蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

648 飼育開始 ミカドオオアリ(Q3) ケース内ペアリング

2010年02月26日 16時14分03秒 | Weblog
昨年ケース内ペアリングによりつくったQ3コロニー。
目立ったトラブルもなく越冬を終えた。
女王アリが2匹確認できるが、もう1匹が不明だ。
今後コロニーとして維持できるか、今年の重要な課題だ。

    ふじひろ   

647 越冬 ツヤクシケアリ考

2010年02月21日 20時16分20秒 | Weblog
画像の越冬用蟻巣は狭くなってきた。
飼育開始までに新しい人工蟻巣を製作しなければならない。
羽アリが出る可能性も考えて、ケース内ペアリング実施のことも考慮する。

ツヤクシケアリの巣は深さ30~40cmである。
日当たりのいい場所にあり、夏はカンカン照り、冬は雪に埋もれる。
土質は水捌けがよく、火山地帯にあることが多い。

冬でも巣内が地熱で暖かいので、巣の深さは浅い方がいいのだろう。
幼虫の越冬は地熱の存在によるものと思われる。

     ふじひろ  

646 越冬 ツヤクシケアリ 幼虫

2010年02月18日 12時50分08秒 | Weblog
越冬中のツヤクシケアリの蟻巣内をのぞいてみた。

なんと、幼虫がいっぱい。
越冬の温度環境は夜間で0℃前後、その中で幼虫が生き生きと生存している。
これで、ワーカーが初冬、越冬に入る直前まで幼虫の世話をしていた理由が理解できた。
ツヤクシケアリは3~4齢幼虫の段階でも越冬できるのだ。

    ふじひろ

640 保存餌 ミルワーム 1

2010年02月04日 15時31分25秒 | Weblog
画像はミルワームの缶詰。

3月に入ると、蛋白質系の餌が必要となる。
そこで缶詰のミルワームを使って、保存餌を作ることにした。

まず冬の天日に晒して乾燥させる。
乾燥したミルワームを乾燥剤入りの入れ物に入れ、保存できるようにする。
餌として使うときは、数日間蜂蜜につけてやわらかくしておく。
初めての試みなので、成功するかどうかは分からない。

    ふじひろ   

639 新黒化ムネアカオオアリ考 3(完)

2010年02月02日 15時39分25秒 | Weblog
画像は昨年春行ったミカドオオアリのケース内ペアリング。

黒化ムネアカオオアリの混血説を立証するためには、DNA鑑定や交尾器の解剖的検証が必要と思われる。
生態面からの接近では、カラフトクロオオアリとムネアカオオアリを人工的に交尾させ、両者のワーカーを得ることが考えられる。
その結果、黒化ムネアカオオアリが出れば、混血説を裏付けられることになるだろう。

人工的な交尾方法には、私は「ケース内ペアリング法」を活用している。
今までケース内ペアリングを成功させている種は、クロオオアリ、ケブカクロオオアリ、
ミカドオオアリ、サムライアリであるが、
ミカドオオアリを成功させる技術があれば、オオアリ亜属はすべて成功させることが出来ると思っている。

さて具体的方法であるが、
1 カラフトクロオオアリとムネアカオオアリを採集する。
それぞれメス羽アリは10匹以上、オス羽アリは20匹以上、ワーカーは50匹以上必要である。
2 それぞれの集団を箱型蟻巣に営巣させ、充分栄養を与える。
3 冬場に氷結する環境で越冬させる。
それぞれの動かなくなった集団の構成員の数を記録する。
オスアリを取り出し、カラフトクロオオアリはムネアカオオアリの蟻巣に、ムネアカオオアリはカラフトクロオオアリの蟻巣に入れ、オスアリの相互交換を行う。
4 春になって、羽アリが活発になってきたら、ペアリング用ケースに入れ、ペアリングさせる。
5 ペアリングが終了したら、脱翅メスを1匹づつワーカーと共に飼育する。
6 産卵の後、ワーカーの羽化を待つことになる。

このブログにケブカクロオオアリとミカドオオアリのケース内ペアリングの記録があるので参照されたい。

   ふじひろ