蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

70 目覚め カラフトクロオオアリ

2007年02月22日 15時31分09秒 | Weblog
暖かい日が続いていたので、
カラフトクロオオアリの状態を確認してみた。
2匹とも覚醒していて、
しっかりと、赤みかかった幼虫塊をくわえていた。

計画どうり、仮死状態になり覚醒したが、
覚醒が予定より1月ほど早い。
体色も良く、イキイキしているので、
今年は、カラフトクロオオアリの
初期コロニーを誕生させることができるかもしれない。

室内温室で、最低温度16℃を維持し、
数日後から、水分と昆虫ゼリーを与えていくことにする。

    ふじひろ   

69 人工蟻巣 パルサ蟻巣

2007年02月21日 13時39分20秒 | Weblog
巣部にパルサ材を使用した蟻巣
350×130×35㎜

ムネアカオオアリ、ケブカクロオオアリ、カラフトクロオオアリの
初期コロニー用に考案した人工蟻巣
初期コロニーがワーカー増加に伴い、
どのように巣室が拡大していくかを調べるために作成した。

パルサ材は南米エクアドルで産する
世界で一番やわらかい天然の木。

厚さ10㎜の板を2枚重ねて入れ、
周囲を石膏でかため固定してある。
両面アクリル板で押さえ、透明テープで固定

この蟻巣は大型のケースに入れて飼育する計画である。

    ふじひろ   


68 自由研究 クロヤマアリの採集

2007年02月20日 16時18分00秒 | Weblog
夏休みの自由研究にアリの生態観察を考えているなら、
クロヤマアリを薦めたい。
大きさも手ごろだし、採集も他の種類に比べ易しい。

採集は4月上旬が最初のチャンス。
夏休みが近づいてからでは遅い。
暖かくなると、
コロニー全体が地表近くまで上がってくる。
多くのワーカーが活動していたら、
シャベルで巣口付近を広く掘り起こす。
その中に大きな蟻がいたら、それが女王蟻だから、素早く捕まえよう。

女王蟻がいなかったら、
土を平らにして、その上に15から20cm角の厚めの板を乗せて置こう。
その後、雨が降り、晴れの日がきたら、
その晴れの日から数日後の午後、置いた板をはがしてみよう。
女王蟻がいる確立が高い。

採集には、
私は大きめのビニール袋を持って行き、
コロニー全体を土ごとビニール袋に入れ、持ち帰ることにしている。
本格的人工蟻巣に入れる前に、
箱型蟻巣に一旦収容する。
採集した袋を膨らませ、
その中に箱型蟻巣を入れ、その袋をしっかりと閉じておく。
これを陽の当たらない明るい場所に置いておけば、
コロニー全体が箱型蟻巣に引越ししてくれる。
箱型蟻巣にコロニーを収容しておけば、
石膏蟻巣にしろ、アクリル蟻巣にしろ、
飼育用蟻巣に移し変える時に、苦労しないですむのである。

    ふじひろ   

67 春3月 クロヤマアリ

2007年02月19日 21時44分02秒 | Weblog
蟻道楽人の私にとって、
1年の暦は3月1日から始まる。
3月になると、
クロヤマアリの活動が見られるようになる。

ヤマアリ類は、
今までは石膏蟻巣で飼育していたが、
今年は、アクリルケースを用いて飼育しようと考えている。

特に、アカヤマアリは、
ワーカーの数が急激に増えるので、
石膏蟻巣では容量的に不足してしまう。

クロヤマアリは、
サムライアリやアカヤマアリへの蛹の投与に欠かせない。
この蛹の育成、採集には、
アクリルケースの方が便利である。

      ふじひろ   

66 人工蟻巣 大竹型

2007年02月15日 11時14分42秒 | Weblog
枯れ大竹を節から節までを切り取り、
半分に割って作った蟻巣。
20×7×4㎝。

使用した竹は、
ミカドオオアリ採集時に営巣していたものを活用した。
この蟻巣は、
大型のケースの中に入れて観察する。

ミカドオオアリは、この蟻巣が住みごごちがいいようで、
同じケースの中に別の営巣蟻巣を入れておくと、
引越ししてくることが多い。

    ふじひろ   


65 人工蟻巣 樹幹型

2007年02月14日 11時32分56秒 | Weblog
直径10㎝高さ12㎝の樹幹をほりこんだ蟻巣

ムネアカオオアリ、ケブカクロオオアリ、ミカドオオアリ
などのワーカー30匹以上のコロニーの飼育に使用している。
特に、ケブカクロオオアリは
この蟻巣を気に入っていて、昨年多くのワーカーをこの蟻巣内で育成した。

この蟻巣の底には、穴が開いているので、
アカヤマアリの夏の蟻巣として、
石膏蟻巣と組み合わせて活用している。

     ふじひろ   

64 人工蟻巣 木製ほりこみ型(小)

2007年02月13日 11時26分58秒 | Weblog
17×6×4㎝の木材に約12×2×2㎝の巣穴をほりこんだ人工蟻巣

オオアリ属の
脱翅雌の初期コロニーを
ワーカー20~30匹のコロニーに育成する蟻巣

幼虫が増えるまでは、
直接蟻巣内に給餌するようにしている。
その後は、やや大きめのケースに入れて飼育する。
給餌は巣外で行う。

     ふじひろ   

63 人工蟻巣 木製箱型

2007年02月12日 14時25分09秒 | Weblog
木製箱型人工蟻巣 約10cm角の立方体

私が今一番愛用している人工蟻巣。
活用の方法は、
1 コロニー採集時に、密封ケースに入れて持参し、
 採集コロニーをビニール袋の中で箱内に引越しさせて
 ケースに入れて持ち帰る。

2 ケース内ペアリングの際の蟻巣として利用する。

3 越冬蟻巣として利用する。

4 初期コロニーの臨時飼育蟻巣として利用する。

    ふじひろ   

62 リウマチ蟻紀行 北海道苫小牧研究林

2007年02月08日 11時10分19秒 | Weblog
研究林の中にある休憩所

苫小牧には、札幌から特急で1時間10分で行くことができる。
6月27日から29日まで苫小牧に滞在した。
苫小牧には、北大の研究林があるからである。

この研究林は、
昆虫採集禁止であり、ヒグマの出没情報があり、
意欲がそがれること、このうえない。
ここは、林というよりは森である。
樹木の密度が高く、大地に陽が届かないところが多い。

道路端の草地に、
クロヤマアリ、エゾクシケアリ、シワクシケアリを確認。
昆虫の姿はほとんど見当たらない。

なお、研究林のホームページによると、
林内で確認されたアリのリストに、
28種の名が記載されている。

       ふじひろ    

       

61 リウマチ蟻紀行 北海道丸瀬布 いこいの森

2007年02月07日 14時27分49秒 | Weblog
いこいの森、ミニSLが走る

いこいの森の中を、ミニSLの線路が敷かれている。
線路傍の固定した枕木に、ケブカクロオオアリが営巣していた。
かなり広い公園だ。
樹木も無く、陽が直接枕木に当たっている。
営巣環境としては相当厳しいが、
これがケブカクロオオアリの特異性なのだ。
希少種に止まっている理由がこんなところにあるのかもしれない。

枕木にしろ、欅にしろ、非常に硬い木に営巣しているので、
コロニー全体を採集するのは、難しそうだ。
飛行時の脱翅雌を採集するか、
営巣後1,2年の初期コロニーを採集すかだが、
幸運の女神がいなければ叶わないだろう。

私が、ケース内ペアリングをおもいついたのは、
実はこの時なのである。

翌日24日、再びケブカクロオオアリのこの営巣場所に戻ってみた。
このコロニーが、どのようにして食料を確保しているのか、
調べたかったからである。
枕木伝いに100mほど行った所の林の中にワーカーは消えて行き、
再びその林の中から、腹部を膨らませたワーカーが戻ってきていた。
なにか慢性的な食料不足に襲われているように思われた。
ワーカーの数は多そうだが、大型のものはいなかった。

いこいの森には、
他にムネアカオオアリ、クロヤマアリ、クシケアリ各種が
営巣していた。

    ふじひろ   



60 リウマチ蟻紀行 北海道丸瀬布 昆虫生態館

2007年02月06日 13時44分35秒 | Weblog
昆虫生態館(再掲)

6月22日夜、23日朝温泉風呂に入る。
膝の痛みが和らぐ。
リウマチのような免疫障害には、
温泉で体を温め、ウキウキとした時間をもつことが、
症状改善にいいのだ。

朝食のあと、
食堂でコーヒーを飲みながら、昨日のフィールドノートの整理をし、
今日の計画を考える。
至上ひと時だ。

昨日行った昆虫生態館に行く。
ケブカクロオオアリに会えると思うと、心がおどる。
ケブカクロオオアリの飼育ケースは、
天窓のある奥の部屋にあった。
かなり大きなケースの中に、枕木が置かれてある。
その枕木に営巣しているのだ。

ワーカーの体長は7,8㎜で、
女王蟻が営巣を開始して、3,4年ほどのコロニーと思われた。

事務室を覗いてみると、
学芸員(Kさん)がトレーの中の蟻を調べている。
なんと、この蟻、ツヤクシケアリ。
その美しさに、思わず見とれてしまった。

Kさんに、
ケブカクロオオアリのことを尋ねると、
昆虫生態館前の「いこいの森」で、
枕木の中に営巣していたとのこと。
他にもコロニーがあるので、
見たければ、案内するという。

    ふじひろ    

                   
        ・今回で本ブログも60回を数える
        ・今日、今年初めてクロヤマアリの活動を確認した    

59 リウマチ蟻紀行  北海道丸瀬布 ツノアカヤマアリ

2007年02月05日 11時39分00秒 | Weblog
昆虫生態館へ行く道筋に営巣していた
ツノアカヤマアリのワーカー

地図を頼りに、昆虫生態館に向かった。
その道筋に、
ツノアカヤマアリとアカヤマアリの巣があった。
早速採集した。
両コロニーとも、羽蟻の大きな蛹が出てきた。

昆虫生態館に着いたが、
残念、月曜日で休館日だった。
明日出直すことにする。

山荘に戻り、山荘前の山道を登っていった。
その道筋で、ムネアカオオアリの脱翅雌を7匹採集した。
腹部を失ったムネアカオオアリの雌が
翅を付けたまま軽やかに動きまわっている。
その数、30匹を超えている。
後で分かったのだが、これはトンボの仕業だったのである。

ムネアカオオアリの脱翅雌だが、
このうちの1匹が、胸黒のワーカーを羽化させた。

    ふじひろ