シェール革命により「発電コストが高い」となった原発

2015-02-17 16:51:48 | 日記

 シェール革命により「発電コストが高い」となった原発

 

  毎日新聞2月14日のトップの見出しが「原発廃炉・米国で相次ぐ 安いシェールの火力拡大」とある。そして次のような解説をしている。

  「世界で最も多く原発を保有する米国で、原発の廃炉が続いている。電力自由化に伴う価格競争が激しくなる中、シェール革命で火力発電のコストが安くなり、原発の優位性が低下。風力発電にも押されているためだ。電力規制が残って比較的安定した料金収入を得られる地域では新設の動きもあるが、米国の電力需要の約2割をまかなう原発の存在感は低下するとの見方が根強い」。

  さて、そこでこのシェールガスであるが、ここで触れてみたい。

  2012年10月25日(木)、NHKのクローズアップ現代で報じられていたが、最近再放送された。舞台はアメリカ中西部ノースダコタ州である。そこが、世界も注目するシェールガスやオイルの一大産地である。この1年で150を超える企業がシェールを求めて開発に乗り出してきている。かつての西部劇にも出てくる「ゴールドラッシュの現代版」とも言えよう。

  画面に登場している現場責任者 ジェリー・マイヤーさんは述べている。「あそこを掘るのが良さそうだな」と目星をつける。そこでこれまで90本の井戸を掘り、そのほとんどから石油が出た。しかも、比重が軽くてすごく質の良い石油である。ここ数ケ月だけで掘削に3,000万ドルはつぎ込んでいるが、必ず元を取る自信があると胸を張る。とにかく掘れば掘るほどもうかる」と。

  シェールブームに沸くこの町は、失業率が全米最低の1%未満。恒常的な人手不足から町の至る所に求人広告が掲げられている。ここに来れば人生が変えられる。今、全米から職を求める人々が殺到しているという。

  堀削作業員は述べる。「僕の年収は15万ドル以上になる。最高だよ」と。

  そこで話は前に戻したい。アメリカ北東部バーモント州のバーモント・ヤンキー原発が運転を終了した。米国では、2013年春キウォーニー原発(ウィスコンシン州)が廃炉になって以来、4発電所5基が運転を終了。100基超あった米国内の原発は99基に減った。19年にもさらに1基が停止している。この廃炉に追い込まれた理由を、米電力大手エンタジーのビル・モール社長は「経済的要因が第一の理由だ」と説明する。つまり、原発はもはや利益を生むものでなくなったということである。その契機がシェール革命であり、ガス火力のコストが低下し、電力価格が下がる一方、原発は安全対策などのコストが増えたということである。

  しかし、日本では今もって「高いの、低いの」と、原発の発電コストをめぐる論議が繰り返されている。しかし、世界はドイツしかり、フランス、そしてアメリカなどの原発先進国ではもうすでに結論が出ている。にもかかわらず、国内の再稼働熱はおさまることがない。それどころか、首相が先頭に立って、海外へ輸出するという熱心さである。そこをあらためて考えたいと思うが、どうだろうか。


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