四歩△同歩▲2五歩△6五歩▲5七角△2五歩▲同飛△6四銀(第2図)

△6五同飛に▲6六角。いままで何度かこの手を指していて、うまくいった記憶がないのだが、同じ局面を目にすると、つい指したくなってしまう。
この狙いは、△8五歩と突かせることによってのちにこの歩を目標にしていくというもの。
だが▲2五歩の継ぎ歩に、△同歩は▲同飛で面白いが、先に△6五歩と先着され、不損だけが残ってしまった。
本譜▲2五同飛にも△2三歩と受けず、涼しい顔で△6四銀と進出され、参った。

第2図以下の指し手。▲7五歩△3四歩▲7六銀△3三桂▲2八飛△5五歩▲同歩△4五桂▲4六角△5六歩▲5八金△5七歩成▲同銀△同桂成▲同角△5五銀(第3図)

第2図で▲2四歩は一瞬気持ちがいいが、△2二歩と受けられて効果が薄い。それよりも飛車を直通させているほうがまだマシだと思った。
上手に△7四歩と指されると上手の理想形になってしまう。それを阻止するべく▲7五歩はせめてもの抵抗である。
だが大野七段に△5五歩から△4五桂と跳ねられ、△5六歩と教科書通りの攻めを喰らっては、クサッタ。
△5五銀と進出して、上手好調である。

(つづく)
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4月17日の大野教室(後編)

2021-04-29 00:07:23 | 新・大野教室

第7図以下の指し手。△9五歩▲6五桂△9六歩▲同歩△9八歩▲5三歩成△同金右▲同桂成△同金▲6三歩成△同金▲同銀成△7七歩(第8図)

第7図で△7一飛と寄られるのがイヤだった。私は▲6五銀か▲7五歩しかないが、6五には桂を打ちたいし、7五には将来角が出たいのだ。
大野八一雄七段はじっと△9五歩。これもいやな歩で、大野七段に端攻めで何度潰されたか分からない。しかし私は待望の▲6五桂を打ち、我が道をいく。
大野七段も、ここで△6一桂は打てまい。△9六歩は狙いの継続手だが、私は▲5三歩成が実現して好調。この将棋は負けられないと思った。
大野七段はすべてを清算し、△7七歩。

第8図以下の指し手。▲8八金△9九歩成▲7五角△6五桂▲4四歩(途中2図)
△同歩▲4三歩(第9図)

第8図で▲7七同金は△6五桂で攻守所を変えてしまう。▲8八金の我慢は当然である。

しかし▲7五角△6五桂の局面で、どこが急所だか分からない。とりあえず▲4四歩と指した。△同歩に▲4三歩と垂らすが、明快な狙いはなかった。

第9図以下の指し手。△8九と▲同金△5六歩▲4二歩成△同銀▲4四銀△5七歩成(第10図)

△8九と▲同金に△8七飛成は、▲8八飛のぶっつけで下手勝ち。よって大野七段は△5六歩と垂らす。
ここで▲同金や▲5八歩はないところである。棋理からいえば、ここで攻め合って勝ちがなければおかしい。たとえば▲4二歩成△同銀▲4四銀となったとして、そこで△4三歩なら▲4二角成と殺到し、これは下手が勝つ。問題は△5七歩成とされたときで、▲4二角成以下上手玉に詰みがあるかどうかだ。
一例は△4二同玉▲4三銀打△3一玉▲3二金(参考B図)だが、王手が続くものの詰まない。

結局、私は▲4二歩成から▲4四銀と出る。大野七段は△5七歩成。さあ、私は上手玉を詰まさなければならない。

第10図以下の指し手。▲4二角成△同玉▲5三成銀△3一玉▲4二銀△2二玉▲3三金△1三玉▲2三金△同玉▲3二銀(投了図)
まで、116手で一公の勝ち。

▲4二角成△同玉に▲5三成銀の活用が好手。以下はほぼ並べ詰めだが、最後は▲3二銀以外詰まない。投了以下は△3二同玉▲3三金△同桂▲同銀上成△2一玉▲2四飛△1二玉▲2二飛成で詰みである。
「完敗です」
と大野七段。「大沢さんの得意な形にしちゃったね」
「(第3図の)▲5五歩が通って、▲5六銀と立ててホッとしました」
今日はポカが多かった私にしては出来すぎで、どうも、私を呼び戻した大野七段が緩めてくれたとしか思えない。たとえそうでも、指導対局で勝てればすべてよしだ。今日は5,000円を払った甲斐があった。
6局目は、さっき対局する予定だった初見の男性と。振駒で私が先手になり、▲7六歩に△3二飛。こうなれば私はあえて石田流を指させ、▲5六銀左の形で抑え込むしかない。
本譜はその後、▲6五歩・▲6六角の形から、△6四歩▲同歩△同銀▲6五歩となったが、そこで△5五歩が好手だった。以下▲同銀△同銀▲同角に△5四銀と打たれ、▲8八角△6五銀で、6五の位を解消されてしまった。
その後は男性氏の攻め、私の受けとなり、途中は攻めつぶされそうな局面があったのだが、私はギリギリで堪える。
しかし男性氏が△6六桂と歩頭に捨てたのがもったいなく、私は喜んで▲同歩と取り、有利になった。△6六桂では1路控えて△6五桂と銀取りに打たれたら、まだ男性氏の優位が持続されていたと思う。
最後は男性氏の攻めが切れ、私が制勝した。
今回は私が苦戦したが、相手の棋風が分かったから、次はだいぶ違う。もう少しマシな指し方ができると思う。
時刻はもう6時を過ぎ、加藤圭女流二段も帰ってしまった。いまはShin氏と小学生低学年君が対局中だ。彼は近い将来奨励会入りを狙っている。彼は24時間将棋のことを考えているはずで、さっきも大野七段の前でプロの棋譜を並べ、教えを乞うていた。このくらいの熱意がないと、奨励会には入れないのだ。
局面はShin氏の四間飛車に少年の仕掛けがうまく決まり、少年が有利に見えた。
W氏が暇な私を見かねて、指してくれることになった。W氏は将棋の現役を引退しているので、これは珍しい。
将棋はW氏の先手で、▲7六歩△3四歩▲6八飛となった。「Tagaさんみたいだね」とW氏。ホントにそうだ。
以下W氏も角を換え、私は飛車先の歩を切る。しかしW氏に▲8九飛と回られ、私は△8五歩と謝った。これだから飛車先の歩を交換してはいけないのだ。
さらにW氏は「▲8五(桂)ポン」。以下、私は角を渡す代わりに桂香を取って竜を作ったが、形勢は互角だと思った。

将棋はその後一進一退の攻防になったが、部分1図から△5七成銀とやったのがミス。本譜は▲同金△6八角▲?△7九角成となったが、▲?では▲4九飛と回り△4四銀取りに当てておけば、W氏が優勢だった。
最後は私の勝ち。局後は大野七段が検討に付き合ってくれた。
序盤、私が飛車先の歩を切ったのに、それを△8五歩と打ち直したのはやはり疑問。ここに歩を打たずにほかの手を見出すのが本手だという。それは私もそう思った。

また、中盤(部分2図)で私が△4六桂と両取りを掛けたのがミス。ここでは△5五歩と銀取りに突き出すところで、▲4七銀引に△4六歩▲同銀△4五歩で私が優勢だったという。
形で△5五歩は考えていたのに、歩で銀を取れる順が見えていなかった。
ほかにもいくつか変化を並べていただき、とても勉強になった。
これで今日の将棋は終了。一応5勝2敗だったが、大野七段戦以外はすべて負けていてもおかしくなかった。こういうところで運を使うからよくないのだろう。

食事は、近所の定食屋に行った。参加者は大野七段、W氏、Shin氏、私の4名である。
店内は、広く使わせてくれた。そしてテーブルには、ビニールで敷居がしてあった。国か県から、是正措置が出たのだろうか。
私は焼肉定食を頼み、美味しく食べた。
食後は将棋界の話から政治の話まで、マスクをしながらのおしゃべりに花が咲いた。とにかく、私が他人と話をするのは、大野教室くらいしかないのである。
しかし私は政治に疎いので、W氏の高説に、知ったかぶりをして頷いていた。
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4月17日の大野教室(中編)

2021-04-28 00:07:11 | 新・大野教室
大野八一雄七段は戻ってきていた。大野七段からの電話にご母堂が出なかったのは、いたずら電話と思ったかららしい。さすがに棋士の肉親である。それだけ警戒心があれば、少なくとも詐欺に引っ掛かることはない。
加藤圭女流二段はTok氏に指導しているが、下手が必勝形である。だがTok氏は逃がしてしまった。勝ち将棋を勝ち切ることは難しい。
私の4局目はOk氏と。Ok氏は最近ある戦法にはまっていて、自陣は▲5八玉▲4八銀▲6八銀▲3九金▲7九金とし、飛車角を9筋に集中させ端攻めする構想だ。いわゆるお神酒指しである。
ただ銀桂が伴わない攻めなので、ハメ手戦法の域を出ない。これをOk氏がいつまでも愛用しているのが理解できない。
私の後手で始まり、Ok氏は案の定例の戦法だ。しかしすぐに咎める手もなく、私が無策に指していたら、Ok氏に大チャンスが訪れていた。

第1図からOk氏は▲4四角としたが、逸機。△同歩▲同飛に△4三歩で、攻めが止まってしまった。戻って▲4四角では飛車で行き、△同歩▲同角(参考図)なら、▲1一角成と▲8二歩成△同飛▲7一角成を見て、優勢だった。

意外に手ごわいOk流だが、この戦法はほかのそれと違って進展性がない。次もこの戦法で来てくれるなら、楽勝である。悪いことは言わない。Ok氏は早くこの戦法から脱却したほうがよい。
5局目は新規?の男性氏と指すことになったが、直前になって、大野七段に教えていただくことになった。土曜の昼に教えていただくのは久し振りである。

初手からの指し手(角落ち)。△6二銀▲7六歩△5四歩▲5六歩△5三銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲4八銀△4二金▲3六歩△8四歩▲6八銀△6四歩▲6六歩△5二金右▲7八金△8五歩▲7七銀(第1図)

大野七段はいつもの出だしだが、私はどう指していいものか、作戦を迷っていた。3月26日の金曜教室では雁木にして負けたので、今回は矢倉を目指した。これもかなり久し振りである。

第1図以下の指し手。△6三金▲6九玉△7四金▲5八金△6五歩▲同歩△同金▲5七銀△5五歩▲同歩△同金(第2図)

大野七段が△6三金~△7四金と繰り出して△6五歩と歩交換にくるのも常套手段。ここで私の左にShin氏が入った。その向こうは小学校低学年の少年が対峙している。
大野七段は△5五歩からまたも歩交換。私は不愉快だが、これは上手の権利と割り切るしかない。

第2図以下の指し手。▲5六歩△5四金▲6七金右△2二銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛△3四歩▲5五歩(第3図)

第2図からは▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲同飛が見える。しかし以下△5四金▲2四歩△2二歩は、2筋を凹ましても1歩損が痛い。それで▲5六歩と収めた。
ここらあたりで加藤女流二段が、大野七段に指導対局を受けに入った。講師から生徒にスイッチである。ところが、彼女のお気に入りの席は私が占めていたようだ。加藤女流二段は私と反対側の座布団に座った。
私は▲2四歩から1歩を交換する。私も学習して、歩交換はしたいときにするようになった。
△2三歩には▲2八飛の予定で、指す前に棋譜用紙に書いていたのだが、思い直して▲2五飛と途中下車した。またもプチ一公流である。
△3四歩には思い切って▲5五歩と突いた。この成否は。

第3図以下の指し手。△6四金▲5六銀(第4図)

第3図では△3三桂▲2八飛△5五金がある。しかしそこで▲3五歩があり、指せると思った。だがいま考えてみると以下△3五同歩▲3四歩△4五桂▲4六銀△同金▲同歩△3七銀▲同桂△同桂成(参考A図)は、下手が駒得とはいえ容易ではない。

手順中▲3四歩で▲5六歩も、△5四金▲3四歩△4五桂▲4八銀△3六歩で、桂を取り切れない。
実戦で大野七段が△6四金とよろけたとき、ホッとした気持ちが強かったが、それは当たっていたのだ。ともあれ▲5五歩のツッパリが通り、私は▲5六銀と立って、やや模様がよくなったと思った。

第4図以下の指し手。△4四銀▲6六銀△8六歩▲同歩△同飛▲6五歩△6三金▲8七歩△8二飛▲4六歩△7四歩▲4五歩△3三銀引(第5図)

△4四銀にはこちらも▲6六銀と出動する。
△8六歩▲同歩△同飛に▲8七歩は、△8五飛と頑張られると思った。そこで煩雑を避け、▲6五歩△6三金を決めてから▲8七歩と謝る。
そして▲4六歩~▲4五歩。これに△5三銀は▲5四歩の突きだしが利くので、大野七段は△3三に銀を引いた。しかしこれは上手の本意ではなかったと思う。

第5図以下の指し手。▲7九角△2四歩▲2八飛△2三銀▲4六角△7三桂▲5四歩(途中1図)
△8四飛▲6四歩△6二金▲5五銀左△5二金左(第6図)

現状、働いていないのは▲8八角である。よって▲9六歩~▲9七角から▲6四歩を考えたが、それは△6二金で大したことがないし、角頭も気になる。
そこで▲7九角と引き▲4六角を目指した。ここの角は好点である。
△7三桂に▲5四歩も気持ちよい突き出しで、△同金はもちろん▲7三角成である。

△8四飛のところで、小学生の将棋が終わったようで、感想戦が始まった。
私は冷静に局面を見て、ここはどう考えても下手がうまく指していると思った。
私は▲6四歩も利かし、▲5五銀左。大野七段は△5二金左と寄せたが、やっぱり私がよく指していると思った。

第6図以下の指し手。▲7七桂△1四歩▲6五桂△同桂▲同銀△9四歩▲5七角△8一飛▲7四銀(第7図)

Shin氏がこちらの将棋を見て、「どちらも似た将棋になってますね」と笑う。見ると、Shin
氏も矢倉から二枚銀を繰り出し、手厚い形になっていた。
第6図で▲3七桂と跳ね、▲2五歩△同歩▲同桂とする手もあるが、△2四銀右ではっきりしない。そこで▲7七桂と跳ね、この駒を駒台に乗せることにした。
そうして桂交換となったが、こうなるなら先の▲5五銀左は余計だったかもしれない。
△8一飛に▲7四銀と歩得したが、あまり感触はよくなかった。

(つづく)
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