軍事技術発掘へ、「防衛省が基金設立を」・これって何を意味するの

2014-08-20 12:43:41 | 日記

   軍事技術発掘へ、「防衛省が基金設立を」・これって何を意味するの

        ロボット技術・軍事転用懸念。懸賞2億円

 

  「軍・産・学共同」という言葉はしばしば登場する。軍の装備の開発を、産業会、研究機関(大学)、そして軍(防衛省)が共同して進めようというものである。

  戦争は、その前線を支えるために「銃後の生産拡大」が必要であり、それなくしては戦いを維持できない。かつて日露戦争において、武器の近代化に大きく遅れをとっていたことを知った政府は「内閣軍需局」(1918年4月)を設置した。また、第一次世界大戦では、航空機、戦車、科学兵器といった新兵器の登場の中では、従来の研究開発体制では対応ができないと判断した軍部は、陸・海・空それぞれに、技術研究廠を設け動員体制を整える。そこに軍が指定する「特定メーカー」が大きな役割を果たすことになる。いわゆる「軍需産業集団」と「死の商人」の誕生である。

  さらには、急拡大していく試験研究機関として、特定の大学、科学者、研究所を抱え込む動員体制が必要となった。そして1941年5月27日に「科学技術新体制確立要綱」が閣議決定されている。ここに、当時の四字熟語を代表するものとして「科学技術」という言葉が生まれる。

  そして、この時期「ゼロ式戦闘機第一号」が飛び立った。戦艦大和の構想が完成し建造に走り出している。

  戦後、これらの反省から「軍(官)・産・学共同」という言葉さえも鳴りを潜めていたが、それを突き破ったのが、「夢、平和」をスローガンとする宇宙開発であり、宇宙ケットをはじめとした研究開発の促進であった。そして、巨額な国の予算が投じられていく事になる。このことは見過ごすことはできない。

  そして今や、防衛省が最新の軍事開発を発掘するためと称して、基金制度を創設する方針を固めたという。8月17日(毎日新聞)

  さらに、防衛省は、戦闘機などの国際共同開発に参加する新たな防衛産業の維持・育成戦略を決定した。そして、その具体的な一つとして、日本企業が共同生産に参加しているF35戦闘機に関し、その部品などを導入国に供給するなど「後方支援面での貢献を拡大する」ことを明確にしている。安倍政権は、武器輸出三原則を転換し、「防衛装備移転三原則」と政策の変更を強行したが、明らかに「武器及び関連技術」の輸出であることは間違いない。加えて大学や研究機関との連携強化を進めると言っている。

  米国防総省は来年6月にロボットコンテストを開催する。日本の経産省は国内の大学に参加を呼び掛けている。米国防総省は「ロボット技術の災害現場応用」と述べているが、軍事転用の可能性の示唆も明確にしている。

  日本においても、原発収束作業にあたっては、ロボットの開発は欠かせない。その技術開発には熱が入っているし、関心も強い。

  しかし、「科学技術の軍事用・民生用」についての論議は、長く続けられているが結論の出る問題ではない。「もろ刃の剣」の性格を持っている。包丁をまな板の上で使えば調理の道具になる。しかし、その刃を人にむければ殺人の武器となる。要は「誰が、何を目的として、どのような時に、その剣を持つかである」

  いみじくも、記事の中に「二足ロボット」の写真が載っていた。すでに開発の途上にあるとされている「二足の殺人ロボット」を仮想する。高線量の現場では極めて有力な働きをしてくれるだろう。しかし、「自動ライフル銃」をもって敵にむかうという場面にあっても有力な力を発揮する。

  優勝懸賞金は2億円という。

  さて、これらの報道を、そして企画をどうとらえるか。確かな知恵が必要な具体例として受け止めたい。最高学府の良識はどうだろう。


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