初めて読む作家の1冊(文春文庫)
お寺の住職にして2001年の芥川賞の作家
テレビでも見かけるが太い眉に決して笑いそうもない(?)御仁
帯に「龍になった父は、どこにかえるのか。」
―飛翔する記憶と、無限の自由―
喫茶店を営んでいた男性、
恋人と別れ、認知症になった父と同居をするために実家に戻る。
元市役所の課長だった父
同じ敷地に住む長男は明るく面倒見のいい妻を亡くしている。
ひょんな事から父の面倒を一緒に見てくれる女性が現れる。
散歩の途中や家に居る時に不意に現れる「課長」
たちまち主人公は部下になり、元介護のプロの女性も部下にすえ
過去の時間にさかのぼり、市長に憤慨し、無くなった市民の葬儀の心配をする。
力まず、怒らず、観察しつつ時空を行き来する父に寄り添う。
湯船に便が浮かび、顔は見慣れない武将の能面になる。
心の不安や負い目が言葉の端々に現れ、対処法を学ぶ。
恵まれた環境の父親に寄り添う無職の息子
毎日がドラマティックで、先々もドラマを予感させる結末だが
介護保険に多少とも関わり、母親の介護の一端を担った者としても
「そうそう・ふむふむ」納得しながら読み進められる。
作者は何らかの形で親の介護に関わったみたいだ。
先の希望が見えない介護、今のこの人はどこを飛翔しているだろう・・
なんて思いながら付き合うと、
先の見えない介護にも想像力が膨らんで、少しはゆとりが生まれるかもしれない。
そんな事が思われる読後感でした。
お寺の住職にして2001年の芥川賞の作家
テレビでも見かけるが太い眉に決して笑いそうもない(?)御仁
帯に「龍になった父は、どこにかえるのか。」
―飛翔する記憶と、無限の自由―
喫茶店を営んでいた男性、
恋人と別れ、認知症になった父と同居をするために実家に戻る。
元市役所の課長だった父
同じ敷地に住む長男は明るく面倒見のいい妻を亡くしている。
ひょんな事から父の面倒を一緒に見てくれる女性が現れる。
散歩の途中や家に居る時に不意に現れる「課長」
たちまち主人公は部下になり、元介護のプロの女性も部下にすえ
過去の時間にさかのぼり、市長に憤慨し、無くなった市民の葬儀の心配をする。
力まず、怒らず、観察しつつ時空を行き来する父に寄り添う。
湯船に便が浮かび、顔は見慣れない武将の能面になる。
心の不安や負い目が言葉の端々に現れ、対処法を学ぶ。
恵まれた環境の父親に寄り添う無職の息子
毎日がドラマティックで、先々もドラマを予感させる結末だが
介護保険に多少とも関わり、母親の介護の一端を担った者としても
「そうそう・ふむふむ」納得しながら読み進められる。
作者は何らかの形で親の介護に関わったみたいだ。
先の希望が見えない介護、今のこの人はどこを飛翔しているだろう・・
なんて思いながら付き合うと、
先の見えない介護にも想像力が膨らんで、少しはゆとりが生まれるかもしれない。
そんな事が思われる読後感でした。