蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

959 カラフトクロオオアリの考察(4-4) 黒化ムネアカオオアリ

2012年07月08日 15時32分11秒 | Weblog
乗鞍高原のカラフトクロオオアリの生息地に、
ムネアカオオアリの黒化型が生息している。
胸部の黒の濃淡は様々だが、腹部第一節の腹柄節付近に微かに赤みをさすものから、
全体が黒いものまで体色の違いが認められる。
ただ黒色といっても明るい日差しの下では、赤色がかかっているようにも見えることがある。
逆にカラフトクロオオアリにおいても、赤色を示すものが出ることがある。
脱翅メスの段階では、カラフトクロオオアリかムネアカオオアリか判断がつかないことがある。
ムネアカオオアリの同定には腹部の軟毛が用いられているが、それも微妙だ。

かねがね純粋クロオオアリと純粋ムネアカオオアリを交雑させて、
結果どのようなワーカーがでるか考えていた。
ムネアカオオアリの雌雄羽蟻の生産は可能かもしれないが、
カラフトクロオオアリの雌雄羽蟻の生産は困難だ。
遺伝子の解明でどのような結果がでるか、将来に希望もあるが。

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2 コメント

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カラフトクロオアリの生態他 (バード)
2012-07-09 21:24:26
題記の件大変興味深く拝見させて頂きました。有難うございます。4/4まで何度か読み直しました。通読してトンチンカンな私も、全部ではありませんが少し理解して参りました。
フィールド観察をろくにしていない私が質問しますので無礼な質問となるかも知れませんがお許しをお願いします。無視して頂く質問項目もあるかも知れませんが宜しくお願いします.
尚、以前の質問と重複することも併せご容赦願います。
1)環境に拘らず、自然界でのカラフトクロオオアリの餌は、ムネアカ、クロオオなどと略同じと考えて宜しいでしょうか(2/4から)。
2)若し違うのであれば、違うと思われる餌を判れば教えて下さい。
3)生態は、ムネアカと略同じと考えられますか。
4)2/4に記述されたムネアカの巣を暴いたとき、カラフトクロオオアリのWがでてきたそうですが、その時のムネアカの巣は推定何年目のコロニーが多かったか、それともまちまちか判ればお教え頂けますか。
5)2/4にカラフトクロオオアリの成長が南関東のムネアカより倍近いスピードで成長するそうですが、凡その理由やその推測は可能でしょうか。その場合、高山のムネアカも成長スピードは同じように速いものでしょうか若し解れば教えて頂けますか。
6)自然環境でカラフトクロオオアリのQはどの位で羽蟻生産をし寿命は何年ほどと思われますか。生活史が活動期間約3ヶ月(1/4に活動期間6月中旬~9月中旬という表記から)と言うことですが昼夜の温度差と種間競争を含め(然るにコロニーの巨大化と大型ワーカーがいる2/4に記載)かなり厳しい繁殖環境と思われますが。
7)自然界でカラフトクロオオアリの殖えない理由を少し述べて(2/4)おられてますが、今までに解っている大きな理由はどんなものと思われますか。
8)人工飼育ではW30までと3/4で述べらられていますが、大きな理由はどんなことが考えられるのでしょう。
9)カラフトクロオオアリとムネアカの混血の可能性について(4/4)述べておられますが自然環境が厳しいと考えるだけで、私なぞは結婚飛行時期も重なるだけでなく集団の狭さなどを単純に考え♂♀の誘引ホルモンが似た種で種が近ければ(分りませんが)混血の可能性を考えてしまいますが、ふじひろ様はどう推論されていますか。その様な実験をしてみたいと述べられていますが(4/4に)。
10)最後に、人工飼育下でムネアカオオアリの羽蟻生産を継続生産された方は今までにいるのでしょうか。若しご存知ならお教え頂けますか。
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ミスった (ふじひろ)
2012-07-10 10:15:00
回答を書き終えたところで、ミスってぜんぶ消してしまいました。
ブログ本体で説明します。
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