蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

1113 2018クサオオアリ 飼育環境

2018年10月07日 15時42分31秒 | Weblog
報告が遅れました。

去年はワーカー一匹の羽化に成功しましたが、
越冬に失敗し、ワーカーを失いました
今年もこうやんのご厚意で、新女王を得られましたので、
飼育環境をいろいろ試してみました。

その結果を以下の{1}、「2」、「3」の事例で説明していきます。

「1}ケース内に湿らせたスポンジだけを入れた事例です。
   湿らせたスポンジのすぐ傍で子育てをしています。
   ワーカーが6匹、幼虫も育っています。
   餌はいろいろ試してみましたが、メープルシロップが一番いいようです。

「2」ケース内に、湿らせたスポンジと、それに切り口を密着させたチュウブを入れた事例です。
   ご覧の通り、チュウブが湿気で変色しています。
   ワーカーが5匹、幼虫も多数います。

「1」、「2」の事例から導き出されるのは、水分の重要性です。
クサオオアリは木質中に営巣しますので、乾燥した環境を好むと思われますが、
少なくとも、新女王のコロニー建設には、潤沢な水分が必要と考えています。

「3」のように、湿らせたスポンジを入れたケースに採餌用のチュウブを差し込んだ場合、
ほとんどの新女王はチュウブ内に営巣します。
産卵、孵化はみられますが、殆どの場合、幼虫は成長しません。

勿論、新女王の個体差も大きな要因ですので、一概に言いきれませんが、
飼育の際は参考にしていただきたいと思います。

「1」

 

「2」

 

「3」