日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

堂場瞬一著「遮断」

2011-11-15 | 読書
先週読んだ出たてのホヤホヤな文庫本(10月25日発行)
中央公論社「遮断」堂場瞬一著



文庫本愛好家の私には文庫を書下ろしで読めるのはうれしい限りだ。

中年刑事の高城賢吾は娘が行方知れずになって9年
ショックから立ち直り始めて本気で探す気になっていた。

警視庁の窓際の失踪課はテンデンバラバラな人の溜り場
室長は上昇志向だけが際立っていたのが、
前作でダメージを受けてやる気をなくすし、
子育て中の体育会系の大男は早帰りしたいし、
高級官僚の父と優良大企業出の母親を持つ女刑事は刑事の自覚ゼロ
役に立ちそうも無い刑事ばかりか
どう使ったらいいのか皆目分からない究極のダメ刑事が新たな部下になる。
小柄ながら聡明、切れ者の女刑事と協力して失踪者を探してきた。

「遮断」では刑事自覚ゼロの六条舞の父親が行方不明になる。
仲間が密かに駆けつけた所で
「誘拐」の脅迫が届く・・

刑事とは一旦事件が起こると解決する迄不規則勤務の連日連夜
私生活や規則正しい食生活とは無縁の職業
主人公の高城賢吾は頭痛持ちで、
始終頭痛薬を飲んでしのぐ、驚きの人物。

誘拐された筈の六条の父親がふらりと帰り
本人に誘拐の自覚なし。

そんなこんなで、ストーリーとしては
前作より完成度が低い気がする。
最後は家族愛で終えんするが、いいのかなあ(感動したけれど)

テレビドラマなどでは刑事の周辺で事件が起きるが
実際はそんな事って少ないのだと思う。

事件は無事解決し、
ダメ刑事達はそれぞれに持ち味を生かして、結束が深まり
落ち込んでいた室長は元に戻り、それはそれで危ない存在化しそう。
切れ者の女刑事とラブが進行しそうなのを危うい所で食い止め
使い物になりそうだった六条はあっけなく退職してしまう。

そう言えば、お金持ちのお嬢さんの六条舞は深田恭子を連想させる。
歌手でない時の深キョンは美人故の無個性顔
ツイツイ、この人誰だっけ?と思ってしまう。
刑事物のテレビドラマに出ていたかもしれない。
コメント
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