若き自衛隊の入隊誓約を考える・「憲法解釈の変更ではない・再整理とは何事か」

2014-07-03 16:14:25 | 日記

   若き自衛隊の入隊誓約を考える。                   

       「憲法解釈の変更ではない・再整理とは何事か」

6月中旬以降の国会は、集団的自衛権の「憲法解釈の変更」をめぐり白熱した論議が展開されていた。とはいっても、それは与党である自・公間の綱引きであって、野党はもちろん、国民は蚊帳の外であった。それでも、国民は公明党の党是である「平和の党」に期待をもっていた時期でもあった。加えて地方の議会は、この憲法解釈の変更を強行する自民党に対し、抗議の意見書を提出しはじめた時期とも重なる。

私が住む福島県の南相馬市議会は、6月19日「行使容認しない意見書」を自民、公明も含めた全議員によって可決決定をした。そのことを「集団的自衛権南相馬市議会、行使容認しない意見書可決」というタイトルで6月20日のブログに書いている。

読まれた方もいるだろうが、地震、津波、原発事故というトリプル災害の中で、救援活動に勤しむ、若い自衛隊員の姿を目の当たりにした、被災地の議会(市民)であるからこそ綴る意見書の中身となっていた。その意味では、他の自治体にはない特別な視点であり、今後の「自衛隊のあり方」にまで触れるものであった。

「あの若者を、海外に送り出し、武器を持たせてはならない。殺してはならない」と。自民党系の議員は「市民の目線に根差したものである」と取材にきた記者に語っている。

卒業する教え子に語りかけ続ける教師の言葉がある。「どうしても自衛隊に行くのか」と。その学生は「自衛隊員になって、災害復旧の仕事をしたい。場合によっては、救援隊員として海外に行っても良い」と。教師はそのあとは何も言えなかったという。

当然にして、入隊が実現すれば「入隊誓約書」にサインをする。「私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を尊守し…身をもって職務の遂行に努め…。」と日本国憲法への忠誠を誓う。その憲法が定める自衛隊の使命、任務は何か。そこには、敗戦という犠牲の上に立った崇高なまでの平和の理念がかかげられ、戦争放棄をうたった第9条が厳然と存在している。

歴代の政権にあって「憲法第9条」の解釈は、「集団的自衛権の行使は許されない」として受け継がれてきた。入隊をした若者が「憲法への忠誠を誓う」ということは、それも含めた誓約である。

今回政府は「集団的自衛権想定問答集」なるものを作成している。そこには、Q・憲法解釈を変更したのか。A・解釈の再整理という意味では一部変更。こう書かれている。

自衛隊員が海外で、武力を行使できるということは戦死者が出るということである。戦死者が出るということは、その家族は肉親を失うということである。そのことは相手にも言える。殺された側は、殺した側を憎む。そこには正も悪もない。そして相手を憎み、相手の国を攻めるとなる。戦争の論理である。これこそ想定問答であろう。

それを、憲法解釈の変更ではない。「解釈の再整理」であるとは何事か。無責任そのものである。

何のことはない。そのような政治家は次のようなことを言い出すだろう。「国民は戦争を望まない。しかし決めるのは指導者で、国民を引きずり込むのは実に簡単だ。外国に攻撃されつつあると言えばよい。それでも戦争に反対する者を、愛国心がないと批判すればいい」。(元ナチス高官曰く)

ナチスに学べば良いと言った政治家がいたが。

 


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