向こう三軒両隣・しかし今後の高齢者の生き方はどうなるのか。浅田真央ショーに絡めて考えた

2017-04-14 10:04:01 | 日記

  向こう三軒両隣・しかし今後の高齢者の生き方はどうなるのか。浅田真央ショーに絡めて考えた

 

   「向こう三軒両隣」という歌の文句があった。つまり戦時中の「隣組団結」を表現した言葉である。団結と言えば恰好が良いが、例えば空襲に対し「防火の国民的義務」から逃げることを防ぐ組織であり、「大砲や爆弾をつくるためと称する金物供出」の相互監視を強める役割を持つものであった。

   現在地に、我が家を建設したのは今から26年前である。袋小路に10軒が並ぶ「ご近所」である。26年前は壮年であったご近所も今や70代から80代の年金生活者となっている。そして顔を合わせれば挨拶をかわすが、それ以外はそこそこのお付き合いとなっている。

   最長老は87歳。奥様は昨年亡くなられた。なんとなく不在の感じであったが入院先で亡くなったということがわかった。その訃報は「ご近所」は知らない。

   昨今「家族葬」あるいは「近親者葬」という弔いが多くなっている。超高齢化の中で本人の交友関係も希薄になっている。また家族も同様である。それであれば身内だけでとなっても不思議ではない。さらに費用の面もある。多くは医療・介護の生活の中で多額の出費をしている。そして残された者のその後の生活がある。葬儀の費用のかけ方にはいろいろあるが平均して200万円の出費は覚悟しなければならないといわれている。「死に仏より、生き仏」ということが言われるが、わずかな蓄えであっても「生き仏のため」に使われることが必要であろう。

 ところで87歳の長老である。お酒をたしなむかどうかは知らないが「ベランダのホタル」をしばしば目にしていた。今も手放すことはない。「がん」の危険よりは好きなたばこを選択している。これもまた人生だろう。たまたまの庭先での立ち話しの中で「肉じゃが」を作っておいて「チン」をする。あとは「冷蔵庫にある全てのものを使った味噌汁」が献立であると。そして奥様の遺影を前に「俺は大変だぞ、苦労しているぞ。先に逝ったお前は楽だろう」と言って味噌汁を作っていると笑っていた。

 さて介護保険制度改定である。今回で何度目だろうかと首をかしげたくなるほどの改定の連発である。多分多くの高齢者は何が何だかわからなくなっているだろう。そして今般も国会における委員会での強行採決に抗議をして審議が止まったほどの中身が本会議にかけられようとしている。

 それは「現役並みの所得者の3割自己負担・介護療養病床から医療病床に移すことによる退院、在宅への促進・介護予防に成果を上げた自治体への財政的優遇などなど」、すべてが社会保障費の縮小、削減を骨格とした内容になっている。

 この4月以降要支援1・2の予防介護が介護保険から切り離されている。しかしその受け皿である市町村の体制は今もって決まっていない。加えて要介護1・2の通所、訪問介護も保険制度の蚊帳の外に出される方針が出されている。「ご近所さま」の実情はますます変わっていくだろう。

 「華麗な演技を見せてくれた浅田真央さんショー」を企画したNHKのテレビ放映、そして新聞の紙面を大きく賑わせた編集。彼女に恨みもなければ、むしろ素晴らしい記憶を残してくれたと思うが、何かストンと落ちないこの一週間であった。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿