蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

969 トゲアリ 蟻巣脱出

2012年07月31日 12時53分08秒 | Weblog
石膏蟻巣で飼育していたトゲアリコロニーが、
石膏蟻巣を放棄、ケース内に脱出した。
ホストのムネアカオオアリの数も少なくなり、
新しい巣への引っ越しを始めたのであろうか。
ともあれ、新しい蟻巣を用意しなければならない。

 

967 ムネアカオオアリQ2コロニー 採餌復活

2012年07月25日 12時55分03秒 | Weblog
止まっていた採餌が再開した。
コロニーが再活性化することを期待する。

二年間与え続けていた昆虫ゼリーが枯渇した。
ミルアームもすべて羽化、これも枯渇した。
それでブリーディング用の昆虫ゼリーを買い求めた。
うたい文句は、天然果汁、各種タンパク質、必須アミノ酸、
グルコース、トレハロース、その他栄養成分をバランスよく配合、
とある。
この昆虫ゼリーだけで飼育することを考えているのだが、どうだろう。

 

961 カラフトクロオオアリの考察 補足説明

2012年07月10日 10時19分46秒 | Weblog
1)餌について
ムネアカオオアリ、クロオオアリと基本的に同じです。

3)生態について
亜高山帯のムネアカオオアリと同じだと思います。

4)カラフトクロオオアリとムネアカオオアリとの抗争について
ムネアカオオアリのコロニーは1~3年程度だと思います。
ワーカーの数でコロニーの年齢を推定するのは難しいのです。

結婚飛行後の営巣場所は限られているので、
年代の異なるコロニーの巣が偶然連結してしまうことがおこります。
強者が弱者を壊滅させ、サナギ・幼虫を奪います。
例えば脱翅メスが枯れ枝に営巣し、サナギまで育てあげたとします。
ところが先住民がいて、巣が繋がってしまうと、サナギなどを持ち去られてしまいます。
脱翅メスは抵抗して殺されるか、逃げ出すかのどちらかでしょう。
こういうケースは非常に多いと思います。

5)成長速度の速さですが、その理由はわかりません。
ただ速いので生存できてきたということはいえるでしょう。
ムネアカオオアリの幼虫・蛹の成長速度は、
飼育経験からの判断ではカラフトクロオオアリと同じです。

6)羽蟻生産、寿命についてはわかりません。
生活環境は厳しくみえますが、順能していますので、
そうした環境でなければ、逆に生存できないでしょう。

7)それはなんといっても人間による環境破壊でしょう。
乗鞍でもようやく車両規制が始まっていますが。
それはムネアカオオアリにもいえますね。

8)w30の限界について
飼育者の怠慢と研究不足です。

9)カラフトオオアリ×ムネアカオオアリ
まさに30年間そのことを考え続けてきたといっても過言ではありません。
カラフトクロオオアリとムネアカオオアリが同時に分化し、
その後両者で交雑があったのか。
それともムネアカオオアリが黒化してカラフトクロオオアリに分化したのか。
専門家ではない私には判断がつきません。
専門家の話では、分化したあと年数があさいもの同士は交雑が可能だそうです。
ムネアカオオアリとカラフトクロオオアリの交雑、
どなたかにやってもらいたいものです。


959 カラフトクロオオアリの考察(4-4) 黒化ムネアカオオアリ

2012年07月08日 15時32分11秒 | Weblog
乗鞍高原のカラフトクロオオアリの生息地に、
ムネアカオオアリの黒化型が生息している。
胸部の黒の濃淡は様々だが、腹部第一節の腹柄節付近に微かに赤みをさすものから、
全体が黒いものまで体色の違いが認められる。
ただ黒色といっても明るい日差しの下では、赤色がかかっているようにも見えることがある。
逆にカラフトクロオオアリにおいても、赤色を示すものが出ることがある。
脱翅メスの段階では、カラフトクロオオアリかムネアカオオアリか判断がつかないことがある。
ムネアカオオアリの同定には腹部の軟毛が用いられているが、それも微妙だ。

かねがね純粋クロオオアリと純粋ムネアカオオアリを交雑させて、
結果どのようなワーカーがでるか考えていた。
ムネアカオオアリの雌雄羽蟻の生産は可能かもしれないが、
カラフトクロオオアリの雌雄羽蟻の生産は困難だ。
遺伝子の解明でどのような結果がでるか、将来に希望もあるが。

955 カラフトクロオオアリの考察(3-4) 飼育

2012年07月03日 19時20分18秒 | Weblog
南関東地方でカラフトクロオオアリを飼育するにはどうしたらいいか。
私の事例では、w30止まりで、本格的なコロニー化には成功していないが。

飼育上のポイントをあげてみよう。
<人工蟻巣>
木材で作ることにしている。
人工蟻巣といっても、箱にすぎないのだが。
石膏蟻巣」で飼育したことがあるが、良い結果が得られなかった。
<餌>
クロオオアリ、ムネアカオオアリと同じである。
私の場合はミルアームと昆虫ゼリーを与えている。
<温度管理>
日中は30℃未満。夜間は20℃未満。
真夏日、熱帯夜が続くと、コロニーは衰弱する。

脱翅メスを採集して持ち帰ったら、適切な温度管理をしなければならない。
それが出来ないなら、湿度に充分注意して冷蔵庫に入れておくのがいい。
産卵は翌年になることが多い。
冬季は結氷する環境に置き、仮死状態にしておくことも重要である。

翌年は自然状態で飼育する。
七月に入ったら、
コロニーの状況を確認し、冷蔵庫内で管理するようにする。