日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

玄侑宗久著「光の山」

2016-03-12 | 読書
玄侑宗久著「光の山」新潮文庫平成28年3月刊
短編7編が納められている。



玄侑さんは「龍の棲む家」に続く册目
福島に暮らす作家の祈りと鎮魂/帯の文字につられて読んだ。

作家にして僧侶(僧侶にして作家?)福島県三春町福聚寺副住職
原発事故ではいろいろ発言をされていた。

東日本大震災に続く福島第二原発の爆発から続く
福島の各地の諸々の事柄を紡ぐ

愚直に汚染物質を受け入れてきた親父
畑だった場所は次第に山となり、
30年後には輝きを増し、光を放ち「光の山」となる。
その間に東京大震災が起こり、富士山が爆発する、
この恐ろしい事が、たった一行で書かれている、
この事の方が数倍恐ろしいのだが、、

光の山はあがめられて信仰の山となってしまうのだが。

「東天紅」鳥の名前の一遍
原発が爆発しても避難しようとしない夫婦
夫は彫刻家、妻は脊髄損傷でベットから起き上がれない。
ベット生活の妻と避難する道は最初から考えになく
食料調達に遠方まで出掛けながらもどうにか間に合っていた。
鳥小屋の破れから東天紅が迷い込み
封印していた彫刻家の姿に戻った夫・・・
幸せな(たぶん)最後を迎える。

原発や孤独死を超越した心根がよく分かる(気がする)一遍
など、どの作品も僧侶だからこそ、地元だからこそ書けた作品(だろう)


人様のお役に立たないこのブログだが
2011.3.11日以降のゴタゴタが書かれていた。
災害用のグッズを買ったり、救援物資を送ったり
以前とは少し違った動きがあった。

いまだに収束が見えない原発
その中でも再稼働しようとしている各地の原発
なんだかなあ~~
コメント
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