日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

リフォーム詐欺事例

2007-10-06 | 仕事・建物
先週、古い友人から電話が入った。
「リフォームの業者が耐震工事をした
 そのせいで、家中にがたが来て雨漏りまでおきた
 心配だから見て!」

思い返すと随分以前に結露の事で相談を受けた事があったっけ。
地図を頼りに進むと、以前訪問した事も思い出した。
友人は設計依頼をするつもりだったが、
「違法建築はしない」の一言で知り合いに設計をさせた、とか。
築10年くらいというが20年は経ていて「早いのもね」感嘆された。

家の経歴を聞くと
要望のままに設計されたので壁が少なかった
前の家に来た大工さんが「ベランダがオカシイ」と指摘
その大工さんの言うままベランダの補強をし
言うまま室内の壁を増やし、言いなりに縁側を増築した。

数年前に近所に鼠被害が発生し、近所と同じ業者が駆除をし
その際地震に弱い家といわれて、耐震工事をした。
屋根裏に重りを載せて「地震に強くします」と言われたとか・・
最近のテレビで耐震は「屋根を軽くする」見て俄に心配になったようだ。
屋根を重くするのは「耐風性」・・こりゃ詐欺か?

早速屋根裏を覗くと
そこはリフォーム詐欺のテレビ画面そのまま、
L金物にボルトの山が暗やみで光る。



思わず笑ってしまった(失礼)
金物位置に決めごとは見られず、むやみやたらに付けたようだ。
小屋裏の束や金物の相手方の母屋は耐震で重要な役割はしない。
柱と梁・土台を繋ぐならいざ知らず、こんな方法はド素人に間違いない。
期待した「重り」の姿はみられなかった。

床下を覗くと、付けやすいところに素人目に受けそうな金物
注脚を全く意識しない能天気な場所に光る。
効果ありは床下換気扇くらい。

「いくら払ったの?」
「数回に分けたから分からない」知りたくないようだ。

耐震壁を増やした大工さんだってまゆつば物だ
壁をやたらに増やせばいいものではないし
壁だけより土台+柱+梁の緊密な関係を無視してはならないが
そこまでの工事跡は見られない。



「どうしょう?、取ったほうがいいかしら?」
幸い「立ち一発」で調べたが建物の歪みは気にするほど無い
「役にも害にもならないから、ほっておきましょう」
「雨漏りは、大風と大雨の突発事態、この先たびたび起こりはしない」

そこで持論のうんちく
「詐欺に遭わないための原則=
 声をかけてきた人の話に乗らない、必要ならこちらから声をかける。」
(困りごとは、信用の置ける人に相談するか、自分で調べた相手に依頼する)

それにしても工事現場では「口先・指先」で仕事をするのが設計者
この日は重い脚立を運び、天井裏をのぞき、床に這いつくばって床下を見た。
その揚げ句、通風を阻害していた床下収納庫を撤去、滅多に無い肉体労働だった。

せめて、今後は間違いの無い家のメンテナンスをしてもらいたいものだ。
コメント
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